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本記事ではPS用ソフト『サルゲッチュ』(良作)と、移植版であるPSP用ソフト『サルゲッチュP!』(劣化ゲー)を紹介しています。 サルゲッチュ 概要 ストーリー 特徴 評価点 問題点 総評 他機種版 余談 サルゲッチュP! 概要(P!) 初代からの追加要素 評価点(P!) 問題点(P!) 総評(P!) 余談(P!) サルゲッチュ 【さるげっちゅ】 ジャンル サルつかまえアクション 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 発売・開発元 Sony Computer Entertainment 発売日 1999年6月24日 定価 5,800円(税別) プレイ人数 1人 レーティング CERO 全年齢対象(*1) 廉価版(税別) PlayStation the Best for Family2000年7月6日/2,800円 PS one Books 2005年7月14日/1,800円 配信(税5%込) ゲームアーカイブス 2007年8月30日/600円※PSP非対応(PSVではプレイ可能) 判定 良作 ポイント 世界初のデュアルショック専用ソフト後に様々なグッズを生み出したソニーの代表作両アナログスティックを駆使しサルをゲッチュ初代故に難易度はやや高め「右スティックに朗報!?」 サルゲッチュシリーズ SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要 サルゲッチュシリーズの記念すべき第1作。 「ピポサル」と呼ばれる特殊なサルたちを次々と捕獲していくゲーム。 タイトル通りサルを捕まえることを「ゲッチュ」と呼ぶ。 また世界初のデュアルショック「専用」ソフトである。 ストーリー ある日、カケルはハカセの研究所にヒロキと共にやってきた。 だが、研究所ではヘルメットをかぶったサル達が暴れていた。 原因は、遊園地の人気者だった白いサル「スペクター」であった。 スペクターはハカセの発明品「ピーク・ポイント・ヘルメット」通称「ピポヘル」をかぶったことで知能が上がり、悪の心が目覚めてしまったのだ。 彼は遊園地にいたサル達と共に脱走。スペクターは「歴史改造計画」を目論み、研究所に乗り込みタイムマシンを使ってサル達を過去の世界に送り込もうとする。 その後カケルはハカセから逃げたサルの捕獲を命じられる。カケルはサル達を捕まえ、計画を止めることはできるのか…。 特徴 敵を倒すのではなく捕まえるという当時、斬新なシステムを採用。 ガチャメカを駆使し、ステージごとに決められた数のサルを捕まえるとクリアとなり、次のステージに進める。 クリア条件はすべてのサルを捕まえる訳ではなく、コンプリートには再度訪れる必要がある。 ステージを進めると使えるようになるガチャメカを使わないと、捕まえられないサルもいる。 システム的には『スーパーマリオ64』や『バンジョーとカズーイの大冒険』などの箱庭ステージ探索アクションの系譜にあるが、これらの作品との最大の違いは「探索の目標物が明確にプレイヤーに敵対している」ことだろう。 条件さえ満たせば無抵抗で手に入るパワースターやジグソーと異なり、目標物が逃げ回り時には反撃してくるシステムは斬新である。 一部の捕まえたサルはポケットステーションへ転送して、『ホルゲッチュ』というミニゲームを本編とは別にプレイすることが可能。 ポケットステーションは初代PSソフトのみに対応しているため、初代ならではの要素と言える。 ちなみにPSVがあればポケットステーションを再現できるため、アーカイブスでも可能になる。 サル以外の敵も存在する。それらは捕まえられないので倒すか無視する。大抵の敵は倒すとアイテムを落とす。 途中、カケルの親友であるヒロキと対決(競争)する「ヒロキアタック」というステージが挟まる。また、終盤ではボス戦のあるステージが幾つか存在する。 評価点 簡単で親しみやすい操作性 本作は世界初のデュアルショック専用ソフトであり、2本のアナログスティックを活用した作りになっている。 左スティックで主人公の操作は他作品と同様だが、本作では右スティックを使ってほとんどのガチャメカを使用する。 基本武器の「メカボー」や、ピポサルを捕まえる「ゲットアミ」と言った近接武器系のガチャメカなら、右スティックを倒した方向に振る。 回転させて飛び上がる「トビトンボ」や、同じく回転によって高速移動する「ダッシュフープ」は右スティックを回して使用する。 ピポサルの居場所を探知する「サルレーダー」は右スティックを倒した方向をサーチする、など、全編を通して右スティックをフル稼働させることになる。 中には右スティックでラジコンを操作する「メカヨンク」なんてガチャメカも。 それまでのシンプルな3Dアクションと比較すると難しそうにも思えるが、実際にやってみると驚くほど直感的で簡単な操作を可能としているのが分かる。 ガチャメカの切り替えは〇△□✕。ジャンプはR1と言ったように、当時としては珍しくも、2本のスティック操作を阻害しないボタン配置となっている。 L3ボタンで匍匐など、やはり当時珍しかったスティックの押し込みも活用している。 今でこそPSのコントローラーはデュアルショックが標準だが、PS1当初のコントローラーはアナログスティックも振動機能も無く、それらの搭載はアナログコントローラーと、その後身であるデュアルショック1の発売まで待たなければならなかった。 しかしまだアナログスティック対応ソフトは少なく、また、「精密な十字キー」として利用できる左スティックに対して右スティックは用途がいまいち見えず、右スティック自体がほとんど使われなかった。現在では3Dゲームの視点操作で標準的に使われているが、それが定着するのはさらに数年後の話である。 そう言った当時の事情もあり、本作はパッケージ裏に「右スティックに朗報!?」とまで書かれていたほどである。 タイムスリップしたサルを捕まえるというコミカルなストーリーながらも、時としてシリアスな展開もあり、そのバランスが絶妙。 次回作以降は『サルバト~レ』系列ではシリアスを突き詰め、それ以外はコミカル一辺倒になっており、コミカルとシリアスのバランスが取れた作品という意味では本作はシリーズでも稀有な存在と言える。 演出も凝っており、たとえばラストステージでは最初BGMは流れず、サルに見つかり警報がなることで初めてBGMが流れるようなってる。 + 参考動画 http //www.nicovideo.jp/watch/sm1314762 アイデアだけではなくサルをつかまえた時の快感が素晴らしく、何度でも捕まえたくなる。 200匹を超えるサルや、ステージのどこかにあるスペクターコイン、23種類のステージなどボリューム満点。 スペクターコインを集めるとスキー、ボクシング、シューティングの3つが遊べる。いずれも本編同様にアナログスティックをフル活用した作りになっており、完成度が高い。 ラストステージをクリアした段階ではまだピポサルのコンプリートはできないが、エンディング後に新たなガチャメカが手に入り、今まで手出しが出来なかったピポサルも捕まえられるようになる(*2)。 そして全てのピポサルを捕まえると真のラスボスに挑めるようになり、これをゲッチュすることで本当の意味でのゲームクリアとなる。 ピポサルもとても可愛く、動きなどがとても活発的で見てるだけで満足である。 サルやステージのバリエーションが豊富で落書きするサル、キャンプしてるサルなど様々なサルを楽しめる。 サル1匹、1匹に固有の名前も付けられおり、中にはアーノルドやサルベスタなどのネタ要素も。 サルレーダーを使うことで、それぞれのサルの説明文も表示される(後からサル図鑑でも閲覧可能)。名前同様にネタに溢れており、これだけでも楽しめる。 ステージは進めるごとにどんどん広くなっていき、上記の物を探す楽しみが増えていく。 いくつもの時代に飛ぶだけあってステージのバリエーションも豊富。 中生代から始まり、古代遺跡、氷河期、中世の中国や西洋の城、現代の街や工場、近未来的な要塞と様々なステージが用意されており、プレイヤーを飽きさせない。 ただクリアするだけであきたらないなら、タイムアタックに挑戦することもできる。 タイムアタックに挑戦するにはそのステージ全てのサルを捕まえる必要がある。 攻略率100%を狙うならランクゴールドまででいい(それだけでも難しいが)。しかし己の限界に挑戦したい人のためにランク「ウルトラ」が存在する。 これは開発部が出した最速タイム。このゲームを知り尽くした人々からの挑戦である。 バラエティ豊富な9種類のガチャメカを使い分けてサル捕まえていく。 サルの方も機関銃で武装していたりUFOに乗っていたりと様々で、中には特殊な捕まえ方をする物もおり、まさしく「サルとの知恵比べ」を楽しめる。 ピポサルにはパンツの色があり、色によって特徴が異なる。 黄色 最も多く出現する普通のサル。能力は平均的。 水色 垂れ目で臆病な性格。弱い個体がほとんどだが、見つけづらい所に隠れていることが多い。 青色 水色と似ているが、逃げ足が非常に速い。 白色 黄色と似ているが、警戒心が高いのですぐに感づかれてしまう。 緑色 暗視ゴーグルをつけており、遠距離からでもカケルを目視してくる。ミサイルランチャーの追跡攻撃も厄介。 赤色 ツリ目。非常に好戦的で、様々な武器を使う戦闘のプロ。格闘戦もこなす。 黒色 サングラスをかけているガラの悪いピポサル。弾速の早いマシンガンで武装している。 ステージのBGMは寺田創一氏によるアップテンポなテクノやドラムンベースが中心。 良曲が多く、それぞれのステージに合ったものとなっている。中には1つのステージで2つのBGMが用意されている事も。 序盤はイメージに合ったゆるくコミカルな曲がメインだが、ステージが進むにつれてシリアスな曲も増えていき、後半〜終盤は緊張感を与えつつプレイ意欲を掻き立てる曲調となっている。 特にラストステージの曲は演出の力もあり評価が高い。 ゲームオーバー時には作中のキャラがランダムで一言添えるという、後のシリーズに受け継がれなかった小ネタも。 励ますハカセ、挑発するスペクターなどキャラ毎に複数の台詞が用意されている。ストーリー中は出番の少ないチャル(*3)もしっかり出ている。 問題点 決して理不尽ではないが、第1作という事もあって難易度が高め。 今作はライフが5しかないことも高難易度化に拍車をかけている。そのためか、次回作では倍の10に設定された(*4)。 攻撃を受けた時の吹き飛びが大きいため、空中のステージではよく落下する。 「サルおんせん」は人によって苦手なステージ。上へ上へ進む構成なのだが、崩れる氷の橋が2か所あり、落ちると最初からやり直しになってしまう。 せつめいポスト(メッセージボックス)によるアドバイスではさもダッシュフープを使って通るよう勧められているが、ダッシュフープで氷の橋を渡るのは付近を周る鉄球の餌食になりやすく失敗しやすい。 後々「ジャンプで進むのもあり」と推奨されるように、ジャンプを繰り返した方がはるかに楽で、このアドバイスを見落とすと苦戦しがちになる。 「マチノシティ」のように水中奥深くに通路があり、急いで進まないと行けない箇所も人によっては勇気が必要。酸素ゲージが切れるギリギリまで潜らないと行けないので、操作に慣れていないとかなり厳しい。次回作ではサブマリンが導入されたり、水中奥深くを潜るステージがオミットされている。 「スペクターランド」のジェットコースターは本作屈指の難度を誇る。タイミングよく障害物をジャンプで避けなければならないのだが、視界が悪く障害物を視認してからジャンプを押すまでの余裕があまりない。 中間ポイントこそあるが、道中で回復をすることが出来ない。スペクターコインが2枚設置されているので、コンプリートを目指す場合は取り逃すと自滅せざるを得なくなる。 操作性があまり良くない。 特に敵の攻撃の当たり判定が分かりにくい。 ステージが広大過ぎてサルがどこにいるかわからないことがある。 序盤のステージは非常に狭くすぐに一周りできる程度だが、ステージが進む毎にどんどん広大且つ複雑になっていく。 終盤はゲッチュのノルマではなくボス撃破がクリア条件のステージがあり、普通に最奥部を目指すアクションステージになっている場合も多々。 しかしそんなステージでもサルコンプのためには、ボス撃破後にピポサルを探して隅々まで探す必要がある。 一応ガチャメカの1つ、サルレーダーを使えばサルのいる方向が大まかにわかる。 しかし、その時点では捕まえられないサルにも反応してしまうという欠点もある。 完全クリアしてしまうと、そのステージでやれることが無くなってしまう。 行けないことも無いが、ピポサルがいないので行く意味も無い。ただその辺りをブラブラして気が済んだらワープルームに戻るだけである。 出来ることと言えばタイムアタックのみで、最初からプレイしたい場合はデータをやり直す必要がある。 この点は『サルゲッチュ3』にてようやく改善されるようになる。 コミカルとシリアスが入り混じった、シリーズでもバランスの良いストーリーだが、やや消化不良な所も無くもない。 最終ステージでは捕らわれていたハカセとナツミ、洗脳されていたヒロキを救出するのだが、救出した彼らはいかにも最終決戦に向けてカケルをバックアップするように見せかけて特に何もアクションを起こさない。 中でもナツミは「あそこ(研究所)の装置を使わなきゃ勝ち目ないんだから」とまで言っていたのだが、その装置が出てくる事は無かった。結局、このセリフに反してカケル自身の意志力と手持ちのガチャメカで全部解決してしまう。 ハカセ達が捕らわれるまでは各ステージにチュートリアルや攻略ヒントを表示する「せつめいポスト」があったのだが、これがハカセ達が研究所に戻ったことで最終ステージに復活…ということも無く、ゲーム的にもストーリー的にもバックアップは一切無く、最終ステージは仕掛けもボス戦も全てカケル(プレイヤー)1人に懸かっている。 チャルに関しては何の説明もなく急に登場してノルマを解説する。説明書を読めば済む話ではあるのだが、ストーリー中に何の紹介も無いのは些か扱いの悪さが否めない。 ストーリー終盤にはハカセ達に変わってガチャメカやステージの解説を行うという見せ場があるのだが、それが終わるとやはり出番は無い。一応、スタッフロールにチラっと映る程度。 『ピポサル2001』ではノルマ解説はハードモード限定に、『サルゲッチュ2』ではその役目からも降ろされて写真のみの登場になってしまい、以降の本編シリーズには姿を見せなくなった。 その一方で番外編の『サルバト~レ』のシリーズではプレイアブル化したり、アニメ『オンエアー』でもレギュラーとして活躍するなど、作品によって特に大きく扱いの差が出るキャラとなった。ヒロキは扱いの悪さがほぼ一貫しており、あまり差が無い。 総評 敵を倒すのではなく捕まえるという斬新なゲーム性だけではなく豊富なやり込み要素やコミカルとシリアスをバランス良く組み合わせたストーリー、凝った演出など、総合的にかなりの出来である。 この『サルゲッチュ』を象徴するキャラクターのピポサルはプレイステーションを代表するキャラクターとなった。 他機種版 下記の『P!』は別として、オリジナル版はPS3ゲームアーカイブスで配信されている。 PSPではボタンの関係上非対応だが、PSVではプレイ可能。 さらには2022年にリニューアルされたPS Plusのサブスクリプションサービス「クラシックカタログ」でPS5/PS4向けにも配信された(単品での買い切りも可能)。 余談 海外では『Ape Escape』というタイトルで発売されている。 この「Ape Escape」の意味は「猿の逃亡」であり、国内版の「サルゲッチュ (猿の捕獲)」とは正反対の意味のタイトルである。 また海外版ではカケルとヒロキ、スペクターの声を男性が担当しているため、日本語版とは受ける印象が大きく異なる(*5)。 その後本作の人気を受けてシリーズ化。様々な新要素や変更された点はあるが、基本的な面白さは変わらない。 シリーズ毎に主人公や登場人物は変わっているが、悪役のスペクターはほぼ全作に渡って登場しており、ピポサルに並ぶ本シリーズの顔役と言っても良い存在となっている。本作エンディングで遊園地に帰ったのは気のせいだった(*6)。 ほとんどの作品でラスボス、或いは敵キャラとしての登場だが、『サルゲッチュ ミリオンモンキーズ』では主人公の1人としてプレイアブル化を果たした。また、後述の漫画版では実質的な主役を務めていた。 なお、ライバルのヒロキも『サルバト~レ』系列では登場しているが、毎回最初からスペクターに操られた状態である。このことから、ヒロキはスペクターに後催眠暗示(*7)をかけられていると考えられる。 主人公のカケルは『2』『3』と言ったナンバリングでこそ主役を降ろされる(*8)ものの、外伝タイトルっでは変わらず主人公を務め、何はともあれシリーズのメイン主人公の座に就いていた。 一方、ヒロインのナツミ、サポート役のハカセは『2』でもカケルを差し置いてメインキャラとして続投したばかりか、『サルバト~レ』系列ではプレイアブル化を果たし、本作で手も足も出ずピポサルに捕まっていたのが嘘のように逞しく戦うようになった。 本作の発売に伴い雑誌等のメディアミックスによる広告戦略も広く行われ、ピポサルは『クラッシュ・バンディクー』シリーズのクラッシュに代わるSCEのマスコットキャラクターとして一時代を築く事になった。 本作発売と同時期にコロコロコミックで後藤英貴氏によるコミカライズ版『サルゲッチュ ウキウキ大作戦!』も連載開始(*9)。コミカライズ版の連載と共にコロコロコミックを中心にメディア展開されることになる。 『ウキウキ大作戦!』は一時の休載やタイトル改題などはあったが、2011年までの12年という長期連載となった。 シリーズ人気が絶頂を迎えた『2』の頃には同作を題材にした映画やCGアニメも製作された。 一方の本作についてはさらに数年後に放送されたアニメ版第2作『サルゲッチュ~オンエアー~』にて、『ミリオンモンキーズ』などの他作品を包括する形でアニメ化された。 本作のテレビCMは俳優のガッツ石松が「ゲッチュ石松」に扮したユニークな物で、印象に残っている人も多いだろう。 PS版発売から12年後の2011年2月15日に、サントラが発売された。 2021年10月17日に日本のシリーズファンであるYahya Danboos氏が、本作をUnreal Engine 4でリメイクした映像を自身のYouTubeチャンネルで公開した。 サルゲッチュP! 【さるげっちゅぴー】 ジャンル サルつかまえアクション 対応機種 プレイステーション・ポータブル メディア UMD 発売・開発元 Sony Computer Entertainment 発売日 2005年3月14日 定価 5,800円(税別) プレイ人数 1人~2人 レーティング CERO 全年齢対象 廉価版 PSP the Best 2006年3月2日/2,667円 判定 劣化ゲー ポイント 初代を携帯機でリメイク操作性は劣化頻繁に発生するロード追加要素は少なめ サルゲッチュシリーズ SIEワールドワイド・スタジオ作品 概要(P!) 初代『サルゲッチュ』のリメイク版。 ハードに合わせてポリゴンを全面的に作り直している。 その他、ボタンの数や配置の異なるPSP向けに操作方法を大幅に変更している。 初代からの追加要素 ミニゲームの「ギャラクシーモンキー」が「サル卓球」に、「スキーキッズレーシング」が「スノ(ボ)ーキッズレーシング」に差し替え。 同ゲームではある条件を満たすとスペクターやピポトロン3人衆が出現し、プレイアブルキャラとして使用可能に。 ポリゴンの全面的な作り直し。 評価点(P!) ハードの性能アップに伴いグラフィックの質が向上している。 カクカクのローポリだったオリジナルに比べて滑らかになっており、ピポサル達は本来の姿に近く描かれるようになった。 ピポサル以外のキャラも精密に描かれるようになり、特にチャルは見違えるほどに可愛くなっている。 ミニゲームも全体的にリニューアルされ、特にチャルやスペクターとピポトロン3人衆のプレイアブルキャラ化はシリーズファンには嬉しいとの声も。 問題点(P!) 非常にロードが長い。 本作のプレイヤーの多くがまず欠点に上げる点。今回は10~20秒と待たされる。それもステージの入出の際だけではなくエリアの切り替えの度にも。 PS版はほとんど気にならないほどロード時間が短かったため、既プレイヤーにはなおさら気になる。 操作性の劣化 元々デュアルショックに最適化していた作品なので、ボタン数の少ないPSPにリメイクしたことで特色が失われ、操作性も大幅に低下してしまった。 右スティックを使っていた操作は普通にボタンを押すだけ。メカボーなどは右スティックを倒した方向に振ることができていたが、本作ではボタンを押すと前方に振るという平凡な方式になり、まわし振りはボタンを押しながらアナログパッドを回す煩雑な操作に。ダッシュフープはただの連打である。 メカセレクト数も4から3に減少。配置ボタンの関連上仕方ないことだが、いちいちガチャメカを切り替える手間が多くなりがち。 操作性が悪くなったことで、シリーズでも難しめだった本作が更に難しくなっている。特に2回目のヒロキアタックは多くのプレイヤーが難所として挙げるほど。 追加要素の少なさ 上述の通りミニゲームの差し替えが行われており、通信機能を使うことでプレイヤー同士の対戦が可能。 しかしオリジナルからの追加要素はそれぐらいしか無い。追加ステージや追加ボス、他のキャラで操作する追加モードと言った新要素は皆無である。 また、上述の通りチャルやスペクター、ピポトロン3人衆といったキャラがプレイアブルキャラ化した一方で『2』のヒカルやウッキーファイブ、『サルバト~レ』のハルカ、『3』のサトルとサヤカがプレイアブルキャラ化を果たしていないどころか影も形も存在しない。せめて彼(彼女)らを参戦させて欲しかったという声も少なくない。 総評(P!) グラフィックこそ格段に良くなったがそれ以外の追加要素が殆ど無いので劣化点を補えるほどではなく、またロード時間の長さ故にシリーズ初心者にも勧め辛い。 PSP発売当時、多くのPS/PS2ソフトのPSPへの移植・リメイクが行われた中で、本作もまたその流れに乗った作品である。 しかし、デュアルショックの機能を最大限に活かすゲームデザインだった『サルゲッチュ』をPSPに落とし込むのは少々無理があったと言わざるを得ないだろう。 余談(P!) 現在はオリジナル版に加えてリメイク版『P!』もPS Plusクラシックカタログで配信されている。 この配信版は「右スティックの再割り当てを有効化する。」というオプションがあり、内蔵SSDがシームレスであるPS5版であればロード時間が長くても5秒程度に収まっている 持ち運び可能という本来の利点は潰れるものの、それを差し引いても多くの欠点を解消できるので『P!』をプレイするならPS4、可能ならPS5を推奨する。
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「修正依頼」が出ています。対応できる方はご協力をお願いします。依頼内容は「文章の推敲」です。 デビルメイクライ4 スペシャルエディション 【でびるめいくらいふぉー すぺしゃるえでぃしょん】 ジャンル スタイリッシュアクション 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindows 7/8.1 発売元 カプコン 開発元 アクセスゲームズ 発売日 【PS4/One】2015年6月18日【Win】2015年6月24日 定価 パッケージ版【PS4/One】4,490円ダウンロード版【PS4/Win】4,157円【One】4,180円 レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 良作 デビルメイクライシリーズ 概要 変更点・追加要素 バージルモード、レディ トリッシュモード 評価点・改善点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 2015年6月18日にPS4/Oneで、6月24日にWin(Steam)版として発売された『デビルメイクライ4』の完全版。 変更点・追加要素 新プレイアブルキャラで遊べる「バージルモード」「トリッシュ&レディモード」の導入。詳細は後述。 無印PC版の追加要素だった「ターボモード」「LDKモード」「スーパーキャラのさらなる強化仕様」を引き続き正式に導入。 シリーズ中のゲーム作では初の「日本語ボイス起用」を収録。アニメ版や『UMVC3』までに登場したキャラはそれに準拠するキャストとなる。 ボイスはオプションで「日本語」と「英語(+日本語字幕)」を選択できる。 グラフィックの強化、ゲームバランスの調整が少し行われている。 バージルモード、レディ トリッシュモード 3キャラ共通 『3SE』のバージルモードと同様、本編(ダンテ ネロモード)と同じ内容のミッションを別のキャラで攻略していくモード。 ストーリーは特に無いが、OPとEDのみ、本編のストーリーと関連性のあるムービーが流れる。ただし、ミッション内容とのストーリーの繋がりは一切無い。 バージルモードでは全ミッションをバージル一人で攻略する。レディ&トリッシュモードでは、ネロ → レディ、ダンテ → トリッシュと言う形の差し替え。 いずれのモードも最初から出現しており、本編も含めて自由な順番で遊べる。 ミッションの進行度やランキングはモード別に管理されるが、レッドオーブやプラウドソウル、その他各種アイテムの取得状況は全モード・全キャラで共有している。 いずれの追加キャラもネロやダンテと違い、LDKモード向けに高威力・広範囲を兼ね揃えた大技を持っている。 ネロやダンテの性能を前提としていた仕掛けやシークレットミッション、一部敵の攻撃は、バージル・トリッシュ・レディでも攻略できるように一部仕様変更されている。 隠しオーブが取れるように新たに足場、グリムグリップ(*1)が追加されているものも。 バージルの性能 『3SE』のバージルをベースに『DmC Devil May Cry』の要素を組み合わせ、今作向けの性能に大幅調整されている。『3SE』と同様、「閻魔刀」「フォースエッジ」「ベオウルフ」の3種類の近接武器と、飛び道具「幻影剣」で戦う。 正統進化を謳っているが、実際は『3SE』とは大きく異なる。 「VergilDownfall」の独自要素であったジャストチャージ(次元斬に対応)や、幻影剣によるリフト(瞬間移動での接近)も組み込まれている。 固有システムとして「コンセントレーション(集中)ゲージ」が搭載されているのが大きな特徴。 立ち止まったり歩いたりすることで集中ゲージが溜まっていき、集中ゲージの量に応じて各種近接攻撃が強化されていく。最高段階かつ魔人化中にのみ使用可能な次元斬・絶もある。 逆に攻撃を食らうだけでなく、攻撃を空振ったり、走行移動すると集中ゲージが減ってしまう。エアトリック(瞬間移動)を駆使したり適度に立ち止まるなど、バージルらしいテクニカルな立ち回り方が要求される。 レディの性能 シリーズでのプレイアブルキャラ化は今作が初となる。 射撃武器に偏重したキャラであり、「ハンドガン(二丁拳銃)」「ショットガン」「カリーナ=アン(多機能ロケットランチャー)」の3種類の銃器で戦う。 カリーナ=アンのワイヤーを敵に射出することで、地上の敵は上空に打ち上げ、空中の敵は地面に落として叩きつけるという、ネロのスナッチやバスターに近い技が使える。重い敵などには効かない。 ワイヤーをグリムグリップに引っ掛けることで、ネロのヘルバウンドと同様の移動も可能。 カリーナ=アンの発射の反動を利用して2段ジャンプも可能。 接近戦もできなくはないが中~遠距離戦の方が得意で、遠距離からも敵を圧倒していける。 純粋な人間なので被ダメージが他キャラよりも大きい。デビルトリガーも無いが、代わりにグレネードを周囲にばらまいて一帯をふっとばすボンバー系の必殺技が使える。 他のキャラとは立ち回り方が大きく異なるが、接近戦を挑む必要が無く、ダンテやバージルほど難しい操作も要求されないので初心者でも扱いやすい。それでいて射撃の強さは他を突き放しており、独自の強みがある。 トリッシュの性能 戦闘スタイルは『2』のトリッシュと共通する部分もあるが別物と言っていい。「魔剣スパーダ」と「電撃を纏った打撃」の2種類の近接攻撃と、「ルーチェ&オンブラ(二丁拳銃)」「パンドラ」の2種類の銃器で戦う。 特に初心者向けを意識した技構成であり、武器チェンジやスタイルチェンジが無く、タイミングがシビアな入力も存在しない。 ネロにおけるバスターや、ダンテにおけるスタイルアクションのボタンに、「魔剣スパーダ」を用いた攻撃が割り当てられている。 パンドラはコマンド入力で使用可能。ダンテのものに比べてコマンドが簡略化されている。 一定範囲に帯電し続ける「イナズマ」や、投げつけた魔剣スパーダが広範囲の敵を巻き込んで飛び続ける「ラウンドトリップ」の性能がずば抜けており、これらの技を連発しながら適当に戦うだけでも強い。 通常銃撃の連射速度が早めに設定されており、DT時は攻撃力も強めに強化される。 ハイタイムが2つのボタンの同時押しでなければ出せないのはややクセのある部分。 評価点・改善点 プレイアブルキャラクターの追加 ボリュームが増加し、より遊び甲斐のあるゲームになった。日本語ボイスの追加もあって1キャラで2度楽しめる。 ゲームバランスの改善 レッドオーブ、プラウドソウルの取得量が倍になり、パワーアップまでの時間が大幅に短縮。また、プラウドソウルは取得量は共通だが、使用量は個別に管理されるため、1キャラで稼げば他キャラにも回せる。 最初から遊べる「LDKモード」で大量の敵を撃破していれば大量のレッドオーブやプラウドソウルを稼げる。LDKモードを1周するまでに、全スキルを余裕で習得できるだろう。 隠しコマンドを入力することで『4』と同様のゲームバランスで遊ぶことも可能。隠しコマンドは機種ごとに違うので公式サイトに記載されている。 移動の煩わしさが改善 戦闘時でない限りスキル「スピード」が即発動するようになったため、マップ移動の煩わしさが大幅に緩和された。 戦闘中はガン逃げ出来ないようにするためか、発動に必要な時間は無印版と同等に戻る。 時の歯車の起動速度が速まり、テンポが良くなった。 エリア移動時やムービーを挟んでも、スピード発動状態、武器や銃器のチャージ状態、バージルの円陣幻影剣が維持されるようになった。 ブラッディパレスではこれが立ち回りやスコアに直結する。 クリアしたシークレットミッションは貼紙の文字が黒になり未クリアと判別しやすくなった。また、シークレットミッション開始時に挑戦をキャンセルできるようになった。 特定のキャラ以外ではクリア不可能なシークレットミッションには、クリア不可能なキャラでは挑戦できないようになっている。 ダゴン/バエルが触手形態時に体力1になると出てこなくなるバグが修正された。代わりに本体登場時に体力を0にできなくなった。 パフォーマンスの改善 『4』で少しみられた処理落ちも改善。処理落ちが発生するのはLDKで超広範囲攻撃(オーメンや次元斬・絶など)で大量の敵を一掃したときの一瞬程度で、通常プレイでは全く無しと言っていい。 グラフィックも単純に解像度を上げただけでなく、フロストの氷などテクスチャ自体の手直しをされたものもある。 その他 オートセーブ対応。 各キャラにコスチュームが追加。ムービーにも反映される。 条件は面倒だが、コスチュームを変更してスーパーキャラクターを使用することが可能になった。 値段がミドルプライス。完全版とはいえ上位機種に移植+新規PC3人+日本語ボイスが追加されての値段なのでかなり良心的と言えるだろう。 DLCで隠し要素やオーブなどを購入可能なため、開放が難しい層への救済となっている。 しかし、購入しなくても全ての隠し要素を解放するのは難しくないし、ブルーオーブを買った所で本来の上限は突破されない。 賛否両論点 日本語ボイス 『DMC』のキャラが日本語で喋ることに違和感や抵抗があるという批判意見も少なからず見られる。 特にバージルの日本語ボイスに関しては「声がバージルにしては低い」「そもそもキャラに合っていない」といった意見も。 しかし、日本語固定ではなく英語ボイスとの選択ができ、合わない人は英語ボイスで遊べるため、日本語の追加自体は問題ではなくむしろ評価できる点と言える。飽きたら切り換えて二通りの楽しみ方ができるというポジティブな見方もできる。 ただし一部の日本語訳、特にダンテのスタイルチェンジ時の「鉄壁の防御!」などの台詞は批判されることが多く、もっと違う台詞にできなかったのか、英語版と同様にスタイル名を叫ぶだけで良かったのではないかなどと言われている(*2)。 一応フォローしておくと全くダメな翻訳ばかりではなく、ダンテがネロに対しての称賛の台詞を「ガッツあるな」と訳すなど、『1』をプレイしている者には嬉しいファンサービス(*3)もある。 スーパーキャラクター スーパーネロ・スーパーダンテの性能がWin版『4』と同じものに変更 DTゲージ無限に加えて、ネロは常時EXゲージがMAX、ダンテはロイヤルゲージと災厄ゲージが常時MAXに。 ネロは何時でもトリガーバーストやEX技が発動可能といったメリットがあるものの、常にEX技が発動するためにストリークなど一部の技がかえって使いにくくなってしまった。 スーパーネロ使用時には実質死にボタンになるL2ボタンもしくは左トリガー(初期設定時)でEXゲージのオン・オフ切り替えが出来れば良かったという意見もみられる。 ただし、斬撃の威力が上がった分ボスをダウン状態に追い込むことも容易になり、その結果バスターチャンスが増えるという利点もある。 ネロの魔人化にはスーパーアーマーが付加されないため、従来のようなスーパーキャラで魔人化してゴリ押しといった遊び方が難しい。2種類の魔人化時専用技も強力だが乱発には向かない性能のため、これまでのシリーズと比べてスーパーキャラを使っている爽快感に欠けるという意見もある(*4)。 もっともネロはノーマル時でもチャージショット3やバスターといった強力な技が揃っているため、これ以上の強化をすればかなり無茶な性能になる可能性もあり、常時EXゲージMAXあたりが妥当な強化だったのかもしれない。 一方のダンテはGSスタイルでのパンドラが災厄ゲージを気にせずに使えるようになったのが大きい。安全確保のため2段ジャンプ → アーギュメントを発動 → 全弾発射を繰り返しつつ移動するという操作だけで高難易度のミッションやBPも難なくクリアできてしまう。ダンテにはこのようなお手軽かつ強力な戦法が存在する点もスーパーネロの性能が少し見劣りするものに感じられる一因となっている。 ただしこの戦法に頼るだけではたとえ低難易度でプレイしていたとしても詰むミッションもある。 また、スーパーキャラを使用するとクリア時の評価が大幅に下がってしまうので、高評価を出したければこれ1つでどうにかなるという物ではない。 次元斬 バージルの閻魔刀による「次元斬」のエフェクトが『3』の時とは違い、今作のダンテの次元斬と同様に、空間を切り刻むようなエフェクトに変更されている。 ダンテの次元斬のエフェクトが『3』のバージルと異なるのは使い手が違うから、ということではなかったらしい。 一概にどちらのエフェクトの方が良いとは言いきれず、賛否両論である。よく見るとバージルの次元斬には薄いながら円形のエフェクトがある。 タイトル画面からのロード 本作ではタイトル画面でLOAD GAMEを選択すると、前回選択したミッション開始画面に直接移行するようになった。このため、続きをプレイする際はスムーズになっている。 逆に言えば、キャラクターやミッションを任意の物に変えたい場合はミッション開始画面からメニューに戻る一手間が必要になり、面倒になった。 一部バグの修正 ダンテのコンボに利用できた「薔薇バグ(*5)」と呼ばれたバグが修正され、発生する条件が非常に厳しくなった。 あくまでバグなので修正されて当たり前ではあるが、遊びに使えるバグでもあったため、残念がる声も。 問題点 不評点の多くは未改善 良くも悪くも、核となる原作アクションの部分はそのまま。不評だった仕様の多くも未改善。 最たる点として、ネロとダンテの性能調整はほとんど行われていない。性能の派手さや操作性としては、新キャラたちに水をあけられている節がある。 例えば新キャラは通常時にデビルトリガーを発動すると攻撃判定が発生するが、ダンテには特にそういう変更はない。 オーブ評価の仕様や、キメラといった不評だった敵も改善されていない。 『DmC』にあった、時間制限なしのBPやトレーニングモードといったものは未実装。 公式が敵配置や体力調整を弄ったデバッグコンボを紹介していたにもかかわらず、プレイヤー側では実践不可能。 相変わらずトリッシュ、ダンテではBPでしか戦うことが出来ない敵(クレドや教皇など)がいる。 『4』にも言えるが、戦うにはBPの上階に上らないといけないため面倒。 日本語字幕が日本語ボイスに対応していない。 ムービーの製作工程の解説によると、吹き替え版は口パクに合わせることを優先して翻訳を行っているために、字幕版の翻訳とのずれがあるらしい。しかし、吹き替え版の字幕が無いのは不親切でもある。 しかも音声のボリュームがBGMとSEより小さいので、SEで聞き取り辛いor聞き取れない場合も。字幕が無い点が本作では痛手となりやすい。 音量調整はBGMとSEのみでボイスの項目が無い。調節する場合もやや不便。 敵の仕様 敵挙動の改悪 「グラディウス」は空中浮遊の最中にネロ以外で近接攻撃をすると吹っ飛ぶようになり、撃破が面倒臭くなった。 ただしロックオンを別の敵に向けておけばそちらへ吹っ飛ばすことが可能。バージルやレディにおけるM6のアグナス(ガラス)戦の救済だと思われる。 しかし、アグナス戦以外で出現するグラディウスや、M6で戦えないダンテやトリッシュに関してもこの仕様なのでとばっちりを受けている。 「アルトアンジェロ」はイクシード斬りの発動までの速度が上昇。おまけに連続攻撃を緩急つけて行ってくるようになり戦いにくくなった。 ボスの「ベリアル」は4連火柱、近接攻撃の弾きの発動頻度が上昇した上、4連火柱及び爆発は他の攻撃を不自然にキャンセルしてでも発動するようになってしまった。 「アンジェロクレド」は攻撃時の発光エフェクトが画面全体を一瞬覆うようになり、目に悪い。 敵ダンテの体力減少 最初に出てくるボスにしては強すぎるため調整としては間違っていないが、ミッション1のランク基準が問題だった。低難度モードではstp項目でのSランク取得がほぼ不可能になり、ミッションランクSがノーダメージでもない限り不可能と異常に難しくなっている(*6)。 ちなみに、M10のダンテも体力が減少しているが、こちらではそういった問題はない。 キャラの調整が杜撰 ネロ CS版のみだが、ターボモードをオンにしておくとシャッフルをジャンプキャンセルできなくなってしまった。Win版では特に問題無し。 EXシャッフルは依然として可能。 ただでさえ群を抜いて強力だったチャージショット3の爆発の攻撃力が400 → 800に倍増し、大幅に強化され過ぎている。 ネロはこの技がブリッツに対処できる唯一の手段であるのだが…ブリッツは爆発を瞬間移動で回避するという欠点がそのままであるため、救済処置と考えても片手落ち感が否めない。 新キャラ 新キャラ3人は全体的に挑発が長すぎる。挑発自体は攻撃判定があったり凝ったものが多いが、挑発を完遂しづらく、ランク上昇やゲージ回復の恩恵を得られない場面が多い。 レディ トリッシュは初心者向けということで動かすだけなら簡単で爽快感も味わえるのだが、細かく見ていくと雑な調整も見受けられる。 以下はそれぞれの具体例。 + レディ 攻撃が一辺倒になりがち 近距離用武器の最大溜めショットガンがかなりの高DPS、高スタイリッシュランクを叩き出すため、ダメージ効率を重視するとこれ一辺倒になりがち。 遠距離攻撃よりも比較的リスクの高い近距離攻撃の方がダメージ効率が高いというのは理にかなってはいるが、単調になりやすい。 状況によっては、またダメージ効率よりも安全性や魅せプレイを重視するならその限りではないが。 残念な技 カリーナ=アンのヒステリックとマルチプルが非常に残念な性能。派手なだけで全く当たってくれなかったり、当たっても低威力に対して隙が大きすぎると、その派手さに反比例した性能を誇り、さながらパーティグッズである。 カリーナ=アンのチャージショットは上手く使えば非常に強力だが、溜め時間が長く溜め中は移動できないので、高難度になるほど使いどころは限られてくる。 近接攻撃が弱い 銃キャラなので当然と言えば当然だが、カリーナの銃身で殴りつける近接攻撃は低火力、動作が重く弱い。レディは他キャラより被ダメージが多い点も留意する必要がある。 近接火力だけならショットガンで事足りるが、問題は近接属性の攻撃を要求するギミックを持つアグナス(ガラス)戦やサントゥクス戦であり、これらと滅法相性が悪いせいで初心者向けモードにもかかわらず本編以上の苦戦を強いられる。 + トリッシュ レディほどではないが攻撃が一辺倒になりがち 基本的にラウンドトリップを投げた後は「コレダー(*7)」や「サンダーブロウ(*8)」が安定行動だったりと、強力な行動を連発するだけになりやすい。 短時間で大ダメージを与える技がDT消費技の「リヴェンジ(*9)」しかなく、体力の大きい敵との戦闘ではリヴェンジへの依存度が強すぎるきらいがある。 しかしこのリヴェンジ、DTゲージを3つも消費し、途中キャンセル不可で隙も大きい。大技としては妥当に見えるが、同じ消費技を持つネロやバージルと比較すると隙の大きさや以下の理由で見劣りもする。 ダメージにばらつきが生じることが多く、ダメージソースとしても安定しているとは言い切れない上に、ヒット数が不安定で、正確に何ヒットするのか良く分からない(*10)。デビルトリガーでも強化することができないのでやはり安定しない。 リーチはあるが、範囲が狭いため軸がズレると簡単に回避される。また、Win版だとフレームレートの設定でヒット数が変動するという厄介な仕様を抱えている。 全体的にヒット数を積み重ねて相手にダメージを与えるタイプのため、瞬間的に相手に大ダメージを与える手段に乏しい。 この関係で、瞬間的な単発火力が求められるブリッツ戦は極端に相性が悪く、特にDMDではブリッツを自爆させずに倒しきるのが非常に難しい。 リヴェンジは多段ヒット技のため、途中でブリッツが暴走状態に移行してしまうことが大半。ブリッツがリヴェンジで怯まない状態で運よく体力を削ればどうにか撃破できるが、相手の行動に100%依存する運ゲーになってしまう。 一応ゲージをフルに使えば確実に1ターンで自爆させることはできないこともない。 そもそも、自爆させずに撃破が困難という点を抜きにしても、トリッシュはブリッツの雷の鎧に対する対策手段を一切持っていない(*11)。 トリッシュのジャンプには遠距離属性の衝撃波を纏う「スパーク」というスキルがあるが、これがブリッツに当たると弾かれてジャンプの無敵が途切れ、予期せぬ被弾が発生しやすい。ちなみに、ダンテのギルガメスも同様の技があるが、こちらは弾かれない。 デビルトリガーが弱すぎる 持続時間と体力回復量が全キャラ中最低(*12)、さらに被ダメージが一切軽減されない。 火力面も一部を除いた攻撃のダメージが上昇し、また一部の遠距離属性の攻撃の威力に倍率が掛かるというものだが、このダメージ上昇量が微量(*13)。リヴェンジの使用にDTゲージを割いた方がダメージ効率が良く、ほとんど使われない。 余談だが、攻略本では攻撃力は1.5倍になる(ダンテやバージルと同じ)と誤植されていた。 ヒットストップによる多段化が不可能であり、火力不足がより目立つ。ダンテやバージルと違ってDT専用の当たり判定を作っていない説が有力。 エアハイクが空中で2回出せる以外はほぼバージルの完全下位互換ですらある。 その他操作性の悪い部分 非DT時のチャージショットが存在しない。 トリッシュに限った話ではないが、ハイタイムは△+○で出せるが、同時押しの受付が短く出し辛い。 ゲーム中では説明が無いが、実はトリッシュの打撃コンボにもフルスチームがある。しかし、溜め完了のエフェクトとフルスチームの受付タイミングが一致していない上、エフェクトによる合図も無いためタイミングが分かりにくい。 検証によるとフルスチームの受付判定が一段階に2つあって、そのタイミングはダンテのギルガメスと一致する。そのためダンテからデータを流用してロクに調整しないまま発売したのではないかと考えられる。 + バージル エアトリックの弱体化 「エアトリックが敵に幻影剣を刺さないと発動できない」という『DmC』準拠の性能に。その割には『DmC』と違って幻影剣によるプル(『4』で言うところのスナッチ)はできない。 敵に幻影剣を刺すと「トリックアップ(真上への瞬間移動)」が基本的には使えなくなったり(*14)、「トリックダウン(地上で使うと後方に、空中で使うと地上に瞬間移動)」が魔人化時限定の技になり、使いにくくなった。 魔人化ではトリックダウンに加えサイドロール(横に転がって回避)がホッパー(ステップで回避)になるため回避性能が大幅に上がる(*15)。 完全劣化というわけでなく、1度幻影剣を刺している間は空中で使用回数の制限なく使える、発動時には敵が微妙に滞空するといった攻めに関してはむしろ強化されている。 集中ゲージの問題 集中ゲージ上昇で火力上昇が極端すぎる。長いコンボを決める前に敵が死んでしまいやすくなるため、一部の上級者からの不満もある。 ゲーム攻略においては火力上昇は有利ではあるが、スタイリッシュランクの上昇率は一切変化しないという致命的なミスを犯している。 つまり、ランクが上昇する前に敵が死にやすくなって、スタイリッシュポイントを稼ぎにくくなる。その結果、集中ゲージに従って立ち回るとリザルトのスタイルポイントが低ランクになるという珍現象が起きてしまう。 これを避けるには、わざと集中ゲージを落として火力を落とし、トドメ属性の無い攻撃で死体斬りを延々とする必要があるという、開発の提示したスタイリッシュとは真逆のことをしなければならない。レディのショットガンはきちんとスタイリッシュランクの上昇率も跳ね上がるというのに…。 集中ゲージの溜まり方、減り方の基準が妙。 最も効率よく溜める手段は棒立ち。これはまだいいが、挑発では(完遂しても)碌に溜まらない。棒立ちを推奨して挑発を否定するのは本シリーズの趣旨と矛盾している。 攻撃を空振ったり弾かれても減ってしまうので、クレドやアンジェロが非常に厄介な敵になっている。空振りに関しては空振りジャスト次元斬の連発を抑制する意味があるが、空振りでの遊びの余地を制限されてしまっているため窮屈に感じやすい。 最大の問題は走ってもコンセントレイションが減少してしまうこと。上記の通りエアトリックが弱体化したので、後方あるいは横回避の際や、エアトリックが使えない場面での敵への接近などを素早く行う際にはジャンプ連発が最適解になってしまい、スタイリッシュさに欠ける。 インターネットへの接続の有無でスティンガーの性能が変わるというバグが発見されている。 ターボモードをオフにしておくと、上昇技「羅閃天翔」後の落下が何故か早くなるという調整のムラがある。 今回も「納刀モーションを完遂するとDTゲージが貯まる」という仕様を持つバージルだが、上記の状況だと納刀前に着地してしまいやすくなるため不便。 その他 バージル、レディ トリッシュモードの汎用戦闘BGMはネロ ダンテモードの使い回し。 特にバージルは公式サイトのバージル紹介時の新BGMでもある「Let s Just See」が戦闘曲ではないかと期待されていた。 ディレクターの伊津野氏はコレに関してコメントを残しており、変える予定(あるいは構想)があったが、諸事情によりできなかったとコメントしている。 レディ&トリッシュのEXコスチュームの入手方法がスタッフロールの戦闘をクリアするというものだが、その際に選ばれるキャラクターはM20をAランク以上でクリアするとレディ、Bランク以下でクリアするとトリッシュになる。なお、EXコスチュームが得られるのは戦闘に使用したキャラクターのみ。 しかし、M20は確定でオーブ評価が100%、タイムもスタイリッシュポイントも緩い(*16)ので、低評価が逆に取り辛いのである。 そのため、コンティニューを繰り返す、ゴールドオーブを使用するといった、わざとスタイリッシュに反するプレイの必要がある。1回限りでいいとはいえ気持ちがいいものではない。 バージルモードやレディ トリッシュモードでは本編のムービーがカットされるのだが、仕掛け解除や謎解きに関するムービーも一部カットされるので、攻略の仕方がわかりにくかったり不自然な箇所もある。 せっかく初心者向けの性能となっているレディ トリッシュモードなのに、初心者のプレイに支障が出る恐れがある。 セーブデータが1つまでしか保存できなくなってしまった。 ゲームオーバー時のメニューのレスポンスが悪くなった。 PC版限定だが、フレームレートの数値次第でキャラクターの性能が大幅に変動するようになった。 LDK全ミッションをSランクでクリアするトロフィーが存在するが、PC無印版と同じくリザルトが存在しないため確認不可。 総評 原版の要素は概ね引き継ぎつつ遊べる要素を増やし、大まかに遊ぶぶんには問題なく楽しめると思われる。 一方で追加キャラの仕様(特にバージルの性能)の難点、敵の挙動の改悪など粗もあるほか、改善されていない問題点も多いなど、細かい不満も相変わらず目に付きやすい。 総じて、「アクションゲームとしては良く作られているが、手放しで褒められる作品ではない」という無印版の評判を覆すには至らなかった。 余談 ネロのプロトタイプコスチュームのマフラー姿は、当時のハードではメモリの都合でマフラーの動きの表現が難しかったことから没になったという経緯があり、性能の上がった次世代機やPCでようやく実現できたコスチュームである。 本作にも攻略本が発売されているが、『4』無印から変更されたデータは修正されておらず、追加キャラクターの攻撃力のデータなども誤植が目立ち、あまり評判は良くない。 レディは『3』の開発中の時点でも、プレイアブルキャラとして操作できるようにする案があったが、結局没になったという過去がある。実に10年越しの実現である。 当初の予定では本作でレディ トリッシュはプレイアブル化する予定は無かったらしく、バージル実装のみを想定していた開発費用と期間に強引にねじ込んだという事実がニコニコ超会議2015にて明かされている。 結果的に遊べる要素は増えたが、調整がややおざなりになってしまったのもその結果…なのかも知れない。その辺りの真相は不明である。 バージル・レディ・トリッシュの攻撃モーションの一部は『戦国BASARA』シリーズから流用されている。『DMC』→『BASARA』への流用(アレンジ)は数多くあれど逆パターンは珍しい。
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本項目では、SFCソフト『ステイブルスター ~厩舎物語~』(判定なし)と、そのGB移植版(劣化ゲー)の紹介をしています。 ステイブルスター ~厩舎物語~ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後の展開 余談 ポケットGIステイブル 概要(GB) 新モード「ジーワン牧場」 問題点(GB) 劣化した点 その他の問題点 賛否両論点(GB) 評価点(GB) 総評(GB) ステイブルスター ~厩舎物語~ 【すていぶるすたー きゅうしゃものがたり】 ジャンル シミュレーション 対応機種 スーパーファミコン 発売元 コナミ 開発元 KCE大阪 発売日 1996年3月22日 プレイ人数 1人 定価 11,800円(税抜) 判定 なし ポイント 厩舎経営がメイン弱い馬にも活躍の場がある 概要 コナミから発売された競馬シミュレーションゲーム第1弾。略称は「ステイブルスター」。 『ダービースタリオン96』の後発という遅いスタートとなったが、内容は独自色が強く、他の競馬ゲームとの差別化はできている。 特徴 プレイヤーは調教師となり、馬主から預かった馬を調教し、レースに出走させていく。 預かった馬をレースで勝たせると馬主がお礼を言いに来て、信頼度が上がっていく。 信頼度を上げていくと、より強い馬を預けてくれる馬主が新たに登場する。 たまにセリ市や庭先取引で購入する馬を選ぶ助言を頼まれることがある。購入した馬は3歳(*1)になると入厩してくる。 馬を預かるのを断ったり、馬主の引き留めを無視して引退させたりすると信頼度が下がる。 経営資金の概念はなく、破産することもない。 年末にはその年の成績と調教師ランキングが発表され、3年連続で最下位だとゲームオーバーになるが、全ての馬の入厩を断るという極端なプレイでもしない限り見ることはない。 + 馬主紹介 市川(イチバン)、仁川(ニュー)、三井(サンクス)、志村(シネマ) 通常の馬主。わかりやすい名前で、冠名のおかげで誰の馬なのかもすぐわかる。 ゲームスタート時は市川氏と三井氏の馬を既に預かっている状態で、他の二人もすぐに預託に来る。 後藤(ゴシック) 海外産馬(マル外)を預託しに来る。当時の制度上、クラシックと天皇賞には出走権がない(*2)。 彼の馬を活躍させても新たな馬主が登場することはないが、強いので実績上げには利用できる。 赤井(マイケル)、青田(タウン) 共同馬主。あまり強い馬ではないが、二人の信頼度が共有されており、上げやすい。 遠山(冠名なし) 新たに馬主・牧場主となったばかりの人物で、まだ馬の事をよくわかっていない。 主人公は助言という形で種付けする馬を選ぶ。言い換えればプレイヤーが自由に生産できるということである。 ただし信頼度が低いうちは種付け料の安い馬しか選べない。 牝馬のインブリードも考慮されている。 不受胎になっても、6月までなら再度種付けできる。 牝馬は引退後に預けて、繁殖牝馬にすることが可能。なお初期馬として必ず遠山氏所有の現役牝馬がいる。 厩舎の所在地を関東(美浦)・関西(栗東)から選べる。 関東は新潟・福島、関西は中京・小倉競馬場に滞在なしで出走可能。選べる騎手も違いが出る。 馬を預託される際に厩舎に所属している10人の厩務員から担当厩務員を選ぶ。厩務員にはそれぞれ特別な能力があり、担当した馬の特定の能力を向上させたり補うことができる。 各厩務員は馬房にて担当馬の馬体重や調子についてコメントしてくれる。なお厩務員ごとのコメントの言い回しはほぼ同じで、分かりやすさが異なることはない。 各厩務員が担当できるのは同時に2頭までで、担当馬が引退しない限り新たな馬を担当することはできない。 また、これとは別に調教助手が3名所属しているが、こちらは特に担当馬を設定することはできない(*3)。 種牡馬とコースレコード(*4)の馬名は実名で、繁殖牝馬やライバル馬、騎手・ランキングを争う調教師の名前は実在のもじりとなっている。 特に騎手と調教師は全て漢字表記であるが、「読み」ではなく「書き」を似せるようにしているのが特徴で、元ネタが分かりやすいと同時に初見では「まさか実名!?」と思わせる絶妙な表記になっている(*5)。 1年は52週あり、1月・4月・7月・9月は5週にわたってレースが開催される。 レースは『武豊 G1メモリー』と同様に最大18頭立てで、当時西日本地域の競馬中継で実況を担当していた杉本清アナウンサー(*6)の実況つき。 さすがに馬の名前までは読み上げることはできず、字幕の該当箇所は帽子の色や番号に置き換えて呼ばれる。 スタート後にXボタンを押すと道中を飛ばして最後の直線シーンになる。 直線で18頭揃っていても処理落ちしたりすることはない。 競馬場ごとに最後の直線の長さが違い、短いと逃げ指示有利、長いと追い込み指示有利となっている。 もちろん馬のスタミナやダッシュ力にもよるので、この指示だけしていればいいというわけではない。 優秀な騎手は何らかの指示を出すよりもお任せしたほうが良いこともある。 調教は調教助手に指示しておけば毎週自動でやってくれる。 ダート(スタミナ)、ウッド(スピード)、坂路(ダッシュ)が基本で、週1回か2回行う。 プールはダートほどではないがスタミナを補強し、脚部への負担や疲労が少ない。 インターバル、角馬場、引き運動は効果が低いものの疲労が回復する。 追い切りは主にレース前の体重調整に使う。調教助手が仕上がりについてコメントしてくれる。 馬の特性 預託される馬は入厩時に素質に関するコメントが表示され、ある程度能力や成長曲線について把握することができる。 ダート適性のほかに芝適性もあり、父親の遺伝の影響が強い。ダートも芝も得意という馬もいるが、どちらも苦手という馬はいない。 ダートだけが得意な馬は入厩時に「パワフル」と評価される。芝だけが得意な馬は芝レースで勝つと騎手が「芝のほうがいい」(*7)と評する。 馬具(*8)の装着による矯正が可能。 脚部不安の馬には自動的にバンテージが装着される。他の馬具と一緒に装着も可能。 ベスト体重は馬の成長に合わせて時々変動する(*9)。 故障以外にも、熱発やフレグモーネなど突発的な病気が発生することがある。 芦毛の馬は見た目が黒いのもいるが、馬齢が進むほど白くなっていく。 放牧できる牧場は3種類。 通常牧場は疲労が早く回復するが、能力が少し下がる。 育成牧場は疲労回復が遅めだが、能力が少し上がる。 治療牧場は故障した馬専用。 最終目標は海外G1競争(*10)の優勝。初めて優勝したときエンディングになる。 出走するには、世界を目指す馬主(*11)から預かった馬で特定レースに勝つ必要がある。 出走条件さえ満たせば出走を翌年に持ち越し可能(*12)。なお、海外に行けるのは生涯に一度きり。 エンディング後はどの馬主の馬でも海外G1に出走できるようになる。 育成した馬を「オリジナルステークス」に登録することで対戦させることができる。 登録できる馬は30頭まで。 パスワードを取って他人の馬と対戦することも可能。 評価点 実力の低い馬でも、条件戦に勝たせることで厩舎実績や馬主の信頼度を上げるという使い道がある。 新馬戦は4歳3月3週まで開催されている(*13)。クラシックを目指さないのなら、できるだけ鍛え上げてから遅めのデビューをさせると良い。 同じクラスでもローカル競馬場のレースのほうがライバル馬が弱め。直線の短い競馬場で逃げさせるとあっさり勝てる事もある。 出走登録すると厩務員が「勝てる」「微妙」「辛い」と3段階評価してくれるので、実際に出走するかどうかの目安になる。 小規模な馬主は馬が勝つたびにお礼を言いに来てくれるので達成感がある。 最後の直線では自分の馬の真上に勝負服と同じ色のマークが出て、位置取りを把握しやすい。 自家生産馬には自分で名前をつけることになるが、「アアアアアアアアア」という名前にすると厩務員や調教助手がランダムに登場し代わりに名付けてくれる。 名付ける厩務員や調教助手によって冠名が違ってくる。冠名が厩務員の持つ能力のヒントになっていることも。 新人騎手の存在。 厩舎経営が軌道に乗り始めた頃に雇われる。来た当初は出遅ればかりで弱いが、乗せ続けることで成長していく。 最終的には日本代表騎手になる。彼を育成することが海外G1優勝への近道になる。 厩舎専属なので騎乗依頼を断られることがない。 当然だが違う競馬場で同じ週に乗せることは不可能。一度騎乗依頼すると、その週は他の競馬場のレースに乗せられなくなる。 賛否両論点 セーブせずにリセットすると、通常の秘書が「休暇を取った」という理由でオバチャン秘書が登場する。不正をしたプレイヤー自身への直接的なペナルティである。 このことから、本作はリセットを駆使して良い結果を厳選していくようなゲーム性にはなっていないと言える。この辺りは好みが分かれるところだろう。 馬の故障も騎手のポカも全て受け入れる寛容な心を持たなければならない。 なお、秘書が交代しても話す内容や言い回しは全く同一のため、内容によっては違和感を感じずにはいられない場合も。 ただし、年を越せば何事もなかったように元に戻るためやむを得ずリセットしても一定期間我慢すれば済む話でもある。 特定のレースに突発的に強い馬が出走してくる。 槍玉に挙げられやすいのが青葉賞のサマーサスピシオン(*14)。ダービーを取った馬も青葉賞だけは勝てなかったなんてこともザラ。 逆に、強い馬がほとんど出走してこない穴場レースもある。こういうレースを見つけられれば、弱い馬でも勝てて実績を上げられる。 問題点 厩舎のセーブデータが1つしか作れない。 前述したとおり各厩務員は同時に2頭までしか担当できず、引退しない限り担当馬を変更することはできない。 未勝利馬としても引退まで1年半ほど、長く活躍する馬だと4年以上担当し続けることになるため、「今年来たこの馬にこの厩務員を割り当てて、この能力を向上させたい」というような場合でもその厩務員が空いているタイミングに合わないと割り当てることはできない。 優先度の低くなった馬を強制的に引退させる手もあるが、信頼度を失うリスクもあるのでおいそれと使える手ではない。 4歳10月時点で未勝利の馬はもう出られるレースがないが、引退させようとすると馬主に「早すぎやしませんか」と止められる。 どうあがいても引退させるしかないので信頼度が下がる。晩成馬は特にこのパターンに陥りやすい。 条件戦の1500万下(*15)で突然ライバル馬の強さがハネ上がる。 900万下をギリギリで勝てるような実力では、とても1500万下レースで勝つ事はできない。引退まで1500万下クラスのまま(*16)という馬も多い。 1500万下条件レースは夏以外のローカル競馬場で開催されていないため、夏を逃すと更に厳しい中央場所の1500万下で勝たなければいけなくなる。 逆に、1500万下さえ勝ってしまえばあとはもう楽なもの。ローカル競馬場のオープンレース(*17)にも除外されずに出走できるし、重賞で2着なら本賞金が増えるのでもう降格も恐くない。 レース当日の天気予報がない。 道悪巧者の馬もいるが、出走させてみないと天気がわからないので生かしようがない。また道悪を苦手とする馬もいるので、肝心なレースで雨に降られて負けということもありえる。 馬主との信頼関係を保つ以上、簡単に預託を断ったり弱い馬を切り捨てることができない。 一度に複数の馬を同時に育てることになり、管理するのが大変。最大で20頭にもなるのでメモ書きがほぼ必須。 ハンデ斤量の計算がおかしい。 レースの格よりも着順が重要視され、一度も掲示板を外していない馬はハンデがきつくなってしまう。 重い斤量を背負ってしまったら、次のレースにハンデ戦を使えなくなる(*18)。 格上挑戦で妙な指示をしてボロ負けさせるとハンデを軽くすることができる。 エンディングは海外G1初勝利時の一度しか見られない。 海外G1を全種類勝っても、重賞カップを全制覇しても何も演出がない。 総評 競走馬育成というよりは、厩舎経営シミュレーションゲーム。 ひたすら最強馬を生産するのが目的の人には向かないので、ダビスタの亜種のつもりで購入すると痛い目を見るだろう。 強い馬1頭だけを育てていても調教師ランクはあまり上がらない。弱い馬もしっかり鍛え上げ、活躍させることができてこそ名調教師と言えるのである。 複数の馬に対して調教パターンの設定、他の馬とかぶらないような出走スケジュールの管理、果ては馬の生産助言から新人騎手の育成まで、調教師としての仕事は非常に多い。 厩舎の実績を上げ、馬主との信頼関係を築き、そしていつの日か日本の馬で世界の頂点に立つという夢を持つ馬主と出会い、共通の夢を叶えよう。 その後の展開 続編として以下の作品がある。 ポケットGIステイブル(GB、1999年4月28日) 実況GIステイブル(N64、1999年4月28日)・(PS2、2000年9月28日) 実況GIステイブル2(PS2、2002年3月28日) 余談 本作の外箱表面ではタイトルが「実況競馬シミュレーション ステイブルスター〜厩舎物語〜」となっており、タイトルロゴも上部「Stable Star」が「実況競馬シミュレーション」になっている。そのため、サイトや攻略本によって正式名称(及び掲載ロゴ)に表記揺れが見られる。 本記事はタイトル画面の表記にならっている。 この当時コナミは『実況パワフルプロ野球 94」を皮切りに実況機能搭載のゲームソフトを複数発売しており、サッカーの『実況ワールドサッカー』や横スクロールSTGの『実況おしゃべりパロディウス』など野球以外のジャンルにも活用されていた。本作はこのタイトル表記からその競馬バージョンと言える。 ライバル馬のキョーエイコロナ(*19)が2頭いて、同じレースに参加してくることがある。 ポケットGIステイブル 【ぽけっとじーわんすていぶる】 ジャンル シミュレーション 対応機種 ゲームボーイカラー(全GB共通) 発売元 コナミ 開発元 KCE名古屋 発売日 1999年4月28日 定価 4,500円(税抜) プレイ人数 1人 判定 劣化ゲー ポイント メイン部分は大幅に劣化新モード追加も劣化点カバーには至らず 概要(GB) SFCステイブルスターのGBCリメイク作品。 ROM容量が半分になり、規模が大幅に縮小されている。 N64版『実況GIステイブル』と同時発売で、連動要素もある。 開発元は『悪魔城ドラキュラ 漆黒たる前奏曲』や『がんばれゴエモン ~黒船党の謎~』などコナミの看板シリーズを次々とクソゲー化してGBでリリースし続けたKCE名古屋。 新モード「ジーワン牧場」 ゲームを進めると「ジーワン牧場」モードが選択できるようになる。セーブデータは本編と独立して記録される。 このモードではランダムに選出された繁殖牝馬に種付けを行い、出産直前から3歳になって入厩するまでの世話・育成・調教を行い、最終的には本編に育てた馬を入厩させレースに出走させることができる。 1月につき4週で進行し、1日は午前5時にスタートし、行動の結果20時に到達した時点でその日は終了。1行動あたりの経過時間は1時間単位で決まっており、ある程度計画的に行動する必要がある。 仮に19時(残り1時間)に2時間以上要する行動を実行したりしても寝坊したりはしない。 主な行動は以下の通り。 餌やり(1時間) 母馬(仔馬)に食事を出す。「あおくさ」「リンゴ」「ニンジン」などの複数から選んで(仔馬は乳離れするまで「ぼにゅう」のみ)馬ごとの満腹度を表す「まんぷくメーター」を参考に食べさせるが、馬ごとに好みがあり嫌いなものは拒否することもある。だからといって好物ばかり出すと体調不良の原因になったりする。 掃除(1時間) 馬たちが過ごす「うまや」、牧場内の「まきば」の清掃を行う。箇所分だけAボタンを押して整備する「ボロ(*20)ひろい」「ならし」「ゴミひろい」に加え、「うまや」に寝藁を補充する。全て行うには5時間を要する。 手入れ(3時間) 「ブラシ」「みずあらい」「つめそうじ」で馬をキレイにする。 治療(1時間/2時間) 体調不良を起こした馬を「さする」「あたためる」「ひやす」で看病するが、合わない治療法だと回復しない。「いしゃ」にお願いすれば2時間かかるが確実に治る。 放牧(2時間) 馬を放牧地に出す。出発で1時間、帰厩で1時間を必要とする。放牧中は掃除のみ可能。 また、仔馬の成長に合わせ訓練や調教、牧場内の管理をミニゲーム形式で行う。これらを行うことでクリアに必要な馬自身のステータス上昇や入厩後に必要な競走馬としての能力を向上させる。 ともだちつくろうゲーム 神経衰弱の要領で6種類いる動物の絵柄のカードを最初に全部配置を見て覚えてから4枚めくり(全24枚)、全て一致すればその動物と友達になり後から遊ぶことができる。1度でもお手付きすればその時点で失敗、次回挑戦時に最初からやり直し。ただし失敗するまでに友達になった動物は有効。 友達になった動物とは別のコマンドで遊ぶことができ、馬の精神面の成長に影響する。 牧草刈りゲーム 牧草をトラクターで刈り取る。時間内に全部刈り取ればクリア。トラクターは 左右ボタンで旋回 という癖のある操作法で難しい。失敗してもそのシーズン中は続きから始めることができ、7~9月の間にクリアできないと冬の間エサの「あおくさ」が1日1回しか出せなくなる。 雪下ろしゲーム 雪の降った日に厩舎の屋根から落ちてくる雪塊を一輪車で受け止め、厩舎の端に積み上げる。3回ミスで失敗。その日中にクリアしないと馬を不安にしてしまい気分を悪化させる。 引き運動ゲーム(スタミナ強化) ドットイートゲームの要領でフィールド内を歩き、制限時間内に全ての点を取ったらスタート地点へ戻る。他の馬もフィールド内を歩いており、すれ違うことはできない。 チキンレースゲーム(勝負根性強化) ボタン連打で馬を走らせ、崖際でストップさせ相手の馬よりギリギリで止まれば勝ち。止まれないと崖下へ転落する。 走行練習ゲーム(スピード強化) 画面下の指示タイミング通りにABボタンを交互に押し、馬をゴールまで走らせる。クリア回数を重ねるたびにウォーク→トロット→キャンター→ギャロップと速度が上がっていく。 最終的に3歳の7月4週までに目標ステータスを超え、入厩試験(走行練習ゲームと同じ操作方法)をクリアすれば本編へ入厩することができる。達成できなかった場合ゲームオーバー。 問題点(GB) 劣化した点 厩務員が10人から6人に減少。預かれる最大数も6頭に大幅減。 馬主との信頼度の概念がない。 新たな馬主はゲームを進めていれば自動的に来るようになっている。来る順番も決まっている。 レースの実況がない。 音声はもちろん字幕すら一切出ず、ただ馬が走っているのを真上から見るだけ。 海外レースがない。 最終目標は日本の全てのG1制覇に変更されている。 馬の命名を厩務員に任せられなくなった。 過去の出走記録を見れなくなった。 専属騎手育成要素がオミットされ、通常の騎手に頼むしかなくなった。 馬の成長によるベスト体重の変動がなくなった。 1年が48週になった。 牝馬のインブリードがなくなった。 G2・G3カップの収集要素がなくなった。 その他の問題点 馬体重が554キロまでしか増えない。 ベスト体重がこれよりも重い馬はどうやってもベスト状態に持っていくことができない。 SFC版に比べてランダム要素が強く、ゲーム進行が安定しない。 週2日調教をしても馬体重が全く減らなかったり、週1日調教でガッツリ減ったりする。 調子がピークに達すると、以後はかなり長い間調子が落ちることなくピーク状態が続く。 その代わり不調からピークに達するまでが約半年と非常に長く、調子が落ち始めてもうかつに放牧できない。 繁殖で親の能力の影響をあまり受けない。 芝向けの馬からダート馬が産まれたり、長距離馬から短距離向けの仔が産まれたりする。 大逃げ・まくり指示ができるようになったが、その指示をしてもほぼ通常通りに走る。 オリジナルステークスのパスワードにSFC版との互換性がない。 ジーワン牧場は1頭を育てきるまでの手間や時間が非常にかかるうえ、不親切なシステムも多い。 餌やり、掃除、手入れといったいずれの行動もデモが長くスキップできないうえ、ミニゲームも回数を重ねる必要がある割に1回が長めなのでとにかく時間がかかる。 治療についてはアイコンで体調不良が知らされるものの、原因(腹痛、ケガ、病気など)がわからないため3種類ある治療法のどれが適切か判断できない。結局医者に任せる方が確実で簡単だが、そこで初めて注射や絆創膏が表示されどういう体調不良だったのかが分かるというもの。 総じて「ボリューム豊富で長く遊べ本編と違った楽しみがあるが、面倒な点も多く所々練り込み不足」といったところ。 賛否両論点(GB) セリ市での馬の購入及び自家生産がなくなった。 種付けアドバイスは馬主が持つ牧場にいる繁殖牝馬に対して行う。 特定のG1を狙う場合、その特徴に合った馬を種付けすることで狙いやすくなる。 もっとも前述通りランダム性が強いため、特徴の合った馬が生まれるとは限らない。 出走除外がなくなった。 ゲームとしては計画が狂いにくくて楽になったが、リアル感が薄れてしまった。 騎手の名前が一部実名になった。 なぜか全員ではなく、実名になったのはトップジョッキーである岡部や武などの他、大西(大西直宏)(*21)や和田(和田竜二)(*22)とややマイナーよりな騎手にも実名になった者がいる一方で、知名度・実績共にある騎手の一部(福長(福永祐一(*23))、藤多(藤田伸二)、植村(上村洋行)など)は変名のままとかなり中途半端な印象を受ける。 評価点(GB) 厩務員の特徴がはっきりしており、そこから隠れ能力を連想しやすい。(*24) 一人で何頭でも担当できるようになり、この厩務員に預けたいのに手一杯で預けられないということがなくなった。 信頼度を気にせず馬を引退させられるようになった。 特に狙うレースが限られてくるゲーム終盤は、特徴の合わない馬を即引退させることで時間短縮になる。 フェブラリーステークスが新たにG1競争に格上げされ(*25)、ダート馬の最終目標になった。 競馬場ごとに解説が追加され、有利な脚質をはっきり示してくれるようになった。 自分の馬が勝利した直後、スポーツ新聞の一面という体裁でゴールした瞬間の位置取り写真が表示されるようになった。 ジーワン牧場モードにより、ストイックに勝ち鞍を重ねることを目指す本編とは対極である仔馬を育成するという新たな楽しみ方ができるようになった。 前述する難点はあるものの、シリーズのマスコットキャラクターと同じデフォルメキャラの馬が元気に走り回ったり砂の上をゴロゴロ転がる様、ブラシ掛けされて喜ぶ姿はとても可愛い。本編との連動を無視して育成を楽しむだけでも十分に遊べる。 また、ミニゲームの存在自体もGBという低年齢層が多いハードを考えれば競馬というどうしても年齢層の高い題材を上手く受け入れられるようにゲーム全体での雰囲気を柔らかくしたと考えられる。 一方でやろうと思えば思い通りの配合に必要な能力を伸ばした馬を本編に送り込むことも不可能ではなく、カジュアルに楽しむか本気で必要な馬を生産するかこの辺りはプレイヤーが自由に決められる。 総評(GB) 実況なし海外なし等、SFC版から大幅に劣化しているのは否めないが、ゲーム内容はそれなりに充実しており、クソゲーと言えるほど出来が悪いわけではない。 むしろ半分しかない容量で、ここまでゲーム性を再現させることができているのは評価されるべきだろう。 オリジナルであるジーワン牧場モードもあり、他社製では見られない「競走馬になる前の馬」を育てるというGB版独自の楽しみもある。 どうもSFC版は馬が多すぎて管理が大変という人には、よりコンパクトなこちらのほうが向いているかもしれない。
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作品名 「DOA デッド・オア・アライブ」 出演 デヴォン青木 ホリー・ヴァランス ケイン・コスギ 評価 ☆☆☆ 三つ星 ・ 人気格闘ゲームの実写映画版です。 主演女優たちのコスプレ映画ですが、アクションシーンはスピーディで、練習をつんでいるためぎこちなさはありません。しかし、各所つっこみどころが見られるので、B級アクション好きの方にのみおすすめいたします。(ジャッキーチェンのカンフー映画が楽しめる人は面白いでしょう) ただ、ゲームファンの人は個性がなくなっているので不満を感じるかもしれません。 最後(ラスボス)が弱いので星を3としましたが、そこそこ楽しめる映画です。 スカッとしたいときに観るのがおすすめ。
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神獄塔 メアリスケルター 【かんごくとう めありすけるたー】 ジャンル 謎解き×パニック×アクティブ3DダンジョンRPG 通常版 限定版 対応機種 プレイステーション・ヴィータ 発売元 コンパイルハート 開発元 ゼロディブコンパイルハート 発売日 2016年10月13日 定価 通常版 7,344円 / 限定版 9,504円ダウンロード版 6,480円(各税8%込) レーティング CERO D(17才以上対象) 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント 作中の設定が重視されるも調整は不足気味運により大きく左右されるゲームバランスダンジョンゲー×キャラゲーの面目は保った コンパイルハートWizライク系列 限界凸記 モエロクロニクル / 限界凸起 モエロクリスタル / メイQノ地下ニ死ス / 神獄塔 メアリスケルター塔亰Clanpool / 神獄塔 メアリスケルター2 / 神獄塔 メアリスケルターFinale 概要 ストーリー 登場人物 基本システム 3Dダンジョンの特徴 戦闘の特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 コンパイルハートより発売された3DダンジョンRPG。『メイQノ地下ニ死ス』の約1年後に発売された新規タイトル。 キャラクターデザインは同社のナナメダケイ氏が担当。 公称ジャンルは「謎解き×パニック×アクティブ3DダンジョンRPG」である。 電撃プレイステーション&電撃文庫協賛タイトルで、電撃プレイステーション誌上で数回にわたり特集記事と、本編の前日譚小説が掲載された。 現在は公式サイトで全文を読むことができる。 「電パイル」ブランド発足前の作品ではあるが、電撃側との連携の厚さは相当なもので、実質的には電パイル第ゼロ弾ともいうべき作品にあたる。 ゲームとしてはコンパイルハートが得意とするお色気要素が本作でも一部に発揮されている。 一方で、パッケージイラストはヒロインの一人である「アリス」が返り血を浴びたまま微笑んでいるというもの。ホラー・猟奇的な描写にも力が入っている。 といってもゲーム本編では肉体が過度な損傷を受けるような描写は出てこず、血の色も基本的に蛍光ピンクとなっているので、よほどホラー系が苦手でない限りは普通に遊べる。 開発元は発売まで公開されていなかったが、『剣と魔法と学園モノ。』等を手がけたゼロディブが主要プログラムの担当だとスタッフロールにて判明している(デザインについてはコンパイルハートのスタッフ名もあるので共同開発といったところか)。 システムは、同社が本作以前にコンパイルハートと開発したDRPG第一弾『限界凸記 モエロクロニクル』とその直系作『限界凸起 モエロクリスタル』に類似したものが多い。 大きな違いとして、全ての敵モンスターが3Dモデルで描かれ、攻撃時は固有のモーションをするようになった。 ただし、プレイヤー側は依然として2D表現のままである。 ストーリー ジェイル——それは「生命ある監獄」と呼ばれる難攻不落の人間収容所。数十年前に突如街が陥没し生まれたこの監獄は、「メルヒェン」と呼ばれる不気味な化け物によって管理されていた。少年「ジャック」はジェイルの収容者としていつが始まりだったのかを忘れる程の永い時を夢や希望、心の平安、人間らしさの全てを奪われ、日夜不条理な拷問を受けながら、ただ生かされていた。しかし全ての光から閉ざされたような日々の続くある日、「血式少女隊」と名乗る組織がジャックを牢獄から救い出す。それは自らも血式少女と共に脱獄を企てる運命の始まりだった――。奪われたもの全てを奪い返すため、ジャックと血式少女隊は難攻不落のジェイル脱獄を決行する!!(※公式サイトより抜粋) 登場人物 + メインキャラとサブキャラ、そのキャスト セリフは公式サイト等で記載されているものだが、実際のゲーム中には登場しない。近いニュアンスのセリフなら有り、あくまでイメージ。 ジャック (CV 酒井広大) 「みんなで必ずジェイルから脱出するんだ!僕の、この命にかけても…!!」 本作の主人公である少年。非常に特殊な血を宿しており、自身の血を分け与えることで血式少女(ヒロイン)達を浄化し、暴走から救える。 血の放出に使用するのが、彼専用の装備「メアリガン」である。他のキャラは装備不能。 ジャックはプレイヤーの分身にあたる。物語は基本的にジャックの視点で進んでいき、任意の血式少女との恋愛イベントも発生させられる。 序盤では気弱な発言をしてしまうが、中盤以降は心身ともにたくましくなっていく。 血式リビドー(*1)は、高所を目指すこと。 作中でのセリフは非常に多い。他キャラ同様フルボイス(心の声以外は)となっているため、存在感はかなりのもの。 女の子推しのゲームという事を開発者も想定していたのか、オプションではご丁寧にも「主人公だけボイスOFF」・「主人公だけカットインOFF」という機能が存在している。他、「男性だけボイスOFF」という機能もある。でも酒井氏ら男性陣の演技も素晴らしいのでできればちゃんと聞いてあげよう アリス (CV 上坂すみれ) 「人々を監獄の外へと連れ出すため、あなた達には死んでもらうわ」 ジャックの幼馴染であり、オープニングでは彼と同じ場所に囚われていた。 後に血式少女であると判明し、ジャックのためにも戦うことを決意する。 血式リビドーは、探求すること。 作中では常識人ポジション。普段は落ち着いた言動をしているが、ジャックを心から慕っており、彼が軽んじられるような場面では相手を威圧することさえある。 ただ初公開されたセリフ(実際のゲーム中には登場しない)からして、当初はもっと物騒なキャラと位置付けられていたのかもしれない。 パッケージや他のキービジュアルでもメインに描かれることが多く、ヒロイン達の中でも一際目立つ扱いとなっている。 赤ずきん (CV 大久保瑠美) 「んー、よく分かんないから、ぶん殴ってから考えるね!」 人外じみた戦闘力を有する血式少女隊の一員で古参。リーダー格でバランスのとれた強さをもつ。 すべての血式少女に共通する特徴として、「メルヒェン」(本作のモンスター全般)の血を浴び過ぎると理性を無くし暴走してしまうことがあり、赤ずきんもその例外ではない。 赤ずきんがジャックとアリスを無事救出したことにより、物語が動き出す。 血式リビドーは、被り物をすること。 リーダーとしての立場は後にジャックへある程度ゆずった形となる。他のメンバーの加入によって徐々に影が薄くなってしまうが、要所要所では真のリーダーともいうべき行動をとってくれるので印象深い。 余談だが、オープニングのみ妙に空恐ろしい言動をしている。そしてセリフ例が酷い。 白雪姫 (CV 高野麻里佳) 「お怪我はありませんか?じっとしててください、絆創膏を貼りますね」 作中で三番目にパーティへ加入する血式少女。ドジな一面があるものの心優しい。 暴走した時のギャップはパーティ中随一。狂い笑いや「殺っちゃいますよ」「毒リンゴはいかがですかァ?」などインパクトのある攻撃(ボイス)は敵だけでなくプレイヤーも圧倒する。 血式リビドーは、鏡を恐怖すること。 彼女と眠り姫だけで攻略しなければならない二番目のダンジョンの冒頭は、作中でも最難関ポイントの一つとなっている。キャラ性も相まって記憶に残る。 演じる高野氏は、本作へ出演した後もコンパイルハート作品の常連声優になっている。 眠り姫 (CV 長久友紀) 「……あなた、王子様じゃ、ない……残念……ばいばい」 白雪姫と一緒に加入する血式少女で、容姿は全く似ていないが白雪姫の妹である。 言葉少なく、よく居眠りをしているボクっ娘で抜群のスタイルを持つ。おまけに不思議ちゃん。 「ん……ん……」としか喋らないことが多いものの、何故かそれでコミュニケーションがとれる。 血式リビドーは、睡眠をとること。 アップデート前は、序盤に銃を入手するのが困難となっており、アーチャー系である彼女とかぐや姫だけ銃を主体とするジョブへの変更が非常にしづらいという難点があった。 親指姫 (CV 高橋李依) 「か、勘違いしないでよ!妹たちのためなんだからね!」 作中で四番目に加入する血式少女。白雪姫と眠り姫、二人の姉にあたる人物。「メルヒェン」に捕まっており、この親指姫の救出作戦が序盤の山場になる。彼女が無事だった理由はノベル版で補足されている。 ツンデレ系の言動をしている。その個性を踏まえた上で見れば、登場人物の中でも最も裏表が無く、わかりやすい言動をした人物。 血式リビドーは、自立すること。 ちなみにこの三姉妹を演じる高野氏、長久氏、高橋氏の3名は、本作のOP及びEDテーマを歌う「イヤホンズ」のメンバーでもある。 歌はあくまでイヤホンズとしてのもので三姉妹が歌っているという体裁ではないが、歌詞は作品の世界観を的確に表していると概ね好評。 シンデレラ (CV 今井麻美) 「おーっほほほ! 無様ですわね!」 作中で五番目、もしくは六番目に加入する血式少女。正規隊員の一人だが物語当初は行方不明になっている。 格闘家のような容姿とは裏腹にお嬢様系の言動をしている。掃除好き。 血式リビドーは、お洒落をすること。 暴走すると弱気(ネガティブ)になるという他には無い個性も持つ。 演じる今井氏はコンパイルハートの常連声優であり、ネプテューヌシリーズのノワール役といえば解りやすいだろうか。 かぐや姫 (CV 五十嵐裕美) 「……働きたくないです~。放っといてください~」 作中で六番目、もしくは五番目に加入する血式少女。物語の冒頭で顔見せがあるものの、その後は長らく登場しない。 血式リビドーは、宝物を収集すること。 引きこもりのオタクのような言動をしており、語尾を伸ばし気味に話す。それでいて不思議と気品のある喋り方であり、五十嵐の代表作として挙げられやすい某働きたくない系アイドルとは巧みに演技が差別化されている。 歩くことすら面倒くさがり、年中「バンブー1号」という空飛ぶ乗り物に腰掛けている。しかし床トラップを無効化したりはできず、パーティが落とし穴にはまったときは律儀にも一緒に落ちてしまう。 ラプンツェル (CV 小澤亜李) 「ねーねー知ってる知ってる?血ってね、とってもおいしいの!」 作中で七番目、もしくは八番目に加入する血式少女。たった一人ダンジョンの中で生きていた。 食いしん坊のロリキャラ。野生児としての一面もたびたび強調される。全裸になることも躊躇がないが、そういうシーンではその長い髪に全身を包まれており拝めない。 血式リビドーは、髪を伸ばすこと。 言動は非常に幼く、幼いが故に残酷な発言もしたりするが、そんなときは他のメンバーが手早くフォローに回るので浮くことがない。 グレーテル (CV 種﨑敦美) 「頭の悪いやり方ね。私の作った薬を飲みなさい。倍の効率で働けるわ」 作中で八番目、もしくは七番目に加入する血式少女。マッドサイエンティストな眼鏡キャラ。 モンスター寄りの存在で、最初は主人公たちにも敵対する姿勢を見せる。しかし自らの探究心と、ある人物の遺言が合致したことから、パーティに加入する。 他キャラとは違う独特な倫理観を持ち、セリフもかなり長いので、終盤の加入ながら抜群の存在感を持つ。口を引きつらせた薄ら笑いを浮かべながら、ささやくように長ゼリフを宣うのが大変サマになっている。 血式リビドーは、好奇心を満たすこと。 血式リビドーがアリスと似ている他、OPではアリスのすぐ後に彼女が表示される(他のメンバーは表示されない)というシーンがあるなど、おそらくアリスの対比として設定されている。本編でも実際、アリスと絡む機会がかなり多い。 ハーメルン (CV 今村彩夏) 「お……おんにゃのこと言うでない!ワレはハーメルン。魔王でありゅぞ!」 作中で最後に加入する血式少女。ただ一人、本編の流れで仲間にならない。仲間にせずともエンディングには到達できるため、隠しキャラ的な位置づけ。 唯一敵として交戦する機会があるため3Dモデルが例外的に用意されている他、ノベル版にもしっかりと登場。ある意味、最も優遇されている。 中二病的な言動をしているが白雪姫よりもドジで、セリフを噛んでしまうこともままある。 血式リビドーらしきものの描写は無い。強いて挙げれば、誰かと遊ぶこと。 パッケージはおろか、公式サイトにもその姿が無く、故にキャストの紹介もされていない。他はサブキャラ達ですらツイッター用アイコンや壁紙も配布されているというのに、隠しキャラとはいえこの点だけピックアップすると逆に不遇ともとれる。 さすがに本作発売後に登場した『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』では普通に掲載されている。 地味なところで、実は公式サイトでも「DLC情報」のサンプルではかろうじて姿を確認できるが、公式サイトの情報しか仕入れていない方にとっては誰だかわからない。 演じる今村氏もまた、白雪姫役の高野氏と共に本作のあとコンパイルハート作品の常連声優になっている。 血式少女隊員(ジャックは血式少年)の名前は、読んで字のごとく有名な童話からとられている。 組織によって与えられたコードネーム…というわけではなく、いずれも生まれ持ったもの。物語の舞台は現代日本なので強い違和感がある。また、自身の出自については何故かあやふやなメンバーが多い。 これらは終盤に明かされる、最も衝撃的な事実の伏線になっている。 ……なのだが、あろうことか公式サイト「WORLD」の項目で半端にネタバレされている。さすがに核心部分にまでは触れられていないが。 後述する「ナイトメア」の姿と戦闘中の使用技は、特定の血式少女隊員に関連しているなど芸が細かい。 【サブキャラ】 十島博士(CV 山本兼平) 血式少女隊員を束ねる老人。諸事情でセリフ量はとんでもなく多く、ほぼメインキャラの一人。ゲーム中では転職システムなどを担当。 ハル(CV 亀山雄慈) 十島博士の友人にあたる、渋めの眼帯兄貴。ゲーム中ではプレイヤーの武器改造を担当。プレイスタイルによってはお世話になる。 上島視子(CV 笹本菜津枝) 救護班の頼れる女医。ゲーム中では浄化ミニゲームを担当。小説版でもいい感じの出番がある。 くらら(CV 中島唯) ハルの自称助手。ラプンツェル並みのようじょ。ゲーム中ではショップを担当。世界観を忠実に反映してか、品揃えがイマイチなのが残念。 ミチル(CV 吉岡麻耶) 「タイヨウ教団」の教祖様。おだやかな女性だが、ある理由で精神を病んでおり、ときどき錯乱したかのようなセリフを笑顔で優しく語り出す。 陽司(CV 土岐準一) ミチルの弟。副教祖として冷徹に振舞うこともあるが、すべては姉を守るためのことで、健気な姉弟愛が描かれる。 門脇永遠(CV 落合福嗣) 街を守る門番を務める男性。かつてモンスターにより知人友人の多くを殺されており、この世界で生き抜くモブの逞しさと狂気を代表している。 人魚姫(CV 無し) 赤ずきんが幼い頃「元水族館ダンジョン」で出会うも、本部に連れ帰るまでに暴走して発狂し、赤ずきんにトドメを刺されてしまい本編開始以前に死亡した人物。 ゲーム中に名前は挙がり、今も赤ずきんに深いトラウマを残していると分かるものの、顔絵すら出てこないので前日譚小説を読んでいないと馴染みが薄い。 元水族館ダンジョンも作中には登場しない。 マモル(CV 逢坂良太)&ヒカリ(CV 沼倉愛美) 本作の小説『神獄塔 メアリスケルター ~光の在処~』で主役を張る少年少女。ゲームでは冒頭とラストにだけ登場し、いいところを掻っ攫う。 小説には他にも、元研究者のイツキ、喧嘩っ早い姉御のカエデ、オネェ口調だったり常におどけている技師タクミという三人のオリジナルキャラが登場する。 上記以外にも、名無しのモブが数名登場してゲームをにぎやかしてくれる。 基本システム Wizライク(ウィザードリィ形式の3Dダンジョン) オートマッピング制であり、1マスずつマップを埋め、踏破していく。 ダンジョンは全10種で、物語の進行に応じて進める範囲が広がっていく。 LボタンかRボタンでカニ歩きが可能な他、マップで場所を指定するとオートパイロット機能によりその地点まで自動でパーティを歩かせられたりと、システム面はそれなりに充実している。 物語の進行に応じて血式少女が増え、ダンジョン探索を助ける機能も更に追加されていく。 ゲーム中いつでも難易度変更が行えるが、これによって変化するのは戦闘関連の難易度である。 街(拠点)に相当する「解放地区」 ここには血式少女隊を擁する組織「黎明解放戦線」の基地と、独自に民衆をまとめている「タイヨウ教団」の本部があり、いずれもメニュー形式で利用できる。 ショップでの売買、改造による装備品の強化、職業変更、タッチ機能を使ってお触りする「穢れ浄化ミニゲーム」が行える他、「居住スペース」では血式少女にサプライズアイテム(プレゼント)を贈って好感度を増加させられる。 サプライズアイテムは90種以上もあり、「洗いざらしの止血帯」「焦げついた鍋」など個性的なものばかり。血式少女ごと、渡したアイテムによって好感度が増減するのだが、こんなものを渡されて喜ぶのかと、プレイヤーのほうが困惑させられてしまうことも。 好感度などの条件を満たしフラグが立ったときに限り「屋上」や「街広場」などへも移動可能となり、そこで血式少女の素顔に迫るイベントを見ることができる。この辺りにはキャラゲーとしてのサービス感がある。 個別エンディングも存在する。 「タイヨウ教団」の本部では、RPGにありがちなお使い系のクエストを受けられる。 パーティ構成 「登場人物」の項で紹介している人物以外が加わることはなく、最大で11人パーティとなる。 ダンジョンにはその全員で潜入している体裁になっており、移動中の探索用スキルは全員分がいつでも使用できる。しかし、戦闘に参加できるのは最大でも6人まで。 6人の内、設定上、主人公だけは絶対に外すことができない。なお戦闘終了後は控えメンバーにも経験値が行き渡る(ただし100%ではない)。主人公以外が全員倒されるとゲームオーバー。 戦闘参加人数が多いほど、1人あたりに割り振られる経験値が減ってしまう。逆に言えば、あえて少人数で戦うことで集中的な育成も可能。 主人公以外はポジション(前衛もしくは後衛)を設定できる。全員を後衛にすることはできない。 スキルの中にはRPGお馴染みの体力を回復するものもあるが、移動中だと、控えメンバーのものは使用できない面倒な制約がある(戦闘参加の設定をすればすぐ使えるようにはなるが)。 控えメンバーは、戦闘参加メンバーと任意にコンビを組むことができ、攻撃の際にときどき割り込みカットインで追加ダメージを与えてくれる。 職業変更 血式少女は、ファイター(前衛戦士タイプ)、リベロ(魔法戦士タイプ)、アーチャー(後衛戦士タイプ)、サイエンス(学者タイプ)、マジシャン(魔法使いタイプ)のいずれかに属している。 ファイターからマジシャンへ鞍替えしたりはできないものの、同タイプの中でさらに細分化された別の職に就くことができる。グラフィックも全くの別物に。 + 詳細表 【ファイター系列】アリス&シンデレラ パラディン(聖戦士) マーシャル(拳闘士) デストロイ(狂戦士) ブラッドロード(魔戦士) 【リベロ系列】赤ずきん&ラプンツェル ポエット(歌姫) フェアリー(踊り子) ピエロ(道化師) ブラッド(奇術師) 【アーチャー系列】眠り姫&かぐや姫 スナイパー(狙撃手) スピードガンナー(銃士) ダークシーカー(暗殺者) ブラッドハンター(悪魔狩人) 【サイエンス系列】白雪姫&グレーテル アイテムツーラー(道具士) ミミクリー(ものまね士) ロジカリスト(電脳使い) ブラケミスト(錬金術師) 【マジシャン系列】親指姫&ハーメルン セラピスト(看護師) カウンセラー(心理士) ネクロマンサー(死霊使い) ブラッドウィッチ(魔女) 上記の職業変更は10レベルアップするごとに1回可能となる。 『モエロクロニクル』や『モエロクリスタル』と異なり、スキルは一度習得すれば変更後の職でも使える他、キャラのレベルをリセットする「血式退化」でスキルポイントの振り直しもできる。 予約特典のプロダクトコードを入力することで全キャラが就ける特別職、さくら巫女が手に入る。予約特典でしか登場機会の無いレア職業。 性能云々以上に、全員を同じ見た目にできるという点もありがたい。他に全キャラが就ける職業というものは無いのでなおさら。 他にも店舗別の予約特典として、T-ヒーラー(※TSUTAYA限定)、G-アサシン(※ゲオ限定)、JO-シンガー(※ジョーシン限定)という三つの職業も存在。 ストアでの再販はされておらず今や入手困難。既存色の色違いではなく、各社のロゴをモチーフにした描き下ろしのデザイン衣装になっているという凝りようであった。 さすがに全員分は描き下ろせなかったのか、通常職のように就ける人に制限がある。そして隠しキャラである某氏は、上記三社特典のいずれからも省かれてしまった……さくら巫女で我慢するしかない。 3Dダンジョンの特徴 とてつもなく広い。 二番目のダンジョンからして、同ジャンルの他作品のラストダンジョンを凌駕するほどの面積がある。以降のダンジョンはさらに広くなっていく。 なお、3Dダンジョン系RPGとしての前作に当たる『メイQ』と違い、今作では周回要素は一切ない。他、同作品にあったシステムはこれといって引き継がれていない。 ランダムエンカウントとシンボルエンカウントが混在している。 本作のランダムエンカウントはエンカウント頻度がかなり少なめで連続発生も起きない。プレイヤーの歩数がある程度保障されている模様。 しかし敵シンボルがときどき通り道を塞ぐように置かれており(移動もしてくれない)、後半ほどその数も増して嫌らしい存在になる。ランダムエンカウント直後に敵シンボルを見つけるとやるせない気持ちにさせられる。 どちらのエンカウント形式でも逃走可能。 シンボルエンカウントについては、撃破すると一定時間は出現しない。また、後退しつつ接触した状態で逃走に成功すると素通りできるという抜け穴も一応ある。 プレイヤーの操作性が問われるようなトラップがたまに配置されている。 一部のトラップ床は攻撃判定が出たり消えたりしている(ガスの蒸気や飛来する矢など)。これらは見てからでも避けられるのが特徴。 トラップに引っかかったりダンジョン内のギミックを使用するとパーティ内の誰かのボイスが再生され、ゲームを可愛くにぎやかす。 トラップのダメージにより移動中でも全滅してしまう。アップデートにより被ダメージが増加しているのでトラップを侮れなくなった。 公称ジャンルに「謎解き」と付くだけあって、パーティキャラの特定の能力を正しく使わないと突破できない大規模な仕掛けも稀にある。 三大欲求とルーレット(ジェイルボーナス) 本作のダンジョンの実態はジェイルという名の生き物。 ダンジョン探索中は三種のアイコンが画面右上に表示され、それぞれ下記の欲求を表している。 【食欲】。モンスターを倒すと微増、戦闘中にモンスターの弱点を突くことで急増。条件が緩いためとても溜めやすい。 【性欲】。宝箱を調べる、採取ポイントを調べることで増加。調べると性欲が急増する「エモーションポイント」というものもダンジョン内に存在する。宝箱以外はダンジョンを出入りすると高確率で復活する。 【睡眠欲】。探索中、ときどき発生する「ジェイル睡眠タイム」期間中、パーティがノーダメージでいると勝手に溜まっていく。実のところ相当溜まりづらく、これを一定回数最大にするクエストはクリアが面倒。 要求される行動をとり続けアイコン内部の色が満タンになると、移動中・戦闘中を問わず、突然ルーレットが1回開始される。このルーレットは強制である。 各欲求は満タンになるとルーレット発生後にリセットされる。エンディングまで幾度となくルーレットを回すことになる。 ルーレットの中身はランダムで、目押し可能。基本的にプラス効果しか存在しないが、「全キャラ全回復」といった超強力なものから、とてつもなく貧相なものまであり、とにかく運要素が強い。 ダンジョン内を歩いている際に「ジェイルの気まぐれ」という簡易イベントが起き、三大欲求の幾つかが勝手に増減することがある。 このような仕様上、もはやルーレットを出現させずにクリアすることのほうが難しい。 ゲーム中に月の色が切り替わることがあり、月の色に対応した欲求は特に増加しやすくなる。 月の正体は終盤に判明する。シナリオでも、主人公が月を眺めて色について独白するというシーンが時おり登場する。 ただしこれは演出的なものであり、現在のゲーム中の月の色と一致しているとは限らない。 放浪商人 ランダムエンカウントで、稀にモンスターではなく正体不明の商人とエンカウントする。 街の施設でも決して購入できない、設定上は失われて久しいはずの強力な武器・防具を彼から購入可能。ただし高額。後半になると品揃えは100種を超える。 ここでしか購入できないものが非常に多く、後半のダンジョンで出会うほど商品の全体的な質も上がるが、品揃え自体はランダム。出会うのが運なら、良い商品を買えるかどうかも運である。 前述のジェイルボーナスには放浪商人の出現率を急増させるというものがあるほど。 それでも何度も出会うのは至難のわざである。同じ場所で待っていてくれず、次に出会うときもランダムエンカウントに期待するしかない。 ナイトメア 各ダンジョンの大ボスの総称。ストーリー本編にも絡み、主人公たちの討伐対象である。個体によってはダンジョン内を自由に歩き回っている。 フィールドを移動するナイトメアの周囲は闇に包まれており、画面が見え辛くなる。近くにいると「移動する闇」を目にすることになる。 性質は『世界樹の迷宮シリーズ』のF.O.Eに似ているが、あちらと違ってプレイヤーが立ち止まっていてもお構いなしに動きまくり、飛び道具を放って移動中のプレイヤーに攻撃してくる。 ナイトメア出現の可能性があるフロアでは、雄叫びのSEを合図に、どこかにナイトメアが配置される。運が悪いとプレイヤーのすぐ近くにいきなり配置される。 ナイトメアの一定範囲内まで近付いてしまうと「虐殺鬼ごっこモード」となり、メニューが開けなくなるのでアイテムも回復スキルも使えない、一部の探索用スキルが封印されるなど厳しい状態になる。 一定範囲外まで抜け出せば逃走完了となり、報酬としてアイテムが手に入る。一度でも戦闘で部位破壊をしておくと報酬がランクアップする。 ナイトメアからの逃走中にザコ敵とエンカウントした場合は、ザコ敵を支援する形でナイトメアからの援護攻撃も飛んでくる。ナイトメアへの反撃はできない。 袋小路にまで追い詰められると直接ナイトメアに戦闘を挑むしかない。戦闘を挑むと、通常のザコ敵とほぼ同様に戦える。 最初の段階では体の部位を破壊するとそれで戦闘終了となり、しばらく行動不能&通過可能となるのでその隙に脱出を目指すことになる。部位は後の戦闘では回復している。 ストーリーを進行させないと完全には倒すことができないが、倒した後は二度と出現しなくなる。 ナイトメアの中には決戦の際、1フロアに収まらない程の体躯の「巨大ナイトメア」と化す個体も存在する。巨大ナイトメアには、専用マップを駆け抜けながら点在する交戦ポイントで攻撃するという形で挑む事になる。 専用マップにあるギミックを駆使する事で討伐を優位に進める事ができる。 専用マップは(難易度EASY以外では)一切地図を確認できないので迷いやすい。また通常のナイトメア戦と同様にザコ敵も普通に登場し、ザコ戦中の支援攻撃も飛んでくる。更にはメニュー画面を開けないため移動中の回復等も行えないなど、ナイトメア戦の特徴をほぼ引き継いでいる。故にさらに難しくなっている。 このタイプのナイトメアは徘徊できないのでダンジョンで襲ってこない。 移動中の探索用スキル 血式少女につき、一人一種所持しており、これらは「血式能力」と呼ばれる。 例えばアリスのものは、足元にセーブポイント兼ダンジョン脱出ポイントを設置するというもの。 使用には他のRPGでいうところのMPにあたる「SP」を消費するが、一回あたりの消費量が少なくほぼ際限なく使うことができる。 ダンジョンの隠し通路を開通させたり、一定時間トラップを無効化するものもある。特にダッシュができるようになると探索時間を大きく減らせる。 一部の血式能力は「虐殺鬼ごっこモード」中のナイトメアにも有効。ナイトメアを足止めしたり、戦闘突入前からダメージを与えられる。使い方は限定されるが、強制的に脱出することが可能なものも。 戦闘の特徴 AGI(素早さ)の高い順にターンが回ってきて、1回だけ任意の行動ができるコマンド式バトル。 攻撃後は次にターンが回ってくるのが遅くなる。場合によっては、他者に抜かされたり複数回行動されることもある。 戦闘はAIに任せ、自動でコマンドを実行することもできる。 主人公ジャックは直接攻撃が出来ないかわりに、アイテムが自由に使える他、専用装備の「メアリガン」で補助行動が行える。敵から狙われないという特徴もある。 血式少女には「返り血アイコン」が存在し、敵の弱点属性を突くことで1アイコン溜まる。 このとき一定以上のダメージ量を与える「オーバーキル」だった場合は一気に2アイコン以上溜まる。他にも様々な条件で溜まる。 「ジェノサイドモード」 「返り血アイコン」が5アイコン分溜まると、血式少女がジェノサイドモードとなり、銀髪で桃色の瞳になったカットインが挿入される。 攻守が大幅に強化され、専用技まで使用可能になる等メリットばかり。ただし1~5ターンしか効果が持続しない。そして戦闘終了すると必ず解除される(虐殺鬼ごっこモード中は例外)。 探索における重要要素として、ジェノサイドモード時でさらに出血が発生するとHP・SPが回復する。回復量は全体の出血量に比例するため、弱点を突く全体攻撃ならかなりの回復が期待できる。 血式少女には「返り血アイコン」とは別に、「穢れ」という要素もある。大ダメージを受けるか仲間が戦闘不能になる等ネガティブなことが起きると返り血アイコンの色が濁っていき、これは初期状態を含めると5段階の色が存在する。 「ブラッドスケルターモード」 穢れが2段階以上溜まっているときに「返り血アイコン」が5アイコン分溜まると、ジェノサイドモードでなく、ブラッドスケルターモードになってしまうことがある(その確率は穢れ段階に依存)。5段階目の黒色になっていると確実に発生。 血のオーラをまとい全裸じみた過激な姿となり、1ターンに1~3回行動、通常攻撃を1~3回連続で放てるものの、命令は不能でパーティメンバーを攻撃することもある。 他のRPGでいうところの「混乱状態」であり、攻撃が運良く敵に向かえば爽快だが、パーティを攻撃し壊滅させてしまうことも少なくない。このモードの解除は主人公にしか行えない(一応、HP0で戦闘不能になっても解除される)。 本来ならメリット尽くしのジェノサイドモードであるが、同時にブラッドスケルター化してしまうリスクもあるため、システムに深みがある。 ブラッドスケルター状態での全身図を拝む機会はあまりないため、どんな姿か知りたい人は公式サイトを見るのが手っ取り早い。『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』にも掲載されている。 「舐める」と「魂血スキル」 全ての血式少女が使える共通コマンドに、他の血式少女を「舐める」というものがある。 返り血が2~3アイコン以上溜まっている相手に対して使用できる。舐めると返り血アイコンがゼロになる。 戦闘中にどうやって、どれだけ舐め回しているのか気になるところだが、演出は残念ながら地味。なお舐められる側に恥ずかしがる専用ボイスがある。 返り血アイコンがゼロになるだけでなく、同時にキャラごと異なった補助効果が発生する。全員の防御力アップなど、通常のスキルを超える性能を持つものが多く、これらは「魂血スキル」と呼ばれる。 キャラごと効果が違う上、「他のキャラに(舐めて)発動してもらう」という自力では発動できない点が異色。また、細かい効果としてジェイルの性欲が微増する。 強力な「魂血スキル」は低レベルクリアを狙う際には欠かせず、やり込むなら「舐められ要員」の選定も重要となる。 ブラッドスケルター化してしまう危険がある場合は、穢れを浄化する他、この「舐める」によって初期化することでも避けられる。プレイヤーごとの戦略が光る。 評価点 個性溢れるダンジョンRPG 一つ一つは他のダンジョンRPGで見かけるようなシステムでも、本作の絵柄と世界観との組み合わせにより真新しいイメージをプレイヤーに与えてくれる。 複雑なシステムは意外と少なく、ゲーム内のチュートリアルも充実しておりいつでも読み返せる仕様となっている。 適度な緊張感を持った、テンポ良い戦闘 先述の通り、各ヒロインは常に暴走化の危険性を抱えており、レベルを上げ現ダンジョン内のザコ達が格下になろうと気を抜けば身内に刺され全滅の可能性がある。 体力回復やバフを行うだけでなく、一歩先を見越しあえて穢れ浄化を優先してあげたりと、他作品とは一味違った駆け引きを楽しめ、パーティへの庇護欲も湧いてくる。 劣勢状態をジェノサイドモードやジェイルボーナスで一気に覆したときの達成感は他に類を見ない。 戦闘演出はアップデートにより大半が高速化、及びスキップできるので、サクサク進められる。 ヒロイン達の多彩なビジュアルと膨大なボイス数 職業変更するとヒロインの立ち絵がしっかりとその職業のものに変化するので、コスプレとしても楽しめる。 しかも立ち絵を用いたイベントシーンは、原則として現在の職業の姿で登場してくれるため、「プレイヤー自身で編成した少女達が会話している」ことがよく表現されている。 イベントシーンがフルボイスであることに加え、戦闘中であろうと喋りまくり、ボイスのバリエーションも豊富。 ジェノサイドモードとブラッドスケルターモード専用のボイスもある。通常時とは様変わりしたサディスティックなセリフを存分に聴け、声優の演じ分けを楽しめる。 「ジェノサイドモード中に仲間へ回復スキルを使う」など、プレイヤーがあまりとらないであろう行動にもしっかり専用ボイスがある。 サウンド ZIZZ STUDIO担当のBGMは粒ぞろい。シンフォニックで壮大な曲がとにかく多く、耳にしっかりと残る。 効果音も良く出来ており、モンスターの悲鳴や撃破したときの効果音、血しぶき音が戦闘の爽快感を高めてくれる。 萌え寄りの独特なエロス表現 ブラッドスケルターモードや穢れ浄化ミニゲームであられもない姿になるヒロイン達の姿は必見。 イベント一枚絵に至るまで全てナナメダケイ氏が担当しており、2Dで描かれたヒロインのクオリティはブレない。 作中ではブラッドスケルターモードなどの全体像を見る機会はほぼないため、公式サイトで確認しよう。 ゲーム内にモンスターやイラストを確認可能なギャラリーが用意されている 一部はエンディング後でないと確認できないものの、オマケとしては気が利いている。 ロード時間が全体的に早い エンカウント後、戦闘突入までがかなりスムーズ。ダンジョン選択時と階層移動時、街への帰還の際に若干もたつく程度。 長めのロードの際にはイメージビジュアルとTIPSが挿入され、無駄な時間にしない工夫も入っている。 統一されたダークな世界観 人々が拷問されたり、虫けらのように殺害されるハードな世界観を最後まで貫いている。このため、ジェイルからの脱獄という最終目標に全くブレが生じない。ヒロインとの触れ合いやエッチな要素が丁度良い清涼剤になっている。 また公式サイトに掲載された前日譚やタイアップの小説作品が世界観に深みが出しており、プレイヤーを没入させてくれる。 ダンジョンごとに雰囲気が大幅に変わる + 各ダンジョンの景観と特徴の解説 元街道沿いエリア ジャックとアリスが囚われていたダンジョン。「不思議の国のアリス」を思わせるデザインで、針が高速で逆回転し続ける時計盤があちこちにある。壁には無数のトランプや動き回る絵画がはめ込まれ、人ほどのサイズがある書物も埋め込まれている。また、空の檻が生きているかのようにゴトゴトと振動している。 最初のダンジョンにしてギミックだらけ。赤ずきんの血式能力で破壊できるオブジェクトがとにかく多く、それに気付かないと大損する。 本作がどのようなものかを表すような外観に加え、急に迫りくるナイトメアに不慣れなのもあって恐怖に苛まれること請け合い。 元墓所エリア 西洋風の大庭といった雰囲気の屋外ダンジョンで、墓が無造作に点在している。常に薄暗く、穴から湧き出て伸縮を繰り返す謎の植物、隅っこで口を開き痙攣している髭面の男など、奇怪なオブジェクトの数々が恐怖を煽る。どれもただのオブジェクトなので(要はダンジョンを仕切る壁)、パーティの誰もそれらに言及しないのだが、プレイヤーの目にだけ変なものが見えているのかと余計に薄気味悪くなってくる。 BGM「墓標の為の子守唄」も鬱屈としており、レクイエムじみた曲調で聴いていて全くうきうきしない。ここを探索中に元街道沿いエリアの進める範囲が徐々に広がるため、気晴らしを兼ねてそちらにも潜ったほうがいい。 大ボスであるナイトメアがかなり強めに設定されており、体感的な強さではゲーム中最強クラス。中ボスであるプリンセスジークも、到底プリンセスには見えない恐ろしげな容姿と隙の無い強さで襲ってくるため印象に残る。 2つ目のエリアでこんなホラー面をぶち込んでくるとはなかなか大胆である。 旧寺院エリア 和風の屋外ダンジョン。巨大な竹が乱立し、それら一つ一つに鉄格子がはめられ牢獄となっている。延々と続く竹林の合間に神社の境内じみた迷路エリアがある。和式の甲冑が斬りつけてきたりとギミックの一部も和風。かぐや姫にとって因縁の地となる。 難易度は元繁華街エリアよりも圧倒的に上。先にこちらを選ぶと大変苦労する。 ここと元繁華街エリアの怖さは比較的マイルドなのだが、代わりにイベントで人間サイドの闇が垣間見れてやはり精神ダメージが大きい。 元繁華街エリア シンデレラと共に挑む九龍城砦風のダンジョン。本作の舞台が日本であることを考慮すると、実際には横浜中華街あたりなのだろうか。延々と薄暗い路地が続き、場違いに綺麗な電飾の数々がかえって不安を煽る。特に「カボチャの馬車」の形状になっているものが妙に恐い。 BGM「Distorted Reality」は環境音風で、シンデレラという作品よろしく時計のチチチ…という音が入っており、いたずらに焦燥感が募る。 中ボスとナイトメア、共に元ネタが分かりやすい。 旧学生街エリア グレーテルと、彼女にとって馴染み深い人物が暮らしているダンジョン。名前に反して、実際には木造の校舎がどこまでも続いている。 ただしそこら中にお菓子が散らばっており、掃除用のバケツにまで無造作に菓子が詰められているのには狂気を感じてしまう。長い廊下と、それにくっつくように無数の教室があり、お菓子の扉ばかりが延々と連なっているフロアもある。 天井や壁にびっしりと塗られた赤色のクリームが、もしかしなくても臓物に見える。ぶよぶよとひとりでに動いているものまである。やはり臓物なのだろうか… 滑るお菓子の床やワープゾーン地帯まであり、後者は童話の展開に沿う形で突破する必要があるなど、味のあるダンジョンとなっている。 旧河川・沼エリア 謎の毛糸玉を目撃したという情報に基づいて潜入するダンジョン。沼の上に浮かんだ線路を進んでいく。無数の檻が積み上げられており、中には沈んでいる檻もあって物悲しい。 本作にしてはダンジョンのサイズがかなり小さいが、そのぶんナイトメアから逃げにくくなっている。 元駅構内エリア 戦闘時の背景は駅のホーム風だが、実際に探索するフィールドのほうでは天井が無く、これもまた名称とは違って駅構内とは思えない場所を歩いていく。実際の雰囲気は殺風景な都会の路地である。 BGM「眠れる氷の街」はダンジョンの景観によく似合っているものの、曲名には少々疑問が残るところ。開発中に大きくダンジョンの想定が変わったのだろうか? ある人物にとって因縁深いダンジョン。到着時の会話と、スーツを着たオオカミ頭の獣人が、本作におけるモンスターの残酷な設定を改めて思い出させてくる。 監獄塔 「解放地区」からもはっきりと視認できる、異形のラストダンジョン。シナリオの進行により、「解放地区」の背景絵の監獄塔が実際に伸びていくので芸が細かい。 おどろおどろしい生物的な外観に反し、塔の内部はスラム街や廃工場を思わせる景観になっており、サイバーな見た目の巨大甲殻虫やオーク風の獣人などカオスなオブジェクトを見かけられる。 かなり早い段階で潜入できるようになるが、仲間が揃わないと上層へは進めない他、LV40未満ではザコにすら歯が立たないだろう。しかし、もし資金が余っているなら放浪商人目当てであえて潜入してみるのも手。最高クラスの装備品をいきなり購入できる。 賛否両論点 運に左右される局面が多い 放浪商人と早めに出会えるかどうかはクリア時間の短縮に直結する。ルーレットも同様。 ダンジョン内の一部エリアは、ルーレットで当たりを引かないとずっと開通されない。ゲームクリアには必須ではないが、かなりの強運と目押しスキルがないと本作は踏破しきれないのがデフォなのである。 ダンジョンの一階層(各フロア)ごとに当たりを引く必要がある。コンプリートまでの道のりは果てしなく遠い。 これを受けてか、アップデートによってルーレットの速度が低下し、目押しが十分可能なレベルとなった。 ザコ敵のステータスにあまり個性を感じられない 本作には豊富な状態異常が用意されているが、敵がそれらを使ってくるのは大抵2ターン目以降。プレイヤーにしてみても、搦め手を用いるより殴った方が早い。 結果として、大抵のザコ敵がプレイヤー相手に通常攻撃を一回繰り出せるかどうかという地味な存在に留まっている。 防御面がザルで、プレイヤーから高威力技を叩き込まれると額面通りに喰らい、ほとんどダメージを軽減しない。よって全体攻撃で種類問わずまとめて倒されてしまう。 敵にも前衛・後衛の概念があり、後衛にそのダンジョン最強のザコ敵が配置されている場合はさすがに粘りを見せてくるが、ゲームを通してみるとレアケースである。 中盤以降、どんどん大味になっていくゲームバランス 二番目のダンジョンが終わるまでは回復アイテムすら満足に揃わず、大変ひもじい中でやりくりするしかない。道中の入手品を一切ムダにできない。 しかし物語的にも余裕が出てくる三番目のダンジョン以降は、逆に資金や装備が有り余るほど取得できる。ザコ戦は味方全員が最強技を乱発していればほぼ1ターンでカタがつき、回復もアイテムでし放題。 親指姫とハーメルンが習得できる「モータルエレメントフォース」(複数属性で全体攻撃)を使っておけば、SPに困ることすらない(*2)。 味方の暴走というリスクを常に背負っているゲームではあるが、上記の事情により作業感が強まってくる。戦闘後に適宜回復を行うことになるため、これが新たな息抜きにはなるが。 終盤になるとザコ達の強さも一気にインフレする。どちらが先に殴って蹴散らすか、ますます「攻撃は最大の防御」を体現したゲームバランスになっていく。 大型のザコ敵が一斉になぎ倒されていくのを見るのは心地よい。 仲間キャラクターを使い分ける意義が薄い 職業変更による意図通りのカスタマイズがやり易い反面、すぐ器用万能なキャラばかりになってしまい、ボス戦以外であえてキャラを使い分ける必要性が少ない。 それぞれが概ね代替不可能な役割を有しているため、性能的に死にキャラがいないのは救いかもしれない。 報酬が魅力的すぎて怖くないナイトメア 運悪いと何度も出会ってしまうことを見越してか、現在攻略中のダンジョンの序盤でも頑張れば何とか撃退できるステータスである。 しかもその体力は再戦時も引き継いでおり、プレイヤーが部位破壊した箇所こそ復活するものの、復活時も最大体力までは回復していない。 ある程度育ったパーティからは報酬目当てでむしろ狩られる存在に成り得る。 見た目は本当に怖いナイトメア 本作でも特に凝った造形で、個体によっては生理的な嫌悪感を覚えるデザイン。 そのキモさもまた設定通りではあるが、ホラー描写がひどく苦手だという方は気をつけた方が良いかもしれない。公式サイトで何体かのデザインを確認可能。 血で道標をつけるシステムが処理を重くしてしまう ザコ敵をオーバーキルで倒した場合、戦闘終了後にそのマスが返り血のエフェクトで染め上げられる。効果はずっと続き、血が壁や床に付きっぱなしになる。 ナイトメアとの「虐殺鬼ごっこ」では全体マップが非表示になるため(※高難易度限定)、この返り血が良い目印になるとの触れ込みだったが、増えるほどマップの描画処理が重くなる。 特にグラフィックが凝っている二番目のダンジョンで影響が顕著。便利に使えなくはないが、人によってはシステムの存在自体が気になるかも。 頻繁に要求される血晶アイテム モンスターがドロップする血晶アイテムは12種類もあり、職業変更の際にはその各種が複数個要求される。おまけにあまり獲得できないものもある。 職業変更だけでなく、装備品強化やレベルリセットにさえ相当な数が要求される。 よってこれらのシステムは気軽に使えず、計画的に利用しないといけない。 一応、オーバーキル発生時は必ず血晶をドロップしてくれるという救済措置はある。ただしダンジョンによっては全く出ない血晶アイテムもあり、根本的な解決にはなっていない。 やたら種類が豊富なアイテムと戦闘用スキル 店売り品と、採取ポイント・ドロップ品では手に入るものが異なる。20回復40回復80回復と値が小刻み過ぎて、中盤以降に下位種など使っていられない。そのくせ道中でしつこく手に入るのでアイテム欄をムダに圧迫してしまう。 非売品が多いという点は、アイテムコレクターには嬉しいかもしれない。 武器種も、短剣、長剣、大剣、鎌、槍、矢、銃、ナックル、ハンマー、はさみ、スティック、マイク、注射器、鞭、カード、本、水晶、爆弾…とバリエーションが多く、職業変更の際には装備品の用意に苦労する。 なお防具は全員が自由に身につけられる。 その一方で、35種類までしか持ち込めないという制限がある。現在はアップデートで99種までとなっている。 装備品やプレゼントアイテムなど、ダンジョンから持ち帰らないといけない品が多い中で、この制限は非常に邪魔。しかも入手先がランダム出現の放浪商人なので、同じ品が入手できる保証もない。 アップデート後はよほどあれこれ持ち込まなければ上限に到達することはなくなった。 アイテムという枠組みではないが、スキルも細分化されており種類がかなり多く、便利なものを見つけるのに苦労する。 クエストの淡白さ 「〇〇を□□してくれ」といった簡潔な依頼文のみで始まり、達成時には報酬の獲得と、システムメッセージが表示されるだけ。 ヒロイン周りの描写が凝っている一方で、クエストには何らイベントも絡まない。とてもシンプルである。 高速スキップしないと冗長な戦闘時のモーションとエフェクト 敵のモーションが、ものによってはかなり長い。 スキルのエフェクトはなかなか凝っているものの、これまた演出が長い。 どちらもスキップしないと差し支える長さなのが困り物。 そしてスキップ機能を多用していると、刺激的なブラッドスケルター化の演出についても、せっかくのボイスごとスキップしてしまいやすく不便。 ゲームオーバー時はリトライができない セーブが容易に行える一方で、戦闘で全滅した場合は問答無用でタイトル画面に戻されてしまう。おかげで緊張感はある。 ストーリーの中盤が中だるみ気味 ダンジョンクリアと仲間加入の流れだけを何度も繰り返すため、物語自体は途中、ほとんど進まなくなる。丁寧な進行ではある。 次に探索するダンジョンを選択肢で選べる機会がある シナリオ上で数回発生。軽い気持ちで主人公に二択を委ねられるが、一度決めると変更ができない。選ばなかったほうの攻略は後回しになる。 難易度的には片側が難しく設定されている。どちらでも選べてしまうがゲームバランス的な面での正解は一択である(なおその事実は教えてくれない)。 大筋のストーリーは変化しないが、参入するキャラの順番が変わる都合上、若干セリフが変化する。 隠しダンジョンの先にあるもの 苦労して踏破した結果、むしろ絶望しかねない鬱要素を用意している。デッドオアアライブな戦闘バランスと言い、コンパイルハートらしいというべきだろうか…。 ある意味、続編が期待できるとも言えなくもない。 問題点 アップデート必須なほど不具合が多い 不具合と機能不足のせいで発売当時の評価を下げる一因となってしまった。 発売後5回もアップデートが実施され、ゲームバランスの見直し、装備品の追加、ソート機能の追加、C2エラーやフリーズバグの修正、多くの宝箱のハズレアイテムを質の良いものに変更、バッドエンド確定後の救済措置の追加に…と様々な部分が刷新されていった。アップデートを適用しない状態でのプレイはまったく薦められない。 2016年10月13日、10月20日、10月27日、11月7日と毎週のようにアップデートが行われ、それから間を挟み2017年3月1日になって唐突に5回目のアップデートを実施。コンパイルハートとゼロディブのタイトルで、ここまでまめなアップデートを行った例は他には無い。それだけ大元が酷かったということの証左でもある 度重なるアップデートにより、現在は十分遊べる程度にはなっている。それでも原因不明のフリーズが低確率で発生する事も…(編集者はクリアまでに一度だけフリーズした)。 ダンジョンの大部分が無意味に広く、取得物も割に合わない 物語の都合上、ナイトメアが徘徊しなくなったフロアも依然としてだだっ広いまま。そもそもナイトメアが出現しない階層もある。 「大変長い通路を進んだ先にあったのは店売りの回復アイテム」、「通路と思ったら実は回廊で、何も見つからずぐるっと一周させられただけだった」などは日常茶飯事。精神衛生上よろしくない。 アップデートで一部の宝箱の中身が刷新された。とはいえ、まだまだ割に合わない品も多い。 極わずかだが、ダンジョン内でのみ発生する会話イベントもある。このようなイベントが大量にあれば探索の面白さも増したのだが、アップデートでもイベントは追加されなかった。 鍵のかかった扉に対応した鍵がどれか分からない 全体マップで鍵付きの扉の位置までは分かるが、どの鍵で開くかが不明。鍵を探すことも苦労させられる。 挙句に「牢獄の鍵01」といった無骨な名称で懐に入ってくるものが多い。大抵は入手したフロアで使うが、扉が多い場合は総当たりになってしまう。 一部は鍵アイテムではなく、ギミックを起動させてロックを解除するというタイプのものもある。これも、全体マップの情報では読み取れず不親切。 シナリオ上の表現と、ゲームでの表現が一致していないものが散見される 主人公たちの住まう拠点は「陽の光さえ届かぬ不毛の地」であるはずなのだが、主人公の自室シーンの背景(昼版)では、まばゆいばかりの日光が差し込んでいる。実は街灯なのか? 「こんな夜中に誰だろう」とのセリフで昼間の背景が使われているイベントもある。 加入したばかりのキャラとのイベントがすぐに発生し、「こんなところに居るなんて珍しいね」と、長らく付き合いがあるかのようなセリフが飛び出す。 つい最近の出来事であるかのような口ぶりで、ゲーム内の時系列ではるかに昔のことを喋りだす。 上記2件は、ライターとイベント発生場所のすり合わせが上手くできていなかったか、適切な発生条件が指定されていないと思われる。アップデートでも修正されていない。 ルーレットの前後で多少もたつく ルーレットのロードに若干の時間がかかるため、アイコンを注視せずにプレイしていて思いがけないタイミングで発生してしまうと、テンポを阻害されたように感じる。 ダンジョン探索中のBGMが、エンカウントが発生するたび先頭から再生される 他と比べれば些細な点だが、連戦になると気になってくる。 立ち絵を会話イベント以外では満足に見ることができない 全身がしっかり確認できるのは職業変更画面のみ。戦闘ではバストアップばかり見ることになる。 3DダンジョンRPGの常ではあるが、移動中は一人称視点で、バストアップよりさらに表示面積の劣るアイコンでしか仲間の姿を確認できない。 終盤に加入するキャラの不遇 初期レベルが低く設定されており、愛が無ければ控えに直行してもらうしかない。 ラスボス戦ですら使い回しBGM 旧寺院エリアの巨大ナイトメア戦BGM「正義を翳す神々の宴」が流用されており、ラスボス専用のBGMが無い。最も盛り上がる局面で使い回しBGMというのは…。 一応ラスボスも巨大ナイトメアである。 総評 もともと人を選びやすい3DダンジョンRPGというジャンルを、様々な要素で味付けした実験的な作品。特にダークなテイストが強い。 しかし暗いシーンが含まれる一方でギャルゲーじみた微笑ましいシーンも多く、作中のヒロインの誰かしらに興味があれば手を出してみる価値はある。 アップデートが可能な環境にあり、3DダンジョンRPGというジャンルへの理解も深ければ、本作独自の要素を人一倍楽しめるだろう。 アップデート済みの状態で発売されなかった点は大いに悔やまれる。 余談 ボスであるナイトメアがスタンしたときに表示される「ノックダウン!」という文字のデザインは、『モエロクロニクル』や『モエロクリスタル』で中ボスのモン娘の本体にダメージを与え続けた際に表示されるものと同一である。 両作でお色気要素だった部位破壊演出のほうは、本作のナイトメアにかかれば表皮が剥がれもっとおぞましい見た目が露出するという恐怖要素へ昇華されている。 関連商品として、本作はサントラが単体で市販されている(『神獄塔 メアリスケルターオリジナルサウンドトラック』)。コンパイルハートのタイトルとしては珍しい。 書籍『神獄塔 メアリスケルター ビジュアルブック&ストーリーガイドブック』に攻略情報はほとんど掲載されておらず、アイテムの一覧なども載っていないので注意。 前日譚と同じく乙野四方字氏が手掛けたノベル『神獄塔 メアリスケルター ~光の在処~』がゲームとほぼ同時に発売された。 前日譚とは異なり、作中の時系列や世界設定は共通だが、別主人公たちを中心とした物語である。 本作中でも序章まで読むことができる。ダンジョンに落ちているノベルの切れ端を拾い集めることで、27ページ分にあたる内容を読める。続きはもちろん書籍でどうぞ。 本作のエンディングテーマ『ヨロコビノウタ』は、名称通りベートーヴェンの『歓喜の歌』を始めとした様々な著名作(*3)を繋ぎ合わせているという驚きの曲となっている(歌詞はオリジナル)。 勿論それで違和感はない出来であり、オリジナリティのある曲となっている。 後に、TVアニメ『AKIBA S TRIP -THE ANIMATION』の最終話でイヤホンズの3人が担当するヒロインたちの歌う挿入歌としても使われており、本作を知らなくても曲だけ知っているという人もいる。 海外版は『Mary Skelter Nightmares』のタイトルで、2017年9月に発売。 その後、2018年7月19日にPC版もSteamとGOG.comでDL版が発売された。Steam版は「おま国」により日本からの購入は不可だが、GOG版は日本からの購入が可能。但し、音声のみ日本語でUI/字幕は英語という仕様。 スクウェア・エニックスとポケラボによるスマホゲー『シノアリス』(2017年6月6日サービス開始)は、本作と同じくヒロイン達の名前が童話のタイトル名で、独自の容姿アレンジと性格を与えたものになっている。 …これだけなら童話モチーフ作品として特別珍しく無いものの、メインヒロインがどこかで見たような黒髪ショートヘアのアリスだったり、各ヒロインが何らかのワード(衝動)に縛られていたり、大ボス兼召喚獣の種族名がナイトメアだったりするため、本作ファンの間で幾らか話題になった。出演声優も少し被っている。ついでにこちらもバグが多かったりする 類似点は多少あるが、本作とコラボを行ったりはしていない。悪しからず。 コンパイルハートの公式ツイッター上で、発売からしばらく経った2017年現在もナナメダケイ氏の新規描き下ろしイラストがツイートされるなど、スタッフから愛されているタイトルであると窺える。 2017年11月10日にLINEスタンプを販売開始、これはコンパイルハート初のLINEスタンプでもある。 ゼロディブのほうは公式サイトの更新が2015年で止まっているが、社長ブログのほうは更新されている。コンパイルハートタイトルには触れられていない。 2018年7月12日にPS4で『神獄塔 メアリスケルター2』が発売された。 タイトル画面で表示される監獄塔イラストなどのコンセプトアートは、自身のイラスト技法書などをリリースしている、よー清水氏が担当している。 本作からの縁なのか、同氏は続編である『神獄塔 メアリスケルター2』や『Death end re;Quest』でも同様にコンセプトアートを手がけている。
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アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション 【あいどるますたー しんでれらがーるず びゅーいんぐ れぼりゅーしょん】 ジャンル VRアイドルライブ 対応機種 プレイステーション4(PlayStationVR専用) メディア ダウンロード専売 発売元 バンダイナムコエンターテインメント 開発元 Cygames 発売日 2016年10月13日 定価 2,296円(DLC除く) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント VRで体験する臨場感抜群のアイドルライブあくまでライブ体験ソフトでありゲーム性はないDLC商法は相変わらず基本無料のアプリゲームで十分な感はある アイドルマスターシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 参考動画 概要 アイドルマスターシリーズ初のソーシャルゲームとして2011年にスタートし、現在では同シリーズ中でも最大の市場規模を抱えるコンテンツとなっている『アイドルマスター シンデレラガールズ』(デレマス)。 PlayStation VRのローンチタイトルとしてリリースされた本作は、「デレマス」に登場する総勢183名(当時)のアイドルたちのライブを、観客の視点から体験できるシミュレーターである。 特徴 千葉県にある実在のライブ会場、舞浜アンフィシアター(*1)とタイアップしており、同会場を忠実に再現したステージにアイドルを立たせ、彼女たちのパフォーマンスを鑑賞することが出来る。 初期収録曲はデレマスのアンセムである「お願い!シンデレラ」、2015年に放送されたアニメ版の主題歌「Star!」、そして本作のために書き下ろされた新曲「Yes! Party Time!!」の3曲。DLCにより追加で8曲を選択できる。 ステージに立たせられるメンバーは楽曲ごとに固定だが、「お願い!シンデレラ」と「Yes! Party Time!!」には後に無料アップデートによりエディットLIVEが追加され、183人のアイドルから任意にメンバー選択が可能になった。 アイドルの3Dモデルは、2015年にスマートフォン向けにリリースされたアプリゲーム『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』(デレステ)から流用している。衣装は「デレステ」での初期衣装である「スターリースカイ・ブライト」と、本作用に作られた新衣装「パーティータイム・ゴールド」の2種類がある。 ライブ鑑賞時の視点は最前列から後列まで、アンフィシアターの各席8か所から選択可能。ライブ中は手にペンライトやリストバンドなどのライブ定番アイテムを装備でき、DLCで種類を増やせる。 評価点 圧巻のリアルライブ再現度 PSVRの性能をフルに生かしたライブの臨場感は非常に高い。アンフィシアターのステージと客席の近さも相まって、最前列で鑑賞した際の「アイドルが本当にそこにいて、目の前で歌い踊っている」という実在感は特筆ものである。 自分以外の観客たちの歓声やコール、ペンライトや客席ウェーブなどの演出も楽曲ごとに忠実に再現されているため、最後列に陣取って会場全体の盛り上がりを体験するのもまた一興。音響も席やアイドルの移動によってしっかり変化する。 その一方、コールやペンライトをオフにして、静かに落ち着いてライブを鑑賞することもできる。 ライブ中に客席内6箇所の視点を自由に移動するという、現実のライブでは絶対できないことも実現可能。いちばん見たい視点からライブを堪能できる。 ちょっとした小技を使えば、身長3メートル以上の普通ではあり得ない視点からライブを見ることもできる。 ペンライトの色や本数もライブ中に設定可能(最大8本の同時持ちまで対応)。ステージ上のアイドルに合わせてペンライトの色を切り替えるという、現実のライブさながらの動きも疑似体験できる。 通常のコントローラー操作に加え、PlayStation Moveにも対応。ペンライトに見立てて振ると没入感が段違いになるので、Moveの使用がおすすめである。 盛り上がる新曲 本作用の書き下ろし新曲「Yes! Party Time!!」は、お祭り感に溢れたアッパーテンポのダンスチューンで非常に人気が高い。いかにもアイドル曲らしい観客によるコールも多数盛り込まれており、ライブ気分を嫌が応にも盛り上げてくれる。 現在はこの曲も「デレステ」に収録されているのだが、あちらは音ゲーとしてプレイする都合上若干短めに尺調整されており、間奏での観客ウェーブなどを楽しめるのは本作の特権。 総勢183名のCGモデルを収録 発売時点では、ステージに立てるアイドルは初期収録15名+DLC購入分という常識の範囲内の人数だったが、2017年8月配信の第9弾DLC(無料)をもって、当時「シンデレラガールズ」というコンテンツに存在していたアイドルほぼ全員が収録された。その数、実に総勢183名(*2)。 その大半は歌声やセリフが収録されておらず、先述した通り「お願い!シンデレラ」「Yes! Party Time!!」の2曲において、ステージ上に配置して姿やダンスを鑑賞できるだけという扱いである。そもそもCGモデル自体も「デレステ」からの流用であり、だからこそ実現した仕様である。だがそれでも、全てのアイドルを夢のステージに立たせることを実現したことは快挙であり、『アイドルマスター』の理念・理想の結実であると言えるだろう。 これにより、デレステ内に「担当アイドル」を持つすべてのPは本作を無視できない状況に立たされてしまい、ハードウェアごと本作を購入せざるを得なくなったという声も多く聞かれた。 賛否両論点 スコアアタックや、アイドルと触れ合うようなゲーム的な要素はなく、やれることはライブ鑑賞のみ。 これについてはそもそも「ライブ鑑賞シミュレーター」と銘打って発売しているものであるため、文句を言うのも筋違いではある。 この点について、「観客やステージのバリエーションがもっと欲しかった」「コールなどを練習するモードが欲しかった」という意見もある。 前述のように「デレステ」のモデリングを流用しているため、「PS4ならではの美麗なグラフィック」とは言い難い。 とはいえ、そもそも「デレステ」のグラフィック自体がスマホゲームとしては規格外の高品質を誇るため、粗が目立つわけではないが。 問題点 プロデューサー視点がないこと ライブを鑑賞できるのは観客席だけであり、つまり「観客・ファンの視点」でしか見ることが出来ない。アイドルマスターはプロデューサーとしてアイドルを育てていくゲームであり、舞台袖や舞台裏のモニターなど「プロデューサーの視点」でアイドルを見られる機能も欲しかったという意見は多い。 アイマス伝統の高額DLC商法 初期楽曲は3曲しかなく、追加楽曲は1曲1200円とかなりの高額。8曲を買いそろえるとそれだけで税込みで1万円を超える。後述の「デレステで十分では」感をかなり際立たせる要素である。 ライブ用のペンライトとリストバンドは各300円。どちらも実装曲に参加しているアイドル全員分があるため、全員分揃えようと思うとかなりの高額になる。 「買うことで攻略を有利にしたり、アイドルに着せたりできる」普段のコンシューマー版アイマスのDLCと違い、本作で買ったアイテムを着るのはプロデューサー自身である。そこまでお金をかける価値が見いだせるかは厳しいものがある。 楽曲も含めた全DLのお得なオールインワンセットもあるが、それでも12600円とかなりのお値段。 キャラクター間の扱いの差 本作というよりも「デレマス」というコンテンツ根本の問題点(*3)ではあるが、登場アイドルの扱いには結構な差がある。 楽曲歌唱に参加しているアイドルは初期状態15人、DLC込みで30人。ボイス未実装のアイドルはもちろん、当時ボイス実装済みのアイドルでも楽曲に採用されなかった子が多い。本作は楽曲ごとに踊らせるアイドルが固定のため、持ち歌のない153人は「お願い!シンデレラ」と「Yes! Party Time」のエディットモードでしか踊らせることが出来ない。リリース当初は15人以外のアイドルは影も形もなかった。 初期実装15人は、アニメ版のメインキャラクターである「シンデレラプロジェクト」のメンバーを中心に選ばれているが、何故かその中でも屈指の人気キャラクターである諸星きらりと双葉杏は不在であり、DLCに回されていた。 ぶっちゃけ大半の機能がデレステで間に合う 本Wikiでは対象外のため詳しくは触れないが、前述の「デレステ」はガチャやキャラ格差などの問題はあれども「 スマホゲームに革命を起こした 」と言われるほど高いクオリティを誇る作品であり、本作のリリース後も度重なる更新により膨大なボリュームアップを行なっている。 本作の収録曲と衣装は、一部例外(*4)を除いてすべてデレステにも実装済みであり、あちらではメンバー・衣装ともに無料入手分だけでも選び放題、変え放題。全体の楽曲数やガシャなどによる有料衣装、音ゲーやコミュなどの要素も含めれば、ゲームとしてのボリュームや選択肢は比べ物にならないほど上回っている。 一番の売りであるVRの臨場感も、現在は連携アプリ『アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトスポット』とスマホ用のVRゴーグルを使うことで、簡易的なものではあるがデレステでもVRライブが体験可能になっている。もちろん、本格的VR機器であるPSVRとスマホ用VRゴーグルでは体験の質に大きな差がある。そこをどれだけ重視するかによって、各人次第で評価は変わってくるだろう。 シンデレラガールズは2019年におよそ4年ぶりの新キャラクター追加を行ない、現在は総勢190名の陣容になっている。本作の更新は既に終了しているため、2019年に追加された7人の新アイドルを本作で見ることはできない。 デレステにはミュージックビデオ風や演劇風のPVが付けられた楽曲もあるのだが、それらは本作には一切反映されていない。あくまでライブ会場でのステージアクトに限定されており、その点でもデレステの下位互換品という印象は拭えない。 総評 ゲームではなくあくまでライブ体験ソフト。 アイドルゲームとしての楽しさであれば「デレステ」には及ぶべくもないが、VRによるリアリティと臨場感たっぷりのライブ鑑賞は一度体験する価値はある。 DLCを除くゲーム本体のみなら安価で購入できるので、PSVRの性能を気軽に実感できるソフトとして手を出してみるのもいいだろう。 余談 公式サイトでは最大のアピールポイントである「総勢183人・ほぼすべてのアイドルが出演する」という事実が「DLC」→「EDIT LIVE 無料DLC」という所に記載されているだけである。そしてそれよりも目立つ所に「※本製品にはライブ中に登場するアイドルや衣装を切り替える機能はございません」という、もはや正しくない文言が削除も修正もされずに残り続けている。 このせいで本作に対して未だに「15人+αのアイドルしか出演しない」という誤解を抱き続けている人もいるようだ。 第49回(2017年)星雲賞の日本短編部門受賞作を収録した『南雲省スー族におけるVR技術の使用例』(柴田勝家著・電子書籍)には表題作に加えて、本作のプレイ体験ルポ『星の光の向こう側』が収録されている。 参考動画 + 公式トレーラー
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/846.html
アイドルマスター SP パーフェクトサン/ワンダリングスター/ミッシングムーン 【あいどるますたー えすぴー ぱーふぇくとさん/わんだりんぐすたー/みしんぐむーん】 ジャンル 育成シミュレーション 対応機種 プレイステーション・ポータブル メディア UMD 1枚 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 バンダイナムコゲームス、メトロ 発売日 2009年2月19日 定価 各5,800円 廉価版 PSP the Best 2010年1月28日同DL版 2010年10月28日/各2,800円 判定 なし ポイント アーケード版に箱マスの新要素などを追加したリメイクどう考えてもマシンパワーが足りない箱マスにあった星井美希のストーリーが未収録その他、細かいイベントの削除やストーリーの改変が不評単品では全キャラ攻略不可新キャラクターなど本作独自の追加要素は好評 アイドルマスターシリーズ 概要 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 シリーズ初の携帯機向け作品で、アーケード版(以下『アケマス』と表記) にxbox版『アイドルマスター』(通称箱マス)の要素、また本作独自の新要素を追加したリメイク。 プレイヤーはアイドル事務所「765プロダクション」の新米プロデューサー(以下Pと表記)となり、所属するアイドル候補生のプロデュースを任され、トップアイドルに育てあげる。 聞いた事在る様な3バージョンが同時発売され、どのバージョンでも3人の中から1人のアイドルを選ぶ事になる。 プロデュース可能なアイドルとライバルはバージョンごとに違う。以下、詳細。 3バージョン全てを購入することで、『アケマス』と同じアイドル9人(*1)のプロデュースが可能となる。逆に言えば、選べるキャラが3人だけという点に我慢できるのであれば、1バージョンのみの購入で十分に楽しめる。 ソフトは3バージョンだが、セーブデータは1つのファイルを共有して使用する。主人公であるPの名前は共通となるし、入手した衣装やプレイ履歴なども各バージョンで共有される。つまりUMD交換の手間などはかかるが、これらは実は1本のゲームであると言える。 後にDL版も配信された。定価が安く、ソフト交換の手間が省ける上にPSVでもプレイ可能。PSVだと多少画質が良くなるので現在はこちらが推奨されることが多い。 他の『アイマス』シリーズ作にない、本作だけの最大の特徴は「ストーリープロデュース」と「フリープロデュース」の2つのモードを選択できる事である。 「ストーリープロデュース」では、プレイヤーが担当するアイドルと、ライバル事務所「961プロダクション」所属のライバルアイドルとの、対決と交流を軸としたストーリーが展開される。 基本のシナリオやゲームシステムの根本は360版『アイドルマスター』(以下『箱マス』と表記)と同様だが、追加イベントによって高い物語性を備えており、固定されたシナリオを味わうADVに似たプレイ感覚である。プロデュースしているアイドルによって、それぞれシナリオの内容は大きく異なる。 「フリープロデュース」は『箱マス』のほぼ忠実な移植。幾つかの変更点を除けば同じ内容と言える。ライバルは登場しない。 ネットワーク通信対戦機能は非搭載。代わりにアドホック通信を用いた通信対戦が可能。 評価点 レッスンやオーディションの難易度・操作性に一層の配慮が見られ、バリエーションも増加。さらに「約束」システム(プレイ上の様々なノルマや縛り)の導入によるボーナスやペナルティの付与など、システム面の強化・改良は好評。 難易度も『アケマス』に比べて易しく、万人向けとなっている。 キー入力へのレスポンスも軽快で、プレイの快適さは『箱マス』を上回っている。『箱マス』にあった「オーディションの度に約2分間も待たされる」という欠点も解消された。 「ストーリープロデュース」への肯定的な評価としてまず挙げられるのが、ライバルである新規キャラクター「我那覇響」と「四条貴音」の存在である。いずれも魅力的であり高評価を受けた。 厳密には『アケマス』企画段階の没キャラを復活させた形。ただし復活にあたって設定はリファインされている。 シナリオ内容に目を向けると、従来作品にはほとんど無かった「アイドル達がP以外の人間と会話する場面」を見る事ができるのも、「ストーリープロデュース」の評価すべき点である。 従来の『アイマス』は、Pとアイドルとの対話を通じてアイドルの魅力を描く事を原則としていたが、本作の「ストーリープロデュース」ではそこにライバルアイドルという第三者が絡む。そしてアイドル達はPに対するものとは異なる言動を取り、それが新たな魅力の構築へと繋がっていく、という構造が成立している。 具体例としては、以前よりダンスが得意という設定があった「菊地真」が、ダンスのライバルとして「我那覇響」と巡り会えた事により、その個性をいっそう鮮やかに表現する機会に恵まれた。 また「秋月律子」が年少のライバルである「星井美希」に対して母性的な面を見せた事なども挙げられる。これは今までの「年長の男Pと若い女アイドル」という関係下では描かれなかった姿であり、魅力をいっそう増してくれる描写である。 時にはPと、961プロ社長「黒井崇男」が直接対話をする場面もある。普段はアイドルのご機嫌取りに追われるPも、相手が悪党の黒井社長となればキツい事もふざけた事も平気で言える。基本的には笑いを誘う場面であり、シナリオ上で良いアクセントとなっている(ここで黒井社長役の声優・子安武人氏の熱演が光る)。かと思えばそんな黒井に対して見事な啖呵を切ってのけるアイドルもいたりと、従来以上にバラエティに富んだキャラクター描写を味わえる。 批判点(詳しくは後述)も多い「ストーリープロデュース」を行わずに、ひたすら「フリープロデュース」だけをプレイし続けるのもプレイヤーの自由である。逆に「ストーリープロデュース」が気に入ったのならば全員分のストーリーを遊べば良いだろう。新要素である「ストーリープロデュース」をプレイヤーに無理強いせず、プレイスタイルを自由に選択できる仕様は高く評価できる。 「ストーリープロデュース」では、プレイの腕前で最終スコアが左右されるが、シナリオは一本道でゲームオーバーもない。誰がプレイしても確実に唯一のエンディングに辿りつける。 これは初心者にとって親切な設計と言えるし、熟練者にとってもコミュ(会話選択肢)でわざと妙な選択肢を選んで反応を楽しむという楽しみ方がやりやすくなっている。 それではゲームとしてヌルすぎると思うかも知れないが、そう感じる人はより手応えのある「フリープロデュース」を遊べばよい。 そのバージョンでプロデュースできないアイドルも、「事務所モード」でステージシーンを鑑賞する事は可能である。さらに条件を満たせば、ライバルたちのステージも鑑賞可能となる。 ステージを記録する「写真」や「ビデオ」の保存最大数が、『箱マス』に比べて大きく増加している。 ステージシーンのカメラワークに「縦」が追加されている。 画面が90度回転し、歌い踊るアイドルの全身が常に画面全体に収まるカメラワーク。PSPを縦に持って、まるでライブコンサートの最前列のような視点でアイドル達の姿をじっくり観る事ができる。携帯機ならではのユニークな仕様である。 765プロの女性事務員「音無小鳥」が登場する。 彼女は元々、『アケマス』時代からの公式サイトのナビゲーター役。だがファンからの人気に応えて、既発売のXbox360用ファンディスク『アイドルマスター ライブフォーユー!』(以下『L4U!』と表記)においてゲーム初出演を果たしている。 本作の小鳥はプレイヤーにルールの詳細を伝える役どころ。アイドル達のような3DCGモデルは用意されず、2Dグラフィックで描写されている。しかし音声はフルボイスであり存在感はそれなりに高い。プレイヤーにも好評であり、より人気が増した。 『アイマス』の誇る豊富な楽曲のうち、本作と『L4U!』だけにしか収録されていない曲が多い。『L4U!』はライブシーン鑑賞&音ゲーソフトなので、プロデュース(育成ゲーム本編)となると本作だけでしか使えない曲がかなり多くなっている。 現在『ワンフォーオール』に次ぐ数のプロデュース楽曲を備えた作品であり、同作には未収録の楽曲も多数収録されている。人によっては楽曲目当てでプレイする意義があると感じるかもしれない。 例えば、本作ミッシングムーンでは「三浦あずさ」のお別れコンサートの曲として「隣に…」を選択できるのだ。これがどれほど素晴らしい事なのか、彼女をプロデュースした事のあるPなら、きっとわかるだろう。 PSPは大容量のメモリースティックを内蔵可能なハードであり、衣装・アクセサリー・楽曲などといった豊富なDLCが配布・販売されている。その内容には賛否が分かれる箇所もあるが、DLCに対する積極的な姿勢はひとまず評価点として挙げておく(批判点・賛否両論点は後述)。 賛否両論点 DLC衣装やアクセサリーは、漫画家やイラストレーターにデザインを依頼したり、他メディア(自社の他ゲームやアニメ『マクロスF』など)とコラボしたものが多く、よくも悪くもユニークで独特なラインナップとなっている。学校制服や水着などの「定番衣装」もちゃんとあるにはあるが…。 こういった本作ならではのユニークな衣装・アクセは「面白い」「可愛い」という意見と、「『アイマス』の世界観にそぐわない」「アイドルのステージ衣装としては不自然」という否定的意見があり賛否両論。もっとも、DLCなので気に入らなければ買わなければいいだけの話ではあるが。 コミュの新規追加と削除 本作では『箱マス』にはなかったコミュが新規追加されており、特にAランク限定のコミュが多数追加されている。ほとんどはアイドルがPを信頼しきった(デレた)状態での交流を描いたものであり、Pたちを大いに喜ばせると同時に、高ランクを目指すモチベーションともなった。 しかし一方で削除されたコミュもあり、特に『箱マス』において追加された「休日イベント」などは、残念なことに全削除となってしまった。 公式の見解では、本作は箱マスの移植ではなくアーケードからの移植ということになっているので、箱マスでの追加要素がこちらに反映されていないのも筋が通っていると言えるが、理屈はどうであれ残念であることは確かである。 選択肢&タッチコミュにおける制限時間カウントダウンの数字がオミットされた。不可解な変更点である。おかげで緊張感は増したとも言えるが…。 問題点 まずは、3バージョンを同時発売したこと自体が「信者に3本すべてを買わせるための分割商法だ!」と非難されることが多かった。ソフト一つでも結構な値段であり、安売りを目当てにかえって購入を控えてしまうユーザーもいた。 3バージョン全てのアイドルの「ストーリープロデュース」をクリアしなければ真アイドルマスターの称号が得られず真エンディングも見る事ができない。この仕様も分割商法への批判をいっそう強めた。 因みに『アイマス』と比較されやすいD3パブリッシャー(しかもバンナムの子会社)の『ドリームクラブ』のPSP版はUMD1枚で発売されている。これを見る限り内容次第では『アイマス』もなんとかなったのでは? ステージシーンのグラフィックは『箱マス』に比べると劣化は歴然。PSPと360では3D表示能力に大きな差があるのだから仕方ないのだが、見た目の低下が嫌でも目立つ。 さらに一見してわかる部分だけでなく、省力化やデータ軽量化のための措置(悪く言えば「手抜き」)も多い。 『アケマス』や『箱マス』では全アイドルの体型の違いをきちんと描き分けていたが、本作では首から下は3タイプのモデルを使いまわしている。 ステージでのリップシンク(いわゆる口パク)が全くのデタラメであり歌詞と合わせていない。テンポの速い曲では誤魔化せているが遅い曲では違和感が大きい。 曲を歌い終わった後、会場に向かってアピールするモーションが、『箱マス』では各アイドルで違っていたが、本作では全アイドル同じ(微笑んで両手を振る)になっている。 ただしそれでも「PSPの性能を考えるとこの3Dグラフィックはよく頑張った方だ」と言われる事もある。よく見ると乳揺れまでちゃんと再現されており、これは評価すべき点。 ユニットプロデュースができなくなり、同時に1名のアイドルしか育成できなくなってしまった(過去作では2・3名のユニットも結成できた)。 ここで述べてきた問題点についてはPSPの性能限界上仕方がなかったと諦めているファンもいる。 一部のアクセサリの装着位置がおかしい。ブローチやアンクルなどは宙に浮いてしまっている。 実はアイドルや衣装によってはちゃんとくっ付いている。例えば胸の大きいあずさにブローチを付けると正常な位置になるが、小さい千早に同じ物をつけると宙に浮く。つまり表示位置をモデルに合わせて調節していないのだ。 大きなセールスポイントであるはずの「ストーリープロデュース」は、シナリオと人物の性格描写の両方において問題が多い。評価すべき点は先述したが、それ以上に激しく批判を浴びた点も多かった。 最も不評だった点は、『箱マス』において追加された765プロアイドル「星井美希」が961プロに移籍してプロデュース対象でなくなりNPCライバルの1人となったこと。そして性格描写も『箱マス』からのファンには違和感のあるものになっており、「性格を改変された」と騒がれた。 更に、その移籍の理由が「765プロ社長が美希のお握りを勝手に食べてしまったから」と言うお粗末の極みだった事も批判に拍車をかけている。 その上好評だった、美希の地毛・ショートヘアー形態である通称「覚醒美希」が無かった事になっている。 美希以外の人物に関しても“こんな奴だっけ?”と思ってしまうようなシーンが少なからずある。 「ストーリープロデュース」中盤における「天海春香」の極端な取り乱しぶりは普段の彼女とはかけ離れた姿でありそうなってしまう必然性もあまり感じられないため唐突で異様な印象を受ける(*2)。思春期かよ。 ある時春香は遂に激情を爆発させて走り去ってしまうが、数シーン後に見つけた頃には一人であっさり冷静さを取り戻している。情緒不安定かよ。 新キャラにも問題あり。演出が過ぎている。 響の愛犬は地響きを上げる程巨大。世紀末にでも生まれたのだろうか? 貴音は時々意味深な発言をする為「実は異星人なのではないか?」と思うプレイヤーが続発した。ミステリアスの意味を履き違えている。 961プロの存在も、議論の的になりやすい。 まず『アイマス』の世界に明確な敵を登場させる事自体に批判の声が上がっている。 「アイドル達に罪はなく全て黒井社長が悪い」という物語展開でありながら、肝心の黒井社長に悪役としての威厳があまり感じられない。前述の通り道化役としては逸材であり数々の名場面を生み出してくれたのだが、物語の柱となる悪役としては小物臭がして、打倒時のカタルシスも薄い。 過去作では、アイドルごとに千差万別な姿が丁寧に描かれていた「アイドルの成長」という要素が、本作の「ストーリーモード」では「ライバルと戦って勝つ」という単純な形に集約されてしまっている点にも、不満の声は大きい。 当時は「『アイマス』の真髄は対人対戦にある」という意見も根強かったので、ストーリー上のライバル対決を強制されるゲーム内容は賛否両論を招いた。 また、上記のゲームの仕様や美希が『ミッシングムーン』のみライバルになる事から、「アイドルユニットとしての“プロジェクト・フェアリー(*3)”を見てみたい」と望むファンも多い。 「ストーリーモード」の舞台となる“アイドルアルティメイト(IU)”の設定は「滅茶苦茶」としか言いようがない。 5回の予選と3回の本戦が行われ毎回6人ずつが参加、このうち優勝者のみが次の試合に進むことができる。となると計算上、参加者の総数は27万9936人となるが、優勝者以外の者はほとんどの場合、引退に追い込まれるのだそうだ。「新人」とはいえ愛情と資金を注ぎ込んで育て上げてきたアイドルをそんなものに出場させる方がどうかしているが、それが27万9936人も集まっているのだから、もはや正気の沙汰ではない。 そして、これが毎年開催されているのである。現在の1年間の出生人口が約120万人だから、つまり同世代で4~5人に1人はアイドルとなってIUに出場し平均1年で引退していることになる。まさに日本人総アイドル時代である。 …という設定のはずなのに、一度敗退したNPCが再び舞い戻ってくることもある。まあ約28万人も参加しているのだから、中にはたまたま同じ芸名の者だっているのだろう。 作中の文章、特に台詞が所々おかしい。 今作でも、相変わらず、読点が、不自然に、多い。渡部、陽一、か。 「大ミエ切っちゃた」といった明らかな誤字脱字がある。 「ラタトスク(*4)な感じ」と訳の分からない喩えがあったりする。製作陣のいい加減さが見て取れる。 他のギャルゲーと違い既読スキップができない。 〇ボタン連打する以外の選択肢がない。ボタンおしっぱでは無理。次回作でも改善されていない。 対人モード兼ステージ鑑賞モードである「事務所モード」にも問題あり。 ライバル達にエクステンド衣装しか着せる事ができない。過去作にはあった美希の通常衣装も無かった事になっている。 一応彼女達の持ち衣装それぞれ3着が収録されているが、どういう訳かライバル間での互換性が無い。つまり彼女達が着れる衣装はDLC無しだとたった1着だけである。ネット環境が整っていない人は楽しみがかなり薄れる。 そのエクステンド衣装も1着ライバルに着せられない物がある。 真美が自由に使用できない。と言うのも「ストーリープロデュース」のアイドルアルティメイト予選もしくは決勝で真美が出場する際それをクリア→セーブして終了すると、次の週にならない限り亜美が真美に変わるのだ。ややこしい上によく分からない仕様である。 信じられない事にポーズメニューの「Favorite」画面(アイドルごとのクリア回数表示)で千早とあずさのイメージカラーが逆になっている。千早は青、あずさは紫のはずなのだが修正されていない。ここまで来るとちゃんとテストプレイしたかどうかも怪しい。 有料DLCに対する数々の批判。 DLCの価格は、同時期・同ハードのゲームのDLCと比べても、総じて高額な印象を受ける(*5)。しかも非常に数が多くリリースのペースも早かったため、夢中になって全部買うファンがいた一方でウンザリしてしまった者もいた。 『L4U!』と重複する内容のDLCも多かったが、一方を購入すれば他方が無料なり割引なりといったサービスはなかった。そのため熱心なファンからも、「両方に金を払うのはつらい」という声が聞かれた(*6)。 『箱マス』同様、本作でもアイドルからの「メール」が有料DLCとなっている。なくてもプレイは十分可能でありゲームバランスに与える影響も本作では軽微だが、キャラの魅力を味わう上では重要な要素なのでこれを別売としたことには批判の声が多い。 『箱マス』の無料DLC衣装や『L4U!』のデフォルト衣装ですら有料。 DLC衣装とアクセは「カタログ第○号」という形で、ある程度の数がまとめてリリースされたのだが、ひとつの号の衣装・アクセをすべて購入すると「コンプリート特典」として、漫画『ぷちます!』のキャラを模したアクセがもらえた。このコンプリート商法に対して嫌悪感を抱いた者もいた。 上でカタログとは言ったが、本作では360での物とは違ってアイテムのリストと実際に購入したアイテムは別々にダウンロードされる(*7)。 一部のDLC(具体的には『カピバラさん』および『マクロスF』とのタイアップ品)が期間限定であり、2011年3月末を最後に購入できなくなってしまった。契約の関係上、仕方がない事なのかも知れないが。 曲選択画面で殆どの楽曲のジャケットイラストが何故か描かれていない。プレイには問題ないが不満意見が出ている。 総評 『箱マス』と比較して「グラフィック劣化」「美希ライバル化」などが目に付く。それらが旧来からのファンの一部にとって受け入れがたいものであったため、彼らからは評判が悪い。「『箱マス』をPS3に移植した方がもっと売れた」とまで言われる様になる始末(今でも言われるがあながちいい加減でもない)。 しかし旧来からのファンの中にもPSP対応である事による利便性や改善されたプレイ感覚、豊富かつ独自性ある楽曲やDLC衣装などに注目して本作を肯定的に評価している者もいる。リファインキャラの響と貴音は高い人気を獲得しており、二次創作の場においても当時からきちんと市民権を得ていた。 ファンから最も非難の強かった美希の一件も、過去作未経験者から見れば一応これといって重大な欠陥にはなっていない。 ただし「問題点」で述べたようなケアレスミスなど擁護困難な欠点を数多く抱え込んでいることも事実である。とくに分割商法や高価で多量なDLCは批判の対象となりやすい。 本作を一言で総評するならば「長所も短所もはっきりしている賛否両論を招きやすいゲーム」といったところだろうか。残念な事に過去作の様に万人受けする内容ではなかった為過去作で築き上げたブームが覚め始める事となった。 ただし短所の多くはゲームプレイに支障をきたすような性質のものではないので、「アイマスというものを手軽に体験してみたい」という765プロ入社希望者にはオススメできる作品か? 余談 公式の見解では本作は『箱マス』からの孫移植ではなく、前述の通りあくまで「『アケマス』の移植作」という位置付けになっている。『アケマス』のアイドルしかプロデュースできなかったり、休日イベントなどが無かったりするのもその為だろうか? 実際『アケマス』と本作がメトロ制作であるのに対して『箱マス』はバンナム自社内での制作であり、その意味で上記の主張は正しい。だがほとんどのプレイヤーは制作した会社などには無関心であり、本作と『箱マス』を直接比較して批評する意見が多くあがった。 ソフト内には、『アケマス』のデータが未使用データも含めてそのまま残っていることが解析で判明。特に、『アケマス』正式稼働時に削除されたエンディングの一つ、通称「Zエンド」のボイスデータが発掘された意義は大きい(*8)。 「星井美希」の存在自体も『箱マス』での新規追加要素なので、それが『アケマス』移植作である本作でプロデュース対象ではないのも一応筋は通っている……のだが、そんな理屈で納得できたファンは当時ほとんどいなかった(そして現在でも)。ほぼ全ての旧来ファンに失望と不満を与えたのは事実なのだから、美希をプロデュース不可にするという判断は大きな誤りであったと断ぜざるを得ない。 なんと日本ゲーム大賞2008・フューチャー部門受賞。また、『電撃プレイステーション』にて2009年度「すんゲー10本。PSP」に選ばれた。 また、当初の発売日は2009年1月22日だったが延期された。その理由は「ユーザーの皆様にご満足していただける内容にするため」だったらしい。 その割には問題点が…。 実は響には「琉球空手の経験がある」と言う設定があるのだが、本作でそれが語られる事は何故か無かった。 また、バストが大き目な設定だが立ち絵や3Dグラフィックでは小さ目にされている。 と言うのもスタッフ間で響の設定に関して相当揉めたらしい。そのせいか『アイドルマスター2』で響のみスリーサイズがマイナス修正された。 961プロとしての「プロジェクト・フェアリー」が本編で登場するのは今作のみであり、初登場となる響と貴音は次回作以降は765プロアイドルとして登場し、美希含め961プロとの接点は全く無くなっている。 そして以降の作品における所属メンバーも設定が不安定であり、『2』のジュピターは最終的に脱退しており(プロジェクト・フェアリーとは違って設定は残っている)、今でも所属していることが明確にされているのは『OFA』の玲音と『ステラステージ』の詩花だけである。 実はライバルアイドルには漫画『アイドルマスターrelations』の“魔王エンジェル(*9)”も候補にあった。同作作者が自身のツイッターで嘆いた。 本作を原作とした漫画『アイドルマスターブレイク!』が連載、単行本化された。 が、“主人公が765プロ社長の孫で高校生(*10)”“主人公が765プロアイドル達と同居”など同人誌でもやらない様なあまりの原作無視っぷり、キャラの一人称も原作と違うなど、ファンからの評価は概して低い。 特装版単行本に付属した楽曲入りCDは非常に好評なため「単行本はCDのオマケについてくる鍋敷き」と酷評され、『ブレイク!』という作品の愛称自体が「鍋敷き」になる始末。 本作以降の『アイマス』は『ディアリースターズ』『2』とストーリー性・対決色の強いゲームへとシフトしていく。 特に『2』には本作の抱える「765プロからプロデュース不可能アイドルが出る」「961プロが登場し作中で大きな比重を占める」といった批判点がより顕著な形で引き継がれている。 また、『グラビアフォーユー!』『シャイニーフェスタ』など分割商法も引き継がれてしまった。 これらを踏まえると、本作は『アイマス』の歴史の中で一つの大きなターニングポイントとなっていたと言えるかもしれない。 それまで『アイマス』シリーズの家庭用機版はXbox360でしかリリースされておらず、ハードを代表する独占タイトルと言える存在であった。それがPSハードであるPSPに登場したことは、ゲームの内容とは関わりのない別の騒動を巻き起こしてしまった。 俗な言い方をすると、XboxユーザーとPSユーザー間のゲームハード論争の材料のひとつにされてしまったのである。現在は本作を冷静に批評する言説が増えているが、当時の熱狂の中で書かれたテキストもまだネット上などに存在しているので、読む時はそれを踏まえていただきたい(*11)。 なお以後の家庭用機『アイマス』シリーズは、唯一の任天堂ハード作である『DS』を挟んで『2』が360で発売されるもしばらくしてPS3に移植され、それ以降は一貫してPS系ハードだけで発売されている。
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アーケードの「スルメゲー」「ゲームバランスがかなり不安定なゲーム」の依頼タイトルはこちらへ。ソートはカテゴリ別>ハード別>五十音順で。 タイトルと共にコメントなどで推薦理由も添えるようにしてください。タイトルだけでは「何故」執筆を依頼しているのかわかりません。 注 あくまで依頼用ページなのでここからのリンクはご遠慮ください。 wiki統合にかかる執筆依頼整理の下準備として、依頼の見出しに「希望分類」を併記する書式をテストしています。 アーケード「不安定ゲー」の執筆依頼は、ゲームカタログ執筆依頼へ移しました。 スルメゲー執筆依頼は、いずれも既存記事が出来ているので、カタログ側に判定変更提案を出すなどで対応してください。 スルメゲー(初プレイ時はつまらなそうに感じるが、やりこんでいけば面白く感じるゲーム) 『ドルアーガの塔』 (ナムコ 1984年) 希望分類:スルメゲー(廃止の可能性あり) ※名作・良作に項目あり 迷路状のマップを歩き回り、敵を倒しつつ、鍵を手に入れて扉に向かい、次の階へ進むというゲーム。全60階。 各階で条件を満たすと宝箱が出現し、進行に有利なアイテムが手に入るのだが、この宝箱の中のアイテムが進行に必須なものが多い上、出現条件はノーヒント。 現在の基準ではクソゲー扱いされても止む無しだが、当時のプレイヤー達はコミュニケーションを取りながら、宝箱の出現条件の解明に奔走した。 攻撃力、体力、フラグ立て、アイテムの「ある敵を倒せるようになる」効果といった概念は今のゲームでは当たり前のようになっているが、RPGというジャンルが根付いていなかった日本製ゲーム、しかもアーケードゲームにおいてはなかなか理解されない概念であった。 ゲームの攻略には全60階分(実際はそれより少なくていい)の宝箱の出現条件の暗記かメモ書きが必須で、『攻略本』という単語を生み出すきっかけになった作品。単純なアクションゲームとしてもランダム要素が多く、歯ごたえのある作り。 同社のPS版『テイルズオブデスティニー』ではその名も【ドルアーガの塔】が隠しダンジョンとして存在している。戦闘形式こそ違えど、移動や宝箱の出し方などは当時の方法に則っている。なおリメイクのPS2版には収録されていないので注意。また同名のダンジョンが『なりきりダンジョン』及び同3に隠しダンジョンとして登場している。 『なりきりダンジョン』のドルアーガの塔はさすがにGBで本編シナリオと別に隠しダンジョンで元ゲームの雰囲気を完全に再現しろというのは土台無茶であるため、基本的には「そのフロアの敵を全て倒し、その際に出現する宝箱を入手した上で上の階層に行く」というルールになっているが、特定のアイテムを入手しないで先に進もうとすればZAPにより特定階層に戻される、ボスのドルアーガはギルとカイのコスチュームで無ければ戦えないなど、根幹の雰囲気はそれなりに再現出来ていたりする。勿論、ダンジョンは60階構成…本編のラストダンジョンのおよそ倍となる。 『レイディアントシルバーガン』 (セガ・エンタープライゼス/トレジャー 1998年) 希望分類:スルメゲー(廃止の可能性あり) ※名作・良作に項目あり 露骨なアニメ絵、変なデザインの自機、玩具じみたデザインのロボット、触角らしきものの生えたヒロインで構成された客引きデモとは裏腹のストイックなシューティングゲーム。 ボタン操作で何種類もの武器を使い分けて進む、縦スクロールのくせに障害物が非常に多い、など横シューを思わせるゲーム展開を持ち、ガチガチのパターンゲーム。弾幕シューティング成熟期にリリースされたため、当時のゲーセンでも異色の存在であった。 移植版はセガサターンのみ。完全版とも言えるほどの追加要素が売りだが、末期に発売されたため出回りが少なく、中古価格が暴騰していたがXbox360で配信が始まった。 ガチガチのパターン追求に楽しさを見出せるかどうかで駄作にも名作にもなりえる存在。 ゲームバランスがかなり不安定なゲーム アーケード「不安定ゲー」の執筆依頼は、ゲームカタログ執筆依頼へ移しました。
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このページはVer.1.3.0(2024年4月23日更新)を基準にしています。 オンライン配信によるゲーム内容更新が不定期に行われるため、必ずしも本記事の内容が最新の内容に対応しているとは限りません。アップデートによる評価等の追記は1ヶ月経過してからお願いします。 スーパー野田ゲーWORLD 【すーぱーのだげーわーるど】 ジャンル パーティーゲーム 対応機種 Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売元 吉本興業 開発元 カヤックYMCATレジスタ 発売日 2022年7月28日 定価 1,600円(税込) プレイ人数 オンライン 2〜20人オフライン 1〜4人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定(Ver.1.0.0) バカゲー 判定(Ver.1.2.0以降) 改善 良作 バカゲー ポイント 野田ゲー世界進出(日本専売)新たにオンライン対戦に対応ゲーム性・ボリューム共に大幅パワーアップバグや細かい粗が多数(アプデで徐々に改善)Ver.1.2.0で文句なしの大ボリュームに 野田ゲーシリーズリンク 概要 特徴 収録ゲーム バカゲー要素 クラウドファンディングによる素材集めの弊害(?) その他のバカゲー要素 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 大会・イベント等について その後の展開 概要 『スーパー野田ゲーPARTY』(便宜上、以後「前作」と表記)に次いで発売されたお笑い芸人の野田クリスタル(以後「野田」と表記)が総監督を務めるSwitch野田ゲー第2弾。 前作同様、クラウドファンディングによる資金調達が行われ、前作のクラウドファンディングの3倍以上となる約4200万円もの金額が集まった。 本作には全部で20本のゲームが収録されており、新たにオンライン対戦に対応したゲームも収録している。 以下、本作の特殊な開発経緯の都合上、記事本文に実在人物の名前が多数登場するが、記事の読みやすさや統一性を保つため、実在人物の名前は全て敬称略で表記させてもらう。 特徴 ゲームをプレイすることでゲーム内通貨である「クリスタル」が貯まっていく。 クリスタルは前作同様、コレクションで出資者から募集した素材を視聴するために使う。 ただし、前作にあったガチャは廃止され、今作ではコレクションの一覧から直接選択することで素材をアンロックできる。 また、コレクションを1,000個開放することでエンドロールが開放される。 また、後述の『邪道バース』においてカードパックを購入する場合や、『Ashi Kogi Racing』の車体開放、『マッチョあつめ』のアイテム購入にもクリスタルを使用する。 一部を除いたゲームにおいて、スコアランキングが実装されている。 オフライン専用ゲームでも、スコアアタックの記録をランキングに登録することで、他プレイヤーと競い合うことが可能。 収録ゲーム オンライン対戦対応ゲーム 『みんなのつり革』(プレイ人数:1〜20人) 前作の『つり革』のオンライン対戦対応版。オフラインでも4人対戦が可能となった。 基本的なシステム・ルールは前作と同様だが、複数の路線が選択可能になっており、路線によってはつり革がない・電車が傾斜する・車内がいきなり暗くなる、などの違いが存在する。 オンライン対戦では最大20人で最後の1人になるまで電車内の揺れに耐え続ける。 『大乱闘 ブロックくずして』(プレイ人数:1〜4人) 前作にも収録されていた『ブロックくずして』のアレンジ版。こちらも4人対戦が可能になった。 新要素として赤いブロックが壊れると、ボールのスピードが上がったり、ボールの数が増えたりする。 アイテムも追加されており、取得することでデッカチャンが無敵になったり小さくなる。 『邪道バース』(プレイ人数:2人) オンライン対戦専用のデジタルカードゲーム。 最大の特徴はカードを多く引いたり相手のターン中にカードを出せるなど、イカサマ(ジャドウ)ができること。 イカサマをされた側は、イカサマに気付ければ「指摘」を行うことができる。イカサマをした側は指摘されてしまうとイエローカードが貯まり、3枚貯まると敗北となる。 イカサマの指摘は「何を」「どうしたか」の2点それぞれ正確に行わなければならない。まったく違う場所を指摘したり、イカサマをしていないのに指摘をすると、自分にイエローカードが出る。イカサマをした場所だけ当たっていれば「おしい指摘」となり、お互いにイエローカードは出ない。 イカサマの中でも、程度の激しいものは指摘されるとレッドカードが掲示されて一発で敗北になるものがある。リスクも高いので使い所を見極めるしかない。 イカサマには時効があり、10秒経つと時効成立となり指摘ができなくなる。そのため、制限時間が10秒未満の時はイカサマができない。 なお、タイトルはCygamesのカードゲーム『シャドウバース』のもじりであるが、本作はそのCygamesの取締役である木村唯人に「一緒にオンライン対応した野田ゲーをつくれる権」(500万円)の出資を直談判したことにより生まれた、いわばCygames公認のパロディゲームである。 プレイ画面自体はエフェクトも少ない簡素なものだが、ターンチェンジの時に表示される文言などは本家と近く、準公式ゲームという雰囲気は出ている。 余談だが、マヂカルラブリーはシャドウバースのCMや番組(*1)に出演しており、シャドウバースとの縁は結構あったりする。 カードゲームのルールもイカサマができることを除けばほとんど『シャドウバース』と同じである。 『ナガイアス』(プレイ人数:1〜2人) 横に長いステージが一画面に収まっているシューティングゲーム。 ステージを進めていく度にステージがどんどん長くなっていき、それに合わせて画面が細かく分割されていく。 当然、分割されていくごとに自機や敵キャラなどが小さくなっていくため、画面の小さいSwitchの携帯モードやテーブルモードでのプレイは非推奨。 対戦モードも搭載されており、その場合はお互いがステージの両端からスタートして撃ち合う形式で対戦する。 『将棋III』(プレイ人数:1〜4人) 前作に収録されていた『将棋II』の続編。システムは前作のものとは大幅に変わっている。 将棋の盤上で操作キャラを動かして、将棋の駒を置くことができる。将棋の駒を置くと置いた場所とその駒の動ける範囲が爆発する。操作キャラが爆発に巻き込まれると敗北となる。 置いてある将棋の駒を破壊すると、将棋の駒の文字が書かれた青い玉が出ることがあり、それを取得すると、その駒を使用することができる。 簡潔に説明したが、要するに将棋の駒を使った『ボンバーマン』である。 オフライン対戦対応ゲーム 『Ashi Kogi Racing』(プレイ人数:1〜4人) ゲーミングチェア「AKRacing」を使ったレースゲーム。AKRacing自身が出資した完全オフィシャルゲームである。 Aボタンをタイミングよく連打することで、足で椅子を漕ぐことができる。 下り坂で背もたれを倒せば加速する。 選択できるマシンにはオットマン(足置き)も含まれているが、この場合の「背もたれを倒す」モーションは上体を後方に反らしているだけとなる。 『スーパー音声衰弱』(プレイ人数:1〜4人) 前作の『音声衰弱』のパワーアップ版。 前作でやり込んだ人がいたらしく、ピアノの音程や机を叩く音など、聞き分けるのが難しい音も収録されている他、バイク川崎バイク(BKB)やデッカチャンのボイスのみのステージも収録されている。 『The 連射』(プレイ人数:1〜4人) 秒間16連射で知られる高橋名人とのコラボ作品。 ゲームルールは制限時間内にひたすらボタンを連打して、一番連打数が多かった人の勝ち、という非常にシンプルなゲーム内容。 『やせちゃうよ?』(プレイ人数:1〜4人) 時間経過で自動的に痩せていく野田の相方である村上にご飯を食べさせ続けて、痩せないように太らせていくゲーム。痩せきったらゲームオーバー。 ご飯を食べさせると太るが、それ以外の物を食べさせると更に痩せてしまう。 最大4人までの対戦に対応しており、対戦では相手側に食べ物ではない物を食べさせて妨害することも可能。 本作は野田が1時間未満で作成した(*2)ゲームのリメイク版。収録理由は野田曰く「どうしても(収録ゲーム数の合計を)20本にしたかった」というあんまりなもの。 ナス(バカゲー要素の項参照)を含め、下記の『どうぶつの国』で採用されなかった絶景がこちらの背景に回されている。 『仕分け SHIWAKE』(プレイ人数:1〜4人) 野田が売れない芸人時代に8年間も行っていた、郵便仕分けのアルバイト経験を元に作られたゲーム。 ハガキに書かれたものと同一住所のが書かれた箱に、間違えないようハガキをポスティングしていく。 1回間違えるとお手つきとなり、3ミスでゲームオーバー。難易度が上がるごとに住所表記が複雑になったり、投函する箱が増えていったりする。 4人までのマルチプレイができるが、このゲームのみ対戦ではなく協力型のマルチプレイとなっている。 『回転めし』(プレイ人数:1〜4人) 指定した料理をいち早く取得する、早押しゲーム。 料理が流れるレーンは手前と奥に設置されており、料理を取得する際はスティックの上下で取得する。 流れてくる料理は出資者から募集した手料理の写真である。 『コマンド長すぎだぜ! 技 出なさすぎ君』(プレイ人数:1〜2人) 技を出すためのコマンド入力が非常に長い格闘ゲーム。 パンチやキックなどを含めた全ての技を出すのにも、長いコマンド入力が必要であり、一つの技を出すのに非常に苦労する。 『つめあつめ』(プレイ人数:1〜2人) 同じ柄の爪を3つ以上なぞって消していくパズルゲーム。タイトルでも匂わせているが、「ディズニーツムツム」のパロディ作品。 ゲーム内に出てくる爪は出資者から募集したネイルが使用されている。 『オレたち億り人』(プレイ人数:1〜2人) 株の売買をして億万長者を目指すゲーム。 株価が下がった時に買って、株価が上がった時に売るを繰り返して資金を集めていく。すべての会社が倒産したらゲーム終了。 1人プレイ専用ゲーム 『信〜NOBU〜』 お笑いコンビ「千鳥」のノブを主人公としたアクションゲーム。 野田ゲーで初の本格的な3Dグラフィックを採用しており、ゲームの合間に3Dのムービーが流れる。 ただし、ゲームシステムは2Dの横スクロールアクションゲームである。 野田曰く「かっこよく言うとダークソウル風」とのことだが、ダメージを受けると鎧が脱げるシステムや公式サイトの「カプコン許諾済み」という一文から察するに、どちらかと言うと元ネタは『魔界村』である。 余談だが、この「カプコン許諾済み」というのは事実であり、野田がカプコンへ許可取りに行ったところ、「(無断でやると)カプコンに魔界村のパクリが出てるというクレームが来るため、魔界村に似てるということは逆に言ってくれ(どんどん触れて話題にしてくれ)」と言われたらしい。(参考リンク) 本作は千鳥のノブにクラウドファンディングの出資の直談判をしたところ、「一緒に野田ゲーを作れる権」(100万円)を購入してくれたことにより、作成されたゲームである。 『無理して集まらなくていいよ どうぶつの国』 動物たちの写真を撮影していく一人称視点のゲーム。 一見『ポケモンスナップ』や『AFRICA』を連想させる内容だが、野田曰く「世界一平和なFPS」とのことで、根本のシステムはファースト・パーソン・シューティングを元にしている。 登場する動物は出資者のペットである。また、出資者から募集した植物の写真や絶景写真も本作で使用されている。 『動・級・生』 動物たちと恋愛する高校を舞台とした恋愛ゲーム。 プレイヤーは高校最後の1年を過ごして、卒業の日までに告白を受け入れてもらうことを目指す。 動物たちの台詞は全て鳴き声となっており、何を話しているのかは主人公との会話で推測する必要がある。 『THE 芸人』 芸能事務所の社長となって、芸人を育成する育成シミュレーションゲーム。 登場する芸人は出資者が考えた架空の芸人と、吉本所属の実在の芸人が混ざって登場する。 オンラインによる賞レースも開かれており、育てた芸人をエントリーさせることも可能。 なお、このゲームでは『ゲーム発展国++』などで知られるゲーム会社「カイロソフト」が協力しており、グラフィックの一部にカイロソフト制作のドット絵が登場する。 これは、野田が開発元のカヤックとの会議の際に「どういうゲームを作るか」の例えとして、カイロソフトの名前を出したところ、カヤックがカイロソフトに許可取りをしたため、実現したとのこと。 『クラウドファンタジー』 村人などの登場人物全員を仲間にできるRPG。 仲間は倒されると復活しない。主人公の勇者が倒されるとゲームオーバー。 ちなみに、主人公は本作に出資した元プロ野球選手の真中満で、キャラネームにもしっかり「真中満」と入れられている。 ラスボスである魔王を倒すと、続編である『クラウドファンタジーII』が始まり、最初からとなる。同じようにクリアすると、『III』『IV』『V』……といった具合にナンバリングが増えていき、無限に遊ぶことができる。 ただし『X』以降は現在でも行けなくなっており、アップデートによって追加されるかどうかは不明である。 『マッチョあつめ』 プロテインやダンベルなどを設置してしばらく待つと、マッチョが集まってくる放置ゲーム。 元々は野田が個人で作成していたゲームだったが、バグが取れずに完成させることができなかったものを、この度完成させて収録したもの。 ゲームを起動していない間でもマッチョは集まってくる。もちろん、他のゲームを遊んでいる際も同様。 バカゲー要素 クラウドファンディングによる素材集めの弊害(?) 本作も前作同様、開発の資金集めのクラウドファンディングのリターン品として、ゲーム内に登場できたり、イラストやBGMなどの素材を採用してもらったりと、大勢の人物が参加しているのだが、その結果前作以上にカオスな状態に陥ってしまっている。 出資することで、イラスト・写真・音声などの素材を採用してもらえたのだが、基本的に「公序良俗(コンプライアンス)に違反しない」「第三者の権利を侵害しない」の2点さえ守っていれば、どれだけ変な素材でも採用されたため、以下のような事態になっている。 オープニング(タイトル)画面を募集したところ、「自分が結婚した時の写真」や「0歳児の孫が描いたイラスト」(*3)を送った出資者がおり、結果オープニング画面に野田ゲーと無関係の画面が映し出される。特に後者は事情を知らないとかなり困惑する。 『ナガイアス』には出資者が描いたイラストが自機として採用されているが、「弾を発射しそうな機体であれば何でもOK」として募集したので、戦車のような空を飛びそうにない見た目の機体や、飛行どころか弾すら発射できそうにないシュークリームやイクラ丼のイラストなど、変な見た目の自機を操作することになる。 他にも「あなたの撮影した絶景写真が登場する権」として、絶景写真を募集したのだが、その中にナスの写真を送った出資者がいた。どう見ても絶景とは無関係な写真であるが、これも採用されている。 前述した通り、『THE 芸人』では出資者が考えた架空の芸人が登場するが、その中には奇抜なデザインをした芸人も少なくない。 例えば、動物が混ざっていたり、頭部がインコやカボチャ、ウニの軍艦だったりと、かなりフリーダム。 『クラウドファンタジー』では、出資者の自宅の間取りが町の家として登場するが、その中に小学校の間取りを送った出資者がいた。例に漏れずこれも採用されている。 もちろん、野田ゲーと無関係な素材ばかりではなく、野田や相方の村上を描いた似顔絵や、野田のペットのハムスターを描いたイラストも多い。 だがその一方で、野田ゲーやマヂカルラブリーとは関係の薄い芸人の素材(後述する当人が出資した素材とは別)も何故か採用されている。 例えば『邪道バース』のレアカードのイラストにお笑いコンビ「見取り図」と思わしきイラストがあったり、『Ashi Kogi Racing』の看板にお笑いコンビ「空気階段」のネタに登場するキャラクター『メガトンパンチマン』のイラストがあったりする。 他にも『スーパー音声衰弱』の音声に吉本所属ですらないお笑いコンビ「ランジャタイ(*4)」に言及するボイスが採用されている。 資金を集めつつ素材を募集したということは、裏を返せば送られてきた素材は絶対に使わなくてはならないため、集めた素材に振り回されて作成されたゲームがいくつか存在する。 『回転めし』は手料理を募集したところ、大量に料理の写真が送られてきたため、それを消費するために作られたゲーム。募集した料理の中には焦げた餃子など、失敗したと思われる料理も混ざっている。 中でも『つめあつめ』にて使われている爪は「あなたの自慢のネイルを披露できる権」として募集したものだが、野田曰く「めっちゃ使いどころが難しい」と、かなり困っていた。「だったら募集するな」というツッコミは無しで。 素材の集まりもカテゴリーごとにまちまちで、例えば「ペットが出演できる権」は非常に人気で300匹以上のペットが集まったのに対し、同じ値段の「あなたのマッチョが登場する権」は不人気で17人のマッチョしか集まらなかった。 もちろん、素材の集まりが悪かったところで、出資者が1人でもいたなら使用せざるを得ないため、募集したマッチョを使用するためのゲームが収録されている。 著名人も何人か出資しており、カオスさに拍車をかけている。 お笑いコンビ「天津」の向清太朗、バイク川崎バイク(BKB)、デッカチャンなど、野田と親しい芸人仲間も何人か出資しており、彼らが提出した素材がゲーム内に登場する。 更にお笑いコンビ「麒麟」の川島明が開発資金を野田に直接手渡しで出資しており、『クラウドファンタジー』に麒麟の川島が登場する。ただし、手渡しで直接出資したせいなのか、コレクションには載っていない(エンドロールには名前が載っている)。 そんな中で野田と一切接点の無い、元ヤクルトスワローズ監督の真中満(*5)が主人公になれる権に出資しており、前述のように『クラウドファンタジー』の主人公になっている。 他にも第4代DEEPフェザー級王者である松本晃市郎(*6)も出資しており、アバターパーツと格ゲーのファイターとして登場する。 前作の読み切り漫画を掲載してもらった縁なのか、コロコロコミック編集部も出資しており、オープニングや『やせちゃうよ?』の食べられないものなどにコロコロコミックのマスコットキャラクター「コロドラゴン」が登場している。イラストの作者はコーヘー。 その他のバカゲー要素 オンライン対戦の導入に伴いアバターを作成できるようになったのだが、その作り方が顔写真を組み合わせて作るモンタージュ式。 しかもパーツごとの数に偏りがあり、明らかに鼻のパーツが少ない。そのため絶対に揃わない顔がいくつか存在する。 これらの顔パーツも(デフォルトの野田を除いて)全て出資者たちの顔写真を切り取って使用したものである。 ゲームタイトルやシステムにおいて、他ゲームのパロディネタがところどころに見られる。 例を挙げると『大乱闘 ブロックくずして』『ナガイアス』『動級生』『マッチョあつめ』といった具合。 『無理して集まらなくていいよ どうぶつの国』のタイトルは『あつまれ どうぶつの森』が元ネタ。『つめあつめ』はタイトル及びゲームシステムがスマホ用パズルゲーム『ツムツム』のパロディとなっている。 『邪道バース』は前述したように、Cygames公認のパロディゲームだが、タイトルロゴも本家『シャドウバース』にかなり似せている。 ついでにタイトルロゴの文字も英語表記にしており、『JHADOW VERSE』と頭文字をSからJに変えただけ。ちなみにこのロゴもCygamesに確認して許可を取ったらしい。 『信〜NOBU〜』では、ノブの豊富なボイスが聞けるのだが……。 鎧を装備している間は標準語で様々な中二病っぽい台詞を喋ってくれる(例:「古傷が疼くな……」「力が……みなぎる……!」など)ノブだが、ダメージを受けてパンツ一丁になると、途端に口調がヘタレた岡山弁へと豹変する(例:「もう駄目じゃあ!」「もうええ!もうええ!」など)。 ちなみに、このノブのボイスは『スーパー音声衰弱』の「戦士の声」ステージに流用されている。 Ver.1.2.0ではノーマルモードの追加に伴いノブのボイスが大量に追加。野田によると200ものボイスが追加されたとのこと。 そのボイスの中には「大いなる力には大いなる責務が伴う」「だが、お断りだ」など、どこかで聞いたような名台詞を捩ったものもある。 ボイス収録は2022年の夏に行われたが、ちょうどノブが首を痛めたことによる治療入院からの復帰直後に収録する鬼スケジュールとなった。 前述したように『スーパー音声衰弱』ではデッカチャンが担当したステージがあるのだが、そのステージのボイスは様々な言い方の「デッカチャンだよ」しか言わないという狂気じみたものとなっている。 そのせいか、デッカチャンステージはレベル7の絶対音感ステージより上のレベル8に設定されている。 その他、細かな笑える点 『Ashi Kogi Racing』では様々な種類のゲーミングチェアが選べる中、椅子ではなくオットマン(平たく言えば足置き)がマシンラインナップに混ざっている。 『回転めし』のオフライン対戦では、ステージが何故か「かんたんコース」しか選べない上にレベルが99まである。 しかも、そのレベル99の速度は人間では認識不可能な超スピードで料理が流れてくるため、ほぼ無理ゲーとなっている。 『無理して集まらなくていいよ どうぶつの国』では、どこぞのバトロワ系FPSよろしく空中から降下して始まる。降下地点を選べるわけではないので特に意味はない。 『The 連射』のタイトルでは「ゲームは一日一時間」を始めとした、高橋名人による5つの標語が本人ボイスで流れる。 「外で遊ぼう元気良く」「僕らは未来の社会人!」などの、今となっては馴染みの無い標語も漏れなく収録。また「野田ゲーも一日一時間」という新たな標語も追加されている。 この高橋名人のボイスも前述のノブと同様『スーパー音声衰弱』に流用されている。 『信〜NOBU〜』はノーマルモードとハードモードの2つの難易度があるのだが、そのうちノーマルモードは当初「Coming Soon」となっており、Ver.1.2.0になるまで遊べなかった。多くのプレイヤーから「逆だろ」とツッコまれたのは言うまでもない。 評価点 1,600円という定価に対するボリュームの多さ。 収録ゲーム数は合計20本であるため、単純計算でゲーム1本につき80円というかなりお買い得な価格設定となっている。 この価格設定については、野田曰く「オンラインプレイの人口を集めるため」「出資者に対する還元の意味も込めている」とのこと。 オンライン対戦と4人対戦ができるようになった。 前作では最大2人までしか対戦プレイができなかったが、本作ではオフラインでも4人対戦が可能となり、パーティーゲームとして正統進化した。 オンライン対戦にも対応しており、フレンドマッチも可能なので、離れた友人と対戦することも可能。 中でも『みんなのつり革』は最大20人まで対戦可能なので、大勢で遊ぶと非常に盛り上がる。 収録ゲームの中でも『邪道バース』の出来は(後述するバグを除けば)かなり良い。 このゲームでは「イカサマを上手く利用してカードゲームを有利に立ち回る」ことが重要となっている。 イカサマは指摘されても、ペナルティーはイエローカードがたまるだけで、イカサマ行動による結果はそのままという仕様になっている。そのため、イエローカードが溜まってないうちは、指摘上等でイカサマを行うことも戦術の1つ。 相手のターンでもイカサマが行える仕様上、対戦相手の行動にも注目する必要があり、常に気の抜けない緊張感のあるバトルが楽しめる。 イカサマを見逃してしまうと相手が有利になるため、イカサマを見破るには、相手の行動・ライフ数・手札の枚数などを逐一確認する必要がある。 「PPを増やして序盤から多くのカードを出す」「相手が強力なカードを出してきたら捨てる」「相手がターンを終えるタイミングでイカサマをする」「相手のイカサマに合わせてこちらもイカサマをする」などのようにイカサマによる戦術の種類も豊富なので、戦略性も高い。 『ナガイアス』は対戦が面白い。 一画面にステージ全体が収まっているという特異な条件がお互いに適用されるため、対戦が結構面白い。 発売当初は分身アイテムが大量に出現したため、やや大味なゲームバランスであったが、Ver.1.0.2で調整が入り分身アイテムがあまり出ないようになった。 Ver.1.0.3では、L/Rボタンを押している間、自機が低速移動できる上に当たり判定が表示されるようになる機能も追加された。 『やせちゃうよ?』も対戦が意外と面白い。 野田が個人で作成した原作は、1時間以内で作成したということもあり、バグだらけでまともに遊べないゲームだったが、本作ではしっかりと遊べる内容となっている。発想そのものは悪くなかったということだろう。 対戦では、自分の村上に食べ物を食べさせ続けながら、相手の村上に食べ物ではないものを食べさせる、といったゲーム性がしっかりと構築できている。 本作のために村上のボイスも新規収録されており、「やせちゃうよ」「うまい~!」などの台詞を喋ってくれる。4人対戦だと物凄く騒がしくなる。 余談になるが、「やせちゃうよ」は村上の架空のギャグという設定なのだが、独特なイントネーションで発せられる「うまい~!」は村上の本当の持ちギャグである。 BGMも評価の高いものがある。 中でも『みんなのつり革』のプレイ中に流れる「Foolish」「Hyper Yanawaraba」や『ナガイアス』プレイ中のBGM「戦闘!でっかいエビ」「温故知新」は人気が高い。 ゲーム選択画面で流れるBGMの一つ「本日のラッキーゲーム占い」は、本作屈指のふざけた曲。是非とも一聴して欲しい。 ちなみに本作で使われているBGMも全て出資者によるものであり、収録曲数は合計で135曲というこの価格帯のゲームにしては、まず見られない曲数となっている。 『動・級・生』のオープニングにて使用されている「#ファインダー越しの夢のセカイ」は、恋愛ゲームにピッタリの歌だが、これも偶然出資者が提供してくれたもの。ある意味奇跡である。 追加ゲームの『THE 芸人』は遊びがいがかなりある。 後述するように細かいバグはあれど、育成シミュレーションの体は保っており、十分遊べるクオリティ。 システムもそこまで複雑ではなく、ライトユーザーでも気軽に楽しく遊べる。 賛否両論点 『信〜NOBU〜』の難易度が鬼畜。 このゲームは、難易度が非常に高く調整されており、ライトユーザーにはとても難しいゲームバランスとなっている。 被弾して鎧が脱げると攻撃ができなくなり、ジャンプ力も下がるため、基本的に一回の被弾も許されない。 難易度・ゲームバランスとは別に、初見では判別不可能な落とし穴・見えない足場・攻撃することで壊れる壁などのように、初見殺しのギミックも大量に仕込まれており、人によっては理不尽と評されても仕方ない鬼畜難易度となっている。 ただし、ある程度の根気とゲームスキルがある人なら、死に覚えゲーとして楽しむことができる。コンティニューは無制限で行えるため、決してクリア不可能なゲームではない。 実際、『テレビ千鳥』でノブ本人がプレイした際にも野田が「死にゲー」と解説し、大悟がボスの攻略法を思いつく場面が放送されていた。 ちなみに、この理不尽難易度はある程度は意図的なものらしく、野田曰く『たけしの挑戦状』など、昔のタレントゲーが難しかったことへのオマージュらしい。 Ver.1.2.0のアップデートでより難易度の低いノーマルモードが追加されたが、ステージギミックがほぼそのままで、攻撃性能の大幅強化と無限ジャンプが可能になっただけと、調整が少々雑。難易度が下がったことは事実なのだが……。 『無理して集まらなくていいよ どうぶつの国』で、クリスタルを大量獲得できる裏技がある。 難易度も前作の無限ガチャバグよりも遥かに簡単であり大量のクリスタルを効率よく稼ぐことが可能である。 とはいえ、本作のコレクション数は実に3,000以上、よってコレクション全開放に必要なクリスタルは30万以上かかる計算であるため、この裏技を使用せずに稼ぐ場合、1回につき500〜1,000程度しか得られないオンライン対戦をするしかない。手っ取り早くコレクションを全開放したい人(もといエンドロールを視聴したい人)にとっては救済措置になるだろう。 + 裏技の手順 動物を撮影した後、撮影ボタンを押しっぱなしにする。すると連続で動物を撮影することができ、一枚撮影するごとにクリスタルが得られるため、これで無限にクリスタルを稼ぐことができる。 ただし、ゲームをやめる際には+ボタンのポーズではなく、『どうぶつの国』内でのメニュー(Yボタン)で中断すること。そうしないとクリスタルは得られないため注意。 全体的にゲーマー向けのゲームが増えた。 前作ではどちらかというとゲームに慣れていなくても楽しめるカジュアルなゲームが多かったのに対し、本作では画面が複数に分割されている『ナガイアス』、カードゲームのルールを把握していないと楽しめない『邪道バース』など、全体的にゲーム慣れしている人の方が楽しめるゲームが増えている。 ゲーム性が深まりより深く楽しむことができるようになった一方で、ゲーム慣れしていないビギナーユーザーからは、楽しむまでのハードルが前作と比べてやや高くなっている。 問題点 収録ゲーム数が足りない。(Ver.1.2.0で改善) 事前情報では20本のゲームが収録されるとアナウンスされていたが、そのうち最初から遊べるのは13本だけで、残りの7本はアップデートで追加される形となった。 これについては、野田曰く20本全てを完成させてからリリースしようとすると、告知していた発売日に間に合わなくなることが発売日の数ヶ月前に判明し、どうしても発売日に間に合わせるために、このような措置を取ったとのこと。 後述するが、既に『野田ゲーWORLD』関連のイベントの予定を多数組んでしまっており、発売延期しようにも延期できなかったという事情もある。 当然アップデートは無料で行える。DL専用ソフトという特性上、本作を購入してネット環境がないというケースはまずないだろう。 また、目玉であるオンライン対戦対応ゲームや4人対戦対応ゲームを優先して収録し、発売日も延期せずにオンラインのプレイ人口が増える夏休みシーズンに間に合わせたことは、英断とも言える。 2022年11月28日配信のVer.1.1.0でようやくゲームが2本追加されたが、発売から4ヶ月も経過しており、少々旬を逃してしまった感は否めない。 2022年12月12日配信のVer.1.2.0において、20本のゲームが全て揃った。 ゲームルールの説明不足。 全てのゲームにおいて遊び方が記載されているのだが、これが簡素すぎて重要なことが書かれてないことがある。 特に酷いのが『邪道バース』。カードゲームのルールについての解説はあるものの、一番重要な要素であるイカサマ関連のシステムが一切記載されていない。 オンライン対戦専用ということもあり、対人戦で手探りでイカサマ関連のルールや仕様を理解する必要があるため、初心者が取っつきづらい要因の一つとなっている。 野田によると「公式には推奨していない」という理由で、あえてイカサマ関連の説明を載せていないらしいが、いずれにせよ不親切であることには変わりない。 その他、『マッチョあつめ』では食べ物と器具の両方を置かないとマッチョが集まってこない仕様なのだが、これについても説明がない。 『クラウドファンタジー』ではRボタンでダッシュできることが記載されていない。 『みんなのつり革』の路線のレベル表記が実際の難易度と齟齬がある。 路線ごとにレベル表記があるのだが、これが実際の難易度と噛み合ってないものがいくつかある。 例えば、レベル1の中央線快速は序盤の揺れこそ小さいが、途中で車内が暗くなったり新宿駅以降電車が傾くので、実際の難易度はやや高め。 他にも常に左に電車が傾く箱根登山電車がレベル3だったり、車内が頻繁に暗くなる谷町線がレベル2だったりする。これらの路線を苦手とする人も多い。 逆にレベルが4以上の路線が多くあるのだが、これらの路線のほとんどは揺れが激しいだけで上記のようなギミックがないため、慣れてしまうとこちらの路線の方が簡単に感じてしまう。 『ナガイアス』の問題点。 1人プレイモードの難易度が高い。 画面が長すぎて視認性に問題がある……と思いきや、それ以上に無限沸きする雑魚敵のスポーン位置に重なってしまい被弾するという事故が起きやすく、地味に難易度が高い。 一部ステージの背景色が原因で対戦時に相手の弾が見えづらいという問題点もあった。(Ver.1.0.3で改善) 『将棋III』の問題点。 試合が長引いた場合に決着を早めるシステムが存在せず、同じ実力の人同士による対戦では、決着が付きづらいという問題点があった。 Ver.1.0.3において、プレイ開始から90秒が経つと、段階的に盤面が小さくなっていくルールが追加された。 『Ashi Kogi Racing』の問題点。 操作性にクセがあり、他のレースゲームと比較して操作が難しい。 マリオカートなどでは、他のレーサーがゴールして最下位の人だけ残るとその時点でレースが終了となるが、本作ではレースは終了せず、最後までゴールを目指さないといけない。 左右に動きすぎるとカメラが傾きすぎる不具合がある。 『クラウドファンタジー』の問題点。 ダンジョン内でのエンカウント率が非常に高い。 Ver.1.2.1でエンカウント率が下方修正された。 ダンジョンから即時脱出できる手段がない。本ゲームのダンジョンは、装備品とボスが配置されているだけで通り抜けができないため、ダンジョンから抜け出す場合は、上記のエンカウント率の高さと相まってかなり苦労する。 Ver.1.2.1で全てのダンジョン内にフィールドへ脱出できるワープ地点が配置された。 『つめあつめ』の問題点。 ゲーム自体がタッチパネル操作に対応していないことから、スワイプで爪同士を繋げることが出来ない。 スティック操作オンリーの上にカーソル移動速度も調整が効かないため、難易度は意外に高くなっている。 操作性の悪さは野田本人も周知している点ではあるが、タッチ対応は予算的なハードルで難しかったのだろうと予測される。 バグ・不具合 『邪道バース』はフリーズ・バグがいくつか報告されている。 常にお互いがイカサマをできる・相手のイカサマを指摘できるという自由度の高いシステムが原因なのか、対戦中にフリーズしてゲームが進行しなくなることが結構な頻度で発生する。 例えば場に出たカードで攻撃している最中に、場のカードを捨てられたり指摘をかけられたりすると、ほぼほぼフリーズしてしまう。(Ver.1.0.2で改善され、フリーズの頻度はかなり減った。) こうなると、どちらかが+ボタンを長押ししてゲームを中断するしかない。この場合中断した方はクリスタルを獲得できないため、単純に時間の無駄となってしまう。 このフリーズ問題に輪をかけてプレイヤーを困らせるのが、相手が切断・中断して勝利した場合に何故か自分のレートが下がってしまうことがあるバグ。フリーズとエラーが原因の中断勝利が頻発するため、余計に悪目立ちしている。(Ver.1.0.4で改善) 自分が場にカードを5枚出している状況だと、相手が「こっそりカードを場に出す」イカサマをしても指摘できないというバグもあった。(Ver.1.0.3で改善) 他にもゲーム開始時、いきなりライフが減っていたりカードが場に出ていることもある。 アップデートにより新たに増えたバグもあり、Ver.1.0.3では、「カードを捨てる・デッキに置く・墓場に置く」イカサマの挙動が全て同じ動きになり、区別がつかなくなる(それ以前のバージョンでは相手の手の動きをよく見ていれば、どのイカサマをしているか見抜けた)という対戦をする上で深刻なバグが発生した。(Ver.1.0.4で改善) 相手がターンを終了するタイミングでイカサマをすると指摘されずに確実にイカサマが通るバグテクニック(通称「エンド邪道」)があった。 Ver.1.0.4でエンド邪道ができないように修正されたが、今度はエンド邪道を行うとお互いにイカサマを含めたコマンドが入力できなくなるというバグが発生した。 その他、Ver.1.2.0時点でイカサマが指摘できないバグが発生することがある。(Ver.1.2.2で改善) 『大乱闘 ブロックくずして』もオンライン対戦をする際にフリーズやバグが多く発生する。 Ver.1.1.0でいくらか改善されたが、それでもフリーズなどが発生することもある。 『みんなのつり革』で37番目の路線が開放されないバグがあった。(Ver.1.0.3で改善) 『The 連射』でバグを使って不正な記録をランキングに登録できる。そのためランキングが完全に形骸化している状態に。 本来は複数のボタンを同時に押してもカウントされない仕様だが、Ver.1.0.3のアップデートで複数のボタンを押すとその分カウントされるというバグが発生した。(Ver.1.0.4で改善) 連射中にポーズボタンを押して、ポーズ中にX/Yボタンを連打すると、時間を止めたままカウントを増やせるというバグがある。(Ver.1.2.1で改善) 『THE 芸人』のバグ。 報告書をスキップすると資本金が変動しない。(Ver.1.2.0で改善) 2年目以降、大会やオーディションが出現しない。(Ver.1.2.0で改善) 芸人をスカウトして加入させた後、芸人のリスト画面でフリーズする。(Ver.1.2.1で改善) オンライン賞レースに参加した後、次回のオンライン賞レースに参加できなくなる。(Ver.1.2.1で改善) 『動・級・生』で告白に成功しても、メニューに戻るとフラグがリセットされてしまうバグがある。(Ver.1.3.0で改善) インターネットランキングを100位まで閲覧すると確定でフリーズする。(Ver.1.0.2で改善) こちらは上記の邪道バースのフリーズと違い、+ボタンによるポーズも効かなくなるため、ソフトリセットをするしかない。 他にもゲームプレイ中にエラーが発生してソフトが強制終了することもたまにある。 詳しい発生条件は不明だが、アップデートにより頻度は下がっている。 Ver.1.2.2時点では『邪道バース』のプレイ中にエラーが発生しやすい。 Ver.1.0.4では『みんなのつり革』『大乱闘 ブロックくずして』『将棋III』のフレンドマッチが正常に動作しなくなるというバグが発生した。(Ver.1.1.0で改善) 2024年3月25日からサーバーメンテナンスが行われ、Ver.1.3.0でサーバーの変更が行われたのだが、以前のバージョンよりもオンラインプレイ時のラグが増えてしまった。 特に影響が大きいのが『みんなのつり革』で、オフラインプレイ時と比べて電車の揺れに耐えにくくなって、難易度が上がってしまった。 なお、プレイ中にボタンを連打すると、何故か揺れに耐えやすくなる。これに気づくプレイヤーサイドも大概だが。 『ナガイアス』も同期ズレによって、弾に当たってないように見えるのに被弾するという事象が起きてしまうようになった。 ただし、『邪道バース』だけは、理由は不明だがエラーの頻度が減って遊びやすくなっている。……何故? ちなみに野田曰く、サーバーの変更については「野田ゲーWORLDを長く続けていくために必要なこと」としており、明言はされていないものの、ランニングコストの面で採算が取れなくなってきたため、サーバーがグレードダウンしたことが示唆されている。 総評 収録ゲームごとの出来やボリュームに多少のムラはあるものの、1,600円という定価に対してそれなりの出来のゲームが20本収録という大ボリュームはかなりのコストパフォーマンスの高さを誇る。 前作『PARTY』はあくまで「バカゲーとして見るなら面白い」という内容であったのに対し、本作では純粋にゲームとしての完成度が高まり、正統進化を果たすことに成功した。 大勢の出資者たちから集めた大量の素材によって醸し出されるカオスさや、所々に見られるふざけたバカ要素もあって、バカゲーとしての地位も落としておらず、歴代の野田ゲーの中でも屈指の出来を誇っている。 その一方で、発売当初はゲームシステムの細かい粗やフリーズ・バグなどが多く存在し、手放しで良作と呼ぶには少々厳しい状態だった。 更に収録ゲーム数も事前の告知と比べて足りないという、厳しい言い方をすれば「未完成」の状態でリリースされてしまったのは、(その分早く遊ぶことができたとはいえ)かなり残念である。 2022年12月12日配信のVer.1.2.0以降であれば、致命的なバグは概ね修正済みで、20本全てのゲームが遊べる状態となったため、十二分におすすめできる作品となっている。 余談 オンライン対戦の導入自体は前作でも検討していたらしいが、洒落にならないくらいお金が掛かるということで断念したとのこと。 当初は、オンライン機能の利用にNintendo Switch Onlineへの加入は不要にする予定だったが、発売直前になって撤回され、他のゲームと同様Switch Onlineの加入は必須となった。 本作の発売に伴って「野田ゲーBBS」が開設されており、バグの報告や改善点の要望などは、この掲示板に書き込んで欲しいとのこと。 アップデートで追加予定のゲームの中に「考え中」があるが、これにはとある裏事情がある。 2022年3月におけるファミ通の配信において「競技人口1万人のスポーツゲーム」というものを発表していたのだが、とある協会から許可が下りなかったため白紙になったとのこと。 この没になったゲームの詳細と許可が下りなかった協会について公式から明言はされていないが、ファンの間では「モルック」のことではないかと推測されている。 根拠としては、野田が個人で作成した野田ゲーの中に『あつまってくるファンにモルックを投げつけるさらば森田』というものがあり、モルックの日本での競技人口は1万人とされているため。 最終的に「考え中」は『オレたち億り人』というゲームとして収録された。 全世界のプレイヤーと遊べると公式では宣伝しているが、現時点では日本でしかリリースされていない。 これは口だけというわけではなく、ちゃんとした海外展開も視野に入れているらしく、エンドロールの中に翻訳会社の名前が表記されている。 だが、聞き分けにくい日本語ボイスが大量に仕込まれている『スーパー音声衰弱』や将棋の駒の動き方を知らないと不利な『将棋III』など、ローカライズないしは、海外プレイヤーが楽しむことが難しそうなゲームがいくつか収録されているため、海外でも野田ゲーがヒットするかは少々不安である。 2023年7月4日更新のVer.1.2.2のアップデートで英語に対応。ただし2023年8月の時点で、まだ海外ストアではリリースされていない。 2022年12月18日のM-1グランプリで本作のテレビCMが流れた。 CM制作の資金集めの一環でCMに登場するエキストラやボイスなどもクラウドファンディングで集めており、野田によるとCMに参加した全員プロ並みだったとのこと。 大会・イベント等について 前作『PARTY』がヒットしたおかげなのか、発売元の吉本興業が協力的であり、タレントゲーにしてはイベントや大会などが多く開かれている。 「ダイバーシティ東京 プラザ」にて2022年7月28日〜8月28日の1ヶ月の間、コラボが行われていた。 『野田ゲーWORLD』を試遊できる「野田ゲーセンター」や「スーパー野田ゲーWORLDくじ」などが行われていた。 「東京ゲームショウ2022」にてブースを出展していた。吉本興業がTGSにブースを出展するのはこれが初。 ブースではアップデートで追加予定の『動・級・生』の先行体験が行えた。 ちなみに野田曰く当初は費用を抑えるために「出展エリアを少なく買って、上方向に伸ばす」という案を考えていたのだが、流石にNGを食らったとのこと。 2022年9月23日には、eスポーツイベント「RAGE(レイジ)」にて『邪道バース』の大会が開かれた。 この大会のために大会前日に『邪道バース』のバグをできるだけ減らそうとVer1.0.3へのアップデートパッチを配信したのだが、新たなバグが発生しまい出場者たちを困らせる結果となってしまった。 ちなみに、予選においてバグで決着がつかなかった場合は『The 連射』で勝敗を決めるルールになっていた。 コンビでパーソナリティを務めるラジオ『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0 (ZERO)』にて、『PARTY』と『WORLD』の実況プレイを1度ずつ行っている。 いずれも特別な週の企画として、実況はニッポン放送の野球実況のほか、『パワプロ』の実況も担当しているガチガチの本職の清水久嗣が担当。 2022年10月1日に東京国際フォーラムで行われた番組イベントでも、観客との対戦コーナーが設けられた。 しかし『将棋III』と『大乱闘 ブロックくずして』はうまく行ったものの、オンライン対戦のない『やせちゃうよ?』を入れてしまうミス(*7)に加え、『みんなのつり革』はWi-Fiに繋がらず中止と散々な結果となった。 発売一周年を目前とした2023年の夏に「スーパー野田ゲーWORLD世界大会」を開催。7月18日・8月1日の2度のオンライン予選を経て、決勝は8月19日にヨシモト∞ホールで行われた。 実況は清水が担当したほか、ゲストとして芸人ではロングコートダディとひろゆき(当時GAG)、プロゲーマーからはリグゼとハイタニ、声優の今井麻美、作曲家の川村竜(ミートたけし)、ゲームクリエイターの名越稔洋など、無駄に豪華なメンツが集められた。 なお、世界大会と銘打っておきながら、予選開催時点で海外版は未発売である。 その後の展開 2023年9月15日に次回作の『スーパー野田ゲーMAKER』がNintendo Switchで2024年発売予定であることが、ラジオ番組『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0 (ZERO)』において明かされた。(参考リンク) 『MAKER』は、『PARTY』『WORLD』のようなミニゲーム集ではなく、ゲーム制作ツールになるらしく、「野田AI」によって自動的にゲームを作成してくれるとのこと。 また、「野田AI」による作成だけではなく、ブロックプログラミングによって自分好みのゲームを作成することも可能らしい。 今回も『PARTY』『WORLD』同様、クラウドファンディングによる資金調達が行われており、出資したリターンとしてイラストや写真などの素材をゲーム内に登場させることができる。 2024年6月25日に本作のアーケード版『野田ゲー×GiGO』が発表された。(参考リンク) 収録ゲームは、『みんなのつり革』『大乱闘 ブロックくずして』『ナガイアス』『The 連射』。GiGO池袋総本店で2024年7月2日~7月31日の間、プレイすることが可能。